春庭パンセソバージュ

野生の思考パンセソバージュが春の庭で満開です。

心も頭もポカポカ春庭のへぇ!へぇ!平成教育研究「春庭の国学③」

2004-01-09 | インポート
(2004/01/09)
心も頭もポカポカ春庭のへぇ!へぇ!平成教育研究「春庭の国学③」

 たぶんそうはいないと思うけれど、本居春庭の国学にものすごく興味がある人がいるならば。
 春庭の「本居春庭」の業績紹介は、飯田晴巳さんの研究によります。興味がある人はサイトへGO! http://www.kgef.ac.jp/ksjc/kiyo/910090k.htm からの引用、受け売りです。

 現代語訳と、係り受け図示の解説は「ポカポカ春庭」が、正月だけはビール解禁、頭ポカポカでやりましたので、誤解や理解足らずのところがあるかもしれません。

 今年こそ「みんなMサイズなのに、私一人LLサイズの衣裳で踊った2003年ジャズダンス発表会」の雪辱をはたすべく、せめてLサイズにしたいと、ビールを断っていましたが、正月くらいはねぇ。でもって、頭ポカポカです。

本居春庭の国学研究「和歌のことば、係り受け」(現代語訳ポカポカ春庭)

 『 私は常に、和歌を学び始めた方の歌を数多く見ている。あれこれと間違っていることがたくさんあるが、どのように初心者に教えてやろうかと考えて、むかしの和歌を取り上げて、ことばの係り受けやテニオハの意味を、初心者にもわかりやすいように、印をつけ、図示して、教え諭してやろうと思う。
 和歌のことばの「係り受け」を次の記号で示すことにする。

1, ⌒   このマークは、次の詞へのみ係っていくことを示す

2,┌――┐ このマークは、その詞テニオハの句を隔ててむねと係るところを示す

3,└――┘ このマークは、下のことばから上のことばに逆方向に係る所を示す

4,┃ このマークは、和歌の途中で切れる部分を示す

5,━ ━━ このマークは、「紐鏡」という本で述べている「結び」のテニオハを示す

6,〔  〕  このカッコは、枕詞を示す

 マークをつけて、言いたいことはいろいろあるが、初心者が理解できないことや、書き尽くせないことも多いので、初心者は、自分でよく心得て、自ら学んでいくようにしなkればならない。』

<本居春庭の原文>
 おのれ常に初学のともからの歌を多く見るにこれかれあやまる事多けれはいかてしらしめむと思ひよりけるまゝにいにしへの哥ともをこれかれ出して其かゝるてにをはのさまを心得安かるへき様に印をつけ筋なと引て教へ諭しつるなり

⌒  此しるしは次の詞へのみかゝるをしらせたるなり

┌――┐ 此印はその詞てにをはの句をへたてゝむねとかゝるところをしらせるなり

└――┘ 此印は下より上にかへりてかゝる所をしらせたるなり

┃ 此印は哥のなからにてきるゝをしらせたるなり
━ ━━ 此印は紐鏡にいへる結ふてにをはをしらせたるなり

〔  〕 かくかこみたるは枕詞なり

猶印をつけいはまほしき事ともゝ多かれと中々わつらはしく初学のともからは思ひまとふへく又筆には書取難き事ともゝ多しそはみつからよく心得ておのつからさとるへき事なり


万葉集No.2601「うつつにも夢にも我は思はざりき|ふりたる君にここに逢わんとは」
古今集No.84「[久方の]光のどけき春の日に静こころなく花の散るらむ」
古今集No.113「花の色はうつりにけりないたずらに|我が身世にふるながめせしまに」

を例にして、ことばがどのように係っていくか、ことばの係り受けを図示している。

(万葉2601)               
解説
1, 真ん中の「|」の部分で、一首が区切れていることを示している。

2,「おもはさりき」の係助詞「は」と過去の助動詞「き」は、呼応して「係り結び」を成立していることを「━ ━」のマークが示している。

3,「思はさりき ふりたる君にここに逢むとは」は、倒置であることを「└――┘」のマークで示している。本来は「昔ふれ合った君に、ここでに逢うとは思わなかった」と、「思う」があとに来る述語であるが、倒置されて前に出ている。

