春庭パンセソバージュ

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ぽかぽか春庭「シェークスピアもパクリ名人」

2006-09-16 | インポート
2006/09/16 土
ことばのYa!ちまた>翻案盗作パロディオマージュ(1)シェークスピアもパクリ名人

 田口アヤコさんは、2006年の1月に、8月公演と同じ王子小劇場で「性能のよい~シェイクスピア作『オセロー』より」という劇作品を上演した。

 ムーア人の将軍オセロが、妻の不倫を疑い、嫉妬に狂ってついに妻を殺す話と、島尾敏雄の妻ミホが、夫の不倫への嫉妬から狂気に陥る過程を描いた『死の棘』をコラージュした作品。
 もとの「オセロ」のストーリーやセリフが出てくるが