Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その236

2011年06月08日 | 制作裏話


Part.3 配色のバランス

 今日も「ギドラ撃退バージョン」の配色について。ラメの量や色のチョイスが実はバランスを大きく左右するのです。



■深みを出すために
 もし劇中で吹き飛んだキングギドラの首から広がったのが金粉ではなく、赤い血であったらこの時のゴジラは返り血を浴びて真っ赤になっているはずです。個人的にはあまりこういうゴジラは見たいと思いませんが、これが金であるからこそ「キングギドラを倒したゴジラの強さ」の表現であり、印象に残るシーンのとしてのインパクトであると考えます。
 単純に身体に金色がついたゴジラという訳ではありません。あくまで飛び散る金粉の中に立ち、勝ち誇るゴジラです。
 バラエティ番組の罰ゲームで芸人さんが金の塗料をかぶってしまったような姿を想像させるようなものにはしてはなりません。
 全身ゴールドにゴジラを塗るのはもちろんらしくないし、金ラメを大量に入れるだけもまた安易で安っぽく見えます。ゴジラの黒さと金粉の中にいる様子が同時に表現できる方法として、まずはある程度透明度のある黒のクリア成型に金モールを内蔵する事にしました。
 成型にはもちろんラメを入れる前提でしたが、ゴールドのラメだけを入れる事を最初は考えました。が、深みという点ではもの足りません。そこでラメの半分をシルバーにする事で、モールとの反射で深みが出るだろうという事を仮定してパランスを考えました。
 サンプルを成型屋さんに抜いていただき、モールを入れてみて思った通りの深みが出て一安心です。もしラメがゴールドだけだったら、全体的に金色の要素が強くなりすぎてゴジラの黒みが薄れ、少し軽い感じになり、金色ベースのゴジラとしては表面的な金色だけが目立っていた事でしよう。シルバーを混ぜて正解でした。
 金色を使用するゴジラだから何でもゴールドにすれば良いという訳ではない事がわかります。

 後はよりテーマを強調するために各細部をゴールドで塗装しています。成型色とラメとモールによるボディで充分表現できたと思いますので、ボディそのものには塗装はしない方がベストと判断しました。
 この辺の詳細は、2010年6月26日~7月1日の「こだわり」をご覧下さい。
 結果的に金と黒のパランスがポイントとなった商品でしたが、弊社としては予想していた通りのイメージとしてできました。お求めいただいた皆様はいかがだったでしょうか。

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