4,「ふりたる」と「君」は、連体修飾被修飾の関係で直接結びついていることを「⌒」で示している。

5,「ここに」「逢はむとは」は、連用修飾被修飾の関係で直接結びついていることを「⌒」で示している。

古今集No.84
解説
1,「久方の」は枕詞であることを 〔  〕マークで囲って示している。

2,「ひかり」は「のどけき」に直接係る。「のどけき」は「春」に係る。「しつ」は「心」に「花の」は「ちるらむ」に係る

3,推量の助動詞「らむ」がこの一首の結びの語であることを ━━マークで示している。

4,「しつ心なく花の」までが「ちるらむ」に係ることを ┌――┐マークで示している。

古今集No.113     
解説
1,┃マークのところで歌が区切れている。

2,└――┘のマークは倒置を示しているので「なすこともないままに我が身を世にすごし雨が長くふっているのを眺めている間のように時がうつってしまったことよ」となる。

3,詠嘆の助動詞「けり」で一首が結びとなっていることを ━━マークで示している。倒置なので、結びの語が前に来ている。

4,「わが身」と「世に」は「ふる」に係ることを ┌―┐マークで示している。

5,「世に」は「ふる」に、「ながめ」は「せし」に「せし」は「間」に係ることを ⌒マークで示している。

 本居春庭は、日本語の構造(シンタックス)を具体的に目で見てわかるように図示し、ことばがどのようにつながってひとつの文として構成されているかを、研究した。

本居春庭が図示したことをコピーしようと試みたのだが、行替えがことなって、私の転記能力ではうまく図示できなかった。図をみたい人は、上記サイトへ。

 ポカポカ春庭は、日本語学を学ぶ過程で日本語関係の本をある程度は読んだけれど、たぶんこの程度では、文法を学ぶ人から「えっ、そんなもので修士論文を書いちゃったの?」と言われるだろう。

 春庭は、小説やエッセイやその他の本も読みたくて、ついつい文法関係書の読破はおろそかになった。
 おまけに、読み終わると、文法の肝腎なところは内容を忘れてしまう読書だから、ちっとも身につかなかった。

 そのかわり、雑学好きになれたと思っている。「言語学・日本語学・日本語教育学・第二言語習得理論に関係ない本をもっともたくさん読んだ日本語教師」としては立候補できるだろう。

 日本語教師としては学が足りないポカポカ春庭にとって、日本語の構造を理解するために、大いに役だった本を紹介しましょう。

 時枝誠記「言語過程説」とか、三上章「日本語主語論(象は鼻が長い)」とか、日本語教師必読本はたくさんありますが、私の言語観文法観の基本は、おもに下記の書によっています。

☆☆☆☆☆☆☆
春庭今日の10冊No.79~88
No.79(お)奥田靖雄『日本語文法・連語論(言語学研究会編)』
No.8081(く)工藤浩『叙法副詞の意味と機能』『副詞と文の陳述的なタイプ(『日本語の文法3 モダリティ』第3章)』
No.82,83(た)高橋太郎『動詞の研究 動詞らしさの発展と消失』『動詞の意味用法の記述的研究(国立国語研究所編)』
No.848586(て)寺村秀夫『日本語のシンタクスと意味Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ』
No.87,88(み)南不二男『現代日本語の構造』『現代日本語文法の構造』

蛇の足跡:
 と、縷々本居春庭について、のべてきたものの、これで「本居春庭にすごく興味がわいたから、ちょっと研究してみます」という人が出てくることがあるのかしら。

 いないだろうとは思いつつ、そこは「年のはじめのためしとて」ちょっと厳粛に話をはじめてみたポカポカ春庭。もう限界です。格調高いのは、似合わないのよネェ。

心も頭もポカポカ春庭のへぇ!へぇ!平成教育研究「春庭の国学」

2004-01-08 | インポート
(01/08)
へぇへぇ平成(へぇなる)教育研究「本居春庭の国学」)

 04/01/03の「本居春庭」紹介の続きです。
本居春庭がどのような文法研究を行ったか、紹介します。

 本居春庭の研究を紹介する前に、国学とは何かを知らなければなりません。

 江戸時代の学問は中国渡来の「朱子学」が「正規の学問」でした。漢学です。
 漢学に対して、日本の文芸文学を研究するのが「国学」
 荷田春密(かだのあずまろ、春満、春漢とも)や、その弟子の賀茂真淵らが、和歌の研究、古今、新古今、万葉集などを研究し、国学を発展させました。

