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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

初代メカゴジラについて その3

2011年02月23日 | 羽沢組的怪獣見聞録


メカゴジラの劇中スーツ(2)

 今日も初代メカゴジラの劇中スーツの形状や全体の色、流れについての続きです。

 時系列から考察すると、玉虫色を塗られたスーツ(以下便宜上「玉虫スーツ」と呼称させていただきます)は、玉虫色を重ねる前、つまり全身シルバーの段階で、スチールやロビーカード、ポスターやプレス用の写真に使われています。その後に玉虫色が加えられ、秘密基地のシーンに使われたものである事がわかります。
 なぜそれがわかるかというと、劇中で主に使われたゴジラやキングシーサーと戦ったスーツ(便宜上「アクションスーツ」と呼称させていただきます)と玉虫スーツでは形状に違いがあるからです。
 一部分のリベットの大きさ、首から胸にかけての複雑な形状の流れに造形的違いがはっきり見られるのです。
 玉虫スーツは秘密基地のシーンだけではなく、アップ用等のほとんど動かない時のために用意されたものと思われますが、形状の違いから推測すると実際には秘密基地のシーンだけにしか使われていないようなのです。

 基本的に映像で見られているのはほとんどアクションスーツという事になります。
 ではアクションスーツの色はというと、玉虫スーツの玉虫色を加えられる前の色、つまり全体がシルバーで関節部分や陰になる所だけ薄くスミ入れされた色です。ですからある意味これが初代メカゴジラのスタンダードな色と言っても過言ではないでしょう。
 実際劇中映像でのアクションスーツは、首以外は硬質ウレタンなので、ゴジラ達との戦いでは当然ヨレ、しわ、傷等が見えるので、首と同じ色を塗られていたものではありますが、ややくすんだ明るくないシルバーに見えてしまっています。
 シルバー系の色だけに背景や埃、炎等の反射がどうしてもあるので、当時のフィルムのクオリティでは反射であるにも関わらず、その色がメカゴジラ全体の色として見えてしまうケースも多々あるようです。一例ですが、宣材写真やブロマイド等でよく見られる白っぽいシルバーのメカゴジラは、明るい空の背景画での撮影写真のためであることがわかります。

 弊社商品の「スタンダードカラー」は、基本をアクションスーツの色としています。その色についての詳細やこだわった所は多々ありますので、近日「こだわり」としてお伝えしたいと思います。


▲写真は弊社商品「メカゴジラ」原型です。