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有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

初代メカゴジラについて その2

2011年02月22日 | 羽沢組的怪獣見聞録


メカゴジラの劇中スーツ(1)

 今日は初代メカゴジラの劇中スーツの形状や全体の色、流れについて。

 劇中スーツがどういった経過で作られたのか、形状や色等についていくつか調べてみました。以下は作品映像、複数のムック本や書籍等から弊社が独自に解釈、検証したものです。川北紘一特技監督(『ゴジラ対メカゴジラ』では本編助監督の他に中野特技監督の助手としても参加)にお話を伺ってお聞きした事も参考にさせていただいています。

 最初に検討用として作られたスーツから後の劇中スーツまでは、ほとんど大きな変更はありません。ただし色について何度か変更が重ねられたようです。首から上の頭部はFRP樹脂で作られ、下は全て硬質ウレタンなのだそうです。
 検討時、最初の色は全身シルバーで統一されて塗装されて出来上がりました。これが最初のスーツになります。
 そのあとメカとしてのつなぎ目や縁を細かにスミ入れされ、かなりリアルな仕上がりになっています。これはリアルすぎるという事で再度変更されるのですが、このスミ入れのパターンは後の「メカゴジラ2」で生かされる事となります。このリアルな塗装の方が好きというファンも少なくはないようです。
 最終的には再びシルバーで塗装され、関節部分等や陰になる部分は薄くスミ入れされ、ほぼ我々がよく目にするメカゴジラの色となります。

 スーツの種類ですが、頭部は2つ作られたと思われ、1つはアップ用らしく、内部のギミックが多少違っていたらしいのですが、推測で書かれている書籍等はありますが詳細はわかりません。外見の違いはかなり良く比較してみないとわからないほどほとんど同じで、微妙に一部分の丸みが違うとか角度が違う程度です。
 頭部とは別にスーツ全体としてはおそらくは2体作られていると思われます。
 最初に作られたものは先に書いたような色で最終的に決まりましたが、その後にボディの一部分に薄く7色のスブレーが施され、玉虫色のような雰囲気を見せています。
 ただし、これは実際には劇中では、ブラックホール第三惑星人の秘密基地に立つメカゴジラのシーンにしか使われていません。「メカゴジラはシルバーの上に玉虫色が施されているのが正しい」と思っている一部のファンや特撮ライターさん、ソフビメーカーさんが多いようですが、確かに間違いではありませんが実際にはその秘密基地に立っているシーンやそれを撮影したスチール写真だけを見て判断されていると思われます。劇中ではほとんど使われなかったものなのです。