 古事記、源氏物語を研究し、国学を大成したのが本居宣長です。
 本居春庭は、宣長の息子。30代で失明しましたが、国学の研究を続けました。

 国学者としては、むろん宣長の方が有名ですが、宣長の本分は、古事記や源氏物語の研究にあり、文法学者としては春庭のほうが優秀だったのじゃないかと思っています。
 宣長さんについては、小林秀雄も晩年の大作『本居宣長』を著わしているし、子安宣邦など、すぐれた宣長研究者も多い。

 しかし、国学のなかでも、文法研究は地味ですから、春庭の知名度はいまひとつ。
 日本語教師ぽかぽか春庭今日の一冊NO.1の足立巻一『やちまた』が、唯一「本居春庭」を知るための「一般書」です。

 本居春庭の「語と語のつながりの研究」は、日本語の語と語が、どのようにつながって、ひとつの意味のある文を構成するか、という研究です。

 つまり、本居春庭は、文の成分の相互関係(文の構造の図式化)の研究を行ったのです。
 この本居春庭の研究は、言語学研究の中で、構文論=シンタックス、というものに相当します。

 本居宣長は、国学の中の「歌学」研究を行い、和歌の中のことばがどのようにつながってひとつの和歌が構成されてくるか、ということを研究しました。
 この宣長の「語の係るところの認識」が、春庭に受け継がれ、歌の図解方式へと開花していったのです。

 明日、01/09に本居春庭の研究を紹介します。

おい老い笈の小文「まちゃさんサイト&新プリンターの報告」

2004-01-07 | インポート
(01/07)
「へぇへぇ平成(ヘェナル)好色一代女③まちゃさんサイト&新プリンターの報告」

 01/03に書いた「まちゃえもん」サイトの問題について、多くの方から応援のことばや質問をいただきました。
 まちゃさんの息子さんを案じてくださった方、また、カフェを居こごちよいものにするためのさまざまなご提言、ほんとうにありがとうございました。
 心あるかたがたの声援を受け、まちゃさんの息子さんはOCNカフェに復帰しました。

 以下、ミニメールを再録し、経過を報告したいと思います。心配してくれた方のひとり、あちゃさんへのミニメです。

まちゃえもんさんの息子さんがカフェ退会したことについて、いろいろ考えてくださってありがとう。

経過については、mitsubaさん、kissさんのサイトでも報告されています。
このまま退会したのでは、「退会しろ」と言った人の思うつぼになってしまうから、カフェサイトを続けたほうがいい、というmitsubaさんたちの説得で、息子さんはカフェに自分のIDで登録しなおしました。
makenaiyo というIDネームです。応援してください。

makenaiyo君は、トップにも書いてありますが、幼いときに交通事故にあい、小学校でイジメをうけたり、つらいことも続いた中、母子家庭の母と兄に守られて成長した高校生です。
あちゃさんも、どうぞ応援のことばを足跡でつけてやってください。

ネチケットをわきまえない者を、これからどうしたらいいのか、私たちも考えていかなければなりませんね。
今回のトラブルについて、その処置についてはmakenaiyo君にまかせるしかないと思いますが、彼もまだ未成年なのですから、私たちが応援していきたいと思っています。
HALより

 1月6日は、はまちゃさんの初七日でした。makenaiyo君は「夢でお母さんに会いたい」とコメントを書いています。会えるといいね。夢の中でいっぱいお話ししてください。みんな君を応援しているよ。負けないで、がんばってね。

 もうひとつの報告は、新しいプリンター接続に苦労した話。こちらも「ちゃんと接続できたのか」と、ご心配いただいたので、pjTAKOさんの掲示板に書いた投稿を再録して、ご報告したいと思います。

2004年1月たこ掲示板(TWIST WORLD)
インストールはできたはず、パソコンの画面にアイコンもある。
なのに、ワープロから印刷しようとすると、プリンターが確認できません、という。

 なぜなんだぁ。こんなに機械に弱い私がいっしょうけんめいつないでやったのに、なぜ働こうとしない、ヒューレットパッカードよ。アメリカの悪口ばっかり言っていたせいか。ごめんよ。プリントしてくれたら、ブッシュは馬鹿だと思うのをやめて、ブッシュはすこしだけ馬鹿だ、に変更しよう。
と、格闘すること30分。

 わたしより少しだけパソコンに強くなったはずの中学生息子や、大学で「情報処理Ⅰ」という単位をとったはずの娘も手を出したが、パソコンの不調ではないらしい。

 中古を買ったのが悪かった。いくら金のない家でも、機械に弱いのだから、ちゃんとした新品を買ったほうがよかったのに。

 あきらめムードただよう中、息子が言った。「おかあさん、これ、プリンターのコンセント入れてないんじゃないの」

 えっ、そんな馬鹿な。いくら私が機械に弱くても、そこまでポカポカじゃない、と怒りつつコンセントをみると、ちゃんと抜けていました。はい、お粗末。ありがちな結末ですみません。

 ブッシュのおかげで、ちゃんと印刷できました。新年早々、めでたいなあ。

 Bushは「藪」という意味。医者ならば藪医者、大統領なら藪大統領です。そして私は機械音痴の「藪パソコン」
 おさわがせしましたあ。

ちえのわ七味日記01/03より転載「まちゃさんのこと」

2004-01-03 | インポート
01/03 土 晴れ(話しことばの通い路・ちえのわ七味日記2004/01/03より緊急転載)

 OCNカフェに日記を書いていた「まちゃえもん」さん、ライブに出演して息子さんのピアノと共演したという日記を読んで、「シングルマザー、仕事が忙しくて大変でも、ちゃんと生活を楽しんでいるんだな」と、その余裕ぶりをうらやんでさえいた。

 ところが、年末に入院し、おおみそかに亡くなってしまった。しかも、カフェ日記を通じて母親の死を連絡した息子さんに、なにやらいやがらせが続き、息子さんは、やむなく日記を閉鎖した。

 高校3年生とそのお兄ちゃん。シングルでトラック運転や介護の仕事をしながら子どもを育てていたまちゃさん。

 倒れたとき、パソコンがつけっぱなしになっていたとか。
 葬式は、ふたりだけですべてをおこなったのだという。

 私には、ご兄弟が一人前になるのを見守ることしかできないが、まちゃさんに代わって、ふたりを見守る気持ちのある人間が世の中に存在することだけは知らせていきたい。

 おにいちゃんは家を守り、弟くんは高校卒業後は、県外への就職が決まったそう。

 「悲しみにまけないでがんばる」と、弟はけなげに書いている。がんばれ!!おとうと君、がんばれ、おにいちゃん。

 私は、まちゃさんの日記を読み、足跡やミニメールのやりとりをしただけの縁。

 そのはかないご縁でも大事にしたいとおもっているのに、父も母もいない家にふたり残された兄弟に、いやがらせのメールをおくり、「カフェ日記を閉鎖しなければ、まちゃまちゃサイトを訪れる人にもいやがらせをする」と、脅した人がいるのだという。

 世の中にはいろんな人がいるとは思う。しかし、たった一人の母をなくし、親戚はあてにならず、兄と弟二人で母の思い出を守るしかないという兄弟にいやがらせをするというのは、どういう貧しい精神なのだろう。

 まちゃさんの死も信じられないが、そういう人がいるということも信じられない。
 以下、むすこさんへのメール

まちゃさんのむすこさんへ

 まちゃさんの手料理をもう食べられないことは、とても残念だと思いますが、おいし
い味はずっと忘れないものです。

 まして、まちゃさんの温かい心をはじめ、まちゃさんが私たちに残していってくれた
ものは、ずっとずっと心の中に生きています。
 ご兄弟が生きている限り、まちゃさんは永遠です。

 私が母を失ったのは23歳のときでした。妹は、18歳。高校の卒業式の2日前のことでした。まちゃさんを亡くしたおふたりの年齢とほぼ同じです。

 母は、インフルエンザになったと思って医者へ行き、医者もインフルエンザと診断して注射をしたんですが、母の病気は心臓疾患でした。間違った治療をしたため、いっそう心臓に負担がかかり、1週間の入院で死んでしまいました。

 信じられませんでした。1週間前にはいっしょに買い物に出かけた母が、電話を受けたときには「もう、危篤」そして、深夜、東京から電車とタクシーを乗り継いで病院へたどり着いたら、その夜のうちに死んでしまったんです。

 あとを追って死ぬことばかり考えていました。私にとって、母は人生のすべてでしたから、母がいなければ、生きている意味はないと思いました。

 葬式も法事もすべてむなしく、お焼香に来てくれる人を見ると「なんで、あんないやな人が生き残って、母のように心やさしく、だれにも公平に親切だった人が死ななければならないのかと、くやしくて、みんな殺して自分も死のうと思いました。

 私のエッセイ「おい老い笈の小文」の中にも書きましたが、私が生き残ったのは、母が残していった俳句や短歌のおかげです。

 「3回忌に、母の作品集を出版しよう」ということを決め、母の作品をまとめる作業
を続けて、私は生き残りました。
 母の作品を読むことで、母の人生をたどることができました。

 兄弟ふたり、大切な美しいお母さんを亡くして、今はただ、泣いていてください。いっぱい涙もながして、まちゃさんの名を呼んで。

 でも、49日をすぎたら、お母さんはこの世とあの世の行き来をしていたのをやめ、本当にお空へ昇っていきます。

 やすらかな死後の暮らしをおくるために、残された人たちは、旅立つ人へ心配をかけないように普段の生活を取り戻さないといけないといいます。

 これから高校卒業や就職があり、忙しいことと思いますが、おかあさんが残した思い出を大事にしていってください。
====================

 まちゃさんの日記、私たちを励ましてくれました。京都へ行ったこと、ライブで息子さんのピアノと共演したこと、ほんとに楽しそうな日記でした。

 いつか、また、まちゃさんの日記がカフェに復活して読める日を楽しみにしています。
 息子さんが継承しようとしていたまちゃさんサイトが閉鎖に追い込まれたこと、とても残念です。

 そういう脅しを認めてしまったら、また同じようなことが起きるかも知れません。

 カフェにはいろんなサイトがあり、いろんな日記があります。
 いやな日記があるなら、読まなければいいだけ。書く自由は、なんびとにも保証されています。

 私もこれから、自由に書いていきたい。そのためにも、他者のサイトへ「閉鎖しろ」などと言う人の存在を認めてしまいたくありません。

 重ねていいます。いやなサイトがあったら、行かなければいいだけです。書くのは、他者を侮辱したり傷つけたりしない限り、自由です。
 サイトを開くのも自由です。「おまえのサイトを閉鎖しろ」などと言う権利はありません。

へぇへぇ平成教育研究「本居春庭について」

2004-01-03 | インポート
<お知らせ>
 2004/01/04~2004/01/07 更新おやすみ
 2003/01/08 「本居春庭の国学について」

(2004/01/03)
心も頭もポカポカ春庭のへぇ!へぇ!平成教育研究「春庭の名乗りについて」

 「本居宣長のご縁の方?」という足跡に答えて。

  わたくし、生まれも育ちも葛飾柴又じゃ、ありません。三重の松坂でもありません。

 松坂の人、本居宣長とは縁もゆかりもないんですけど、たまたま宣長の息子春庭の名前を無断で借りている不届き者です。

 日本語教師「ポカポカ春庭」が名前を借りている、国学者本居春庭とは。

 本居春庭は、父親本居宣長の言語研究をうけついで国学の研究を行った、江戸時代の国学者です。30代での失明、というハンディを持ちながら研究に没頭し、すぐれた業績を残しました。

 本居春庭とのご縁はふたつ。
 日本語教師春庭、長年、視覚障害者のための朗読ボランティアをしてきました。本居春庭が盲目であったことを知り、江戸時代に私が生きていたら、朗読者となって国学資料を朗読してさしあげたのに、と残念に思っております。

 日本語文法を研究していた頃、本居春庭の著作『詞通路(ことばのかよいじ)』や『詞八衢(ことばのやちまた)』などの、すぐれた文法論に感服したこと。

 以上の点と、「春庭」という名の温かそうな語感が気に入って、勝手に名前を借りております。

 というわけで、名前を借りているだけで、本居家とは関わりない、しがない日本語教師でございます。

 春庭という名の語感が好きで「春庭、心も頭もポカポカです」などという戯れた足跡を付けて回っているので、本家春庭は、草場の蔭から「世も末」と嘆いているかも。

 借りっぱなしでは申し訳ないので、春庭のすぐれた業績を2004年1/08の「日本語学おべんきょ初め」としてご紹介したいと思います。

 と、いっても、頭ポカポカ春庭の私めが、「本居春庭」研究できるわけもなし。受け売りです。

 それでは、2004/01/04~2004/01/07は、正月休みとさせていただきます。

☆☆☆☆☆☆☆
春庭今日の二冊No.77 78
(も)本居春庭:『詞通路(ことばのかよいじ)』『詞の八衢(ことばのやちまた)』

おい老い笈の小文「へぇへぇ平成(ヘェナル)好色一代女②」

2004-01-02 | インポート
(01/02)
「へぇへぇ平成(ヘェナル)好色一代女」

 「ポケモン」が世にはやって以後、小さな子どもも「紫苑」「縹(はなだ)」「朽葉(くちば)」「あさぎ」などの日本古来の色の名前を口にしています。

 「はなだシティ」「しおんシティ」など、ポケモンに登場する町の名前が、色名から取られているからです。

 しかし、「はなだ色」がどんな色か、「紅蓮(ぐれん)」が何色かを、正確に知っている子どもはあまりいない。日本の伝統色名が用いられなくなっているから。

ポケモンの町の名前と英語版ポケットモンスターのタウン名について
http://www.asahi-net.or.jp/~ua4s-njm/pokemon/poke_usat.html
このサイトに解説があります。例をあげると、
「VIRIDIAN CITY (トキワシティ) トキワは漢字で書くと常磐。松や杉など常に木の葉が緑色で変わらない植物を指す。
 PEWTER CITY (ニビシティ) A stone Gray City (ニビは灰色、石の色).純色と書いてニビいろと読む。見た目の綺麗さとは裏腹に薄墨色を意味する。

 色の名前や「かさねの色目」を知るだけでも、日本古来のことばの多様さ、広がりを感じることができます。
 
 ところで、あなたは虹の色はいくつ見えますか。
 「虹は七色」だから7色だろうって。ところが、フランス語では「虹は6色」色の区切り方が日本語と異なるからです。

 世界の言語の中には、色をあらわす単語が三つしかない言葉もあります。それで、十分に世界を表現できる。

 「赤」「青」などの直接、色を示す単語のほかに、「葉っぱの色」「カッコウとなく鳥の羽の色」と、形容していけば、色を表現できるのだから、色の単語がすくなくても大丈夫。

 日本語では、JIS 規格の色名だけでも300以上あります。しかし、これは上記の色の表現と同じものがほとんど。

 「朱鷺の羽の色」だから「朱鷺色」、ネズミの毛皮の色だから「鼠色」など、ものへのたとえから出来た色名ネーミングがほとんどです。

 色の名の名詞としては、本来の日本語では「白」「黒」「赤」「青」の四色のみ。白は、日光を全反射する。黒は日光を吸収する。赤は、明るい色鮮やかな色すべて。青はあいまいな、どこにも属しようのない色すべてを表現していました。
 
 だから、「青毛の馬」というのは、英語で言うブルーではなく「グレイ」、すなわち灰色の毛をした馬のこと。

 現代でも交差点のシグナルを「青信号」と呼ぶと「あれは、青くない、緑色に光っているじゃないか」と、いう人もいる。
 しかし、青は、「白でも黒でも赤でもない色全部」が「青」だったのだ。「萌え出ずる新しい生命」を表現する「みどり」が「あたらしく萌え出た葉っぱ」の色につかわれるよになり、今では「緑色」という色名が確定した。

 現代のことばで「新しく生まれ出る生命」という意味で「みどり」が残っているのは、「みどりご」という単語のみ。この語も「赤ちゃんなのに、みどりごというのは変だ」と考える人が多くなってきた。

 年のはじめ、「すべてのものが去年とは生まれ変わる」というのが、古来からの私たちの考え方。

 こどものころは、「昨日と同じ太陽なのに、なぜ元旦の朝は、初日の出とか言って、みんなありがたがって拝むのか。おおみそかの太陽を拝んだって、2月16日の太陽を拝んだって、同じ太陽なのに」と、思った。(ヘリクツばかり言うイヤな子どもと思われていました。)

 でも、大人になった今は分かります。私たちの人生や生活は「区切り」というものがないと、とりとめがなくなり、たちまち淀み汚れていくのです。

 どこかに「区切り」を設けて、リセットする。時間はすべて新しいものに生まれ変わり、新しい気分でスタートすることができる。

 そのための「新年」であり、そのための「初日の出」「初詣」です。去年つらいこといやなことがあった人も、すべてリセット。

 今年は今年で、きっと何か新しいことに出会える。
 皆様の2004年がすばらしい年となるよう、春庭、初日の出にお祈りしておきましたから、きっといい年になるはずです。

 よい年にしましょうね。

おい老い笈の小文「新年抱負とお年玉」

2004-01-01 | インポート
(01/01)
「へぇへぇ平成(ヘェナル)好色一代女①」

 新年おめでとうございます

 新年抱負!春庭は、「へぇへぇ平成(へぇなる)好色一代女」をめざしております。
 「好色」や「色好み」は、日本の伝統的な「生き方」。
 在原業平、光源氏、西鶴の「好色一代男」の世之介、みんなみんな「色好み」を生きる指針にしてきた主人公たち。

 この場合の「色好み」というのは「洗練された恋愛ができる」「人のこころのあや、美的感覚など、すべてを理解し実践するための恋を貫く生き方」という意味の「色好み」です。

 男もすなる「色好み」を女もしてみんとて、するなり。へぇへぇへぇなる色好み。

 と、もうしても、春庭の「色好み」は、「洗練された恋愛」やら「二人でいたす色好み」には、及びませず(辺見庸が相手してくれないので)、せいぜい「色の名」について調べる、という趣味にとどまります。

 春庭、昔から「草木染め」などの染色や織物に興味があり、日本古来の色の名前などを調べてきました。

 色に関する本を眺めているのも大好きで、志村ふくみさんの染色エッセイはじめ、織物、染め物関係の本をときどき読みます。

 京都書院という出版社の『日本の藍』『和更紗模様図鑑』『中国55少数民族の服飾』『かさねの色目』、などをながめて、「我が身世にふるながめせしまに」と花の色のあせるのを嘆きつつすごしています。(あんた、「花」ったって、もともとペンペン草だろうが、というツッコミ無用)

 2003年読了本の「色」の本では『日本の色を染める』吉岡幸雄と、『色の名前で読み解く日本史』中江克巳を、面白く読みました。

 2002年にようやく『新版 色の手帖』(小学館)という本を買うことができました。
 春庭、古本屋の3冊200円の文庫本以外の本を買うことはめったにありません。
 『色の手帖』も、新版になる前から欲しかったのに、3000円が出せなくて、買えなかったんです。やっと買えました。

 昔は何千円もする専門書を買わざるをえなかったので、それだけで1年間の書籍購入費をつかいはたしてしまい、日本語学関係書以外の本は「がまんがまん」の日々でした。

 今は、日本語学から足を洗ったので、どっかの学者が新説売り出しても、老大家が研究をまとめ上げても、気にしない。
 南不二男「文の構造四段階説」を発展させた『日本語の機能構造』(くろしお出版)う~ん、ちょっと気になる。高橋太郎『動詞九章』ひつじ書房4200円。高いけど読みたいなあ。
 いや、今の春庭は、日本語文法研究ではなく、「色好み」に生きるんでした!

 3000円が出せなかったくらいだから、5万円の商品にはとても手が出せない。
 5万円の商品、「500色の色えんぴつ」というのは、フェリシモ社が以前売り出した「色えんぴつ」です。

 春庭、とても欲しかったのですが、全セット5万円という値段を見てあきらめ、カタログを眺めるだけで、満足していました。(新聞のチラシで入ってきたのを大事にとっておいた)

 このカタログ、何年もの間ながめながめて楽しんでいたんですが、いつの間にかどこかへまぎれてなくなってしまいました。整理整頓がまったくできていない家なので。どこかにしまってはあるけれど、その「どこか」を探し出すのが至難の業。本の山がくずれてくる。

 カタログがながめられなくなって残念に思っていたところ、そこはインターネットの力。あった。ありました。500色を全部掲載しているサイトが。
http://www8.plala.or.jp/micmac/Fel500/Fel500.html

 500色の色えんぴつに対して、フェリシモ社は、独特の色名ネーミングを行いました。とても乙女チックなネーミングなので、いやだ、という人もいるし、おもしろがる人も。

 私にはとても面白かった。少女っぽいネーミングが、「色えんぴつ」という商品にぴったりだと思いました。これが「絵の具」とか、「クレヨン」ならまた話は別ですが。
 
JIS規格の色名とマッチングしてあるサイトを探したいのですが。
 上記サイトにはJIS色名とのマッチングがないのが残念。

 「500色」の「ニッポニアニッポン」という色がJIS規格の「鴇色(ときいろ)」だろう、という見当をつけたのだが、マンセル値は異なる。500色の「早春のわすれな草」がJISの「勿忘草色」だろうと思うと、これまた別のマンセル値。
 JIS色名をもとにネーミングされているのかいないのか。500色全部調べるには時間がかかる。

 「500色の色えんぴつ」を、より楽しむために、春庭、イラストレーター「ひつじ」さんとのコラボレーションを始めました。
 「ひつじ」のイラストに、春庭がロゴをつけ、500色のバリエーションを楽しんでいるのです。下のURL。Cafeの春庭リンクページから飛ぶことができます。
http://www2.ocn.ne.jp/~haruniwa/12kyuuscorpio.htm

 物思いにふけったり、ちょっとエッチだったりする、さまざまな少女たちのモノローグを、「500色の色えんぴつ」色の名前と共にお楽しみいただけます。

 500色の色の名前をシソーラスにまとめました。シソーラスというのは、言葉を分類し、仲間ごとにまとめた辞書です。

 いっぱんの辞書が「あ~ん」という五十音順とか、abcアルファベット順にならんでいるのに対し、「気象に関する語」とか、「鳥の名前」などのように、意味べつに分類されている辞書です。

 「500色の色えんぴつシソーラス」500色を42のケースに分類。12色ごとにケースに入れました。

 春庭からのささやかな「お年玉」。
 ウェブログハウス春庭ロフトで「500色の色えんぴつシリーズ」を、どうぞお読みいただけますよう。ご紹介申し上げて、新年のごあいさつとさせていただきます。

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春庭今日の12冊No.65~76
No.65、66(い)井原西鶴『好色一代男』『好色一代女』
No.67(?)作者不詳『伊勢物語』
No.68(む)紫式部『源氏物語』
No69、70(し)志村ふくみ『一色一生』『色を奏でる』
No.717273(よ)吉岡幸雄『日本の色を染める』『和更紗模様図鑑』『日本の藍』
No.74(な)中江克巳『色の名前で読み解く日本史』
No.75(な)長崎盛輝『かさねの色目』
No.76(ひ)費考通『色彩のコスチューム中国55少数民族の服飾』

蛇の足跡:
 ちなみに、自分へのお年玉として、春庭、「60色の色えんぴつ」を購入いたしました。500色には及ばないものの、昔使っていた24色の色えんぴつの3倍弱の色が楽しめます。

 春庭に色えんぴつ、百万本の薔薇の花束、ソーセージ(メタファー)以外のお年玉をプレゼントしようとお考えの方、どうぞ躊躇もためらいも遠慮もなく、お寄せ下さい。

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まちゃさん、やすらかに!

2004年1月目次

2004-01-01 | インポート
2004年1月目次
1月「心も頭もポカポカ春庭のへぇへぇ平成(へぇなる)言語文化教育研究」
特集「へぇへぇ平成(ヘェナル)好色一代女」いろいろカラーと色の話

01/01 新年抱負とお年玉「へぇへぇ平成好色一代女①」
01/02 へぇへぇ平成(へぇなる)好色一代女②
01/03 「春庭」という名乗りについて
01/03 「まちゃさんのこと」&日記を書く自由について
01/07 新プリンタ藪パソコン騒動報告とまちゃサイトのその後報告
01/08 本居春庭の国学①
01/09 本居春庭の国学②
01/13 ネチケット、コピー、コピーライト
01/14 HALという名
01/15 「今年最初の漢字の勉強ー赤い糸」
01/16 パロディと本歌取り①
01/09 パロディと本歌取り②
01/20 青い紅玉①
01/21 青い紅玉②
01/22 クリスマスカラー、正月色①
01/23 クリスマスカラー、正月色②
01/26 青房赤房、力の色①
01/27 青房赤房、力の色②
01/28 青房赤房、力の色③
01/29 青房赤房 力の色④、⑤
01/30 合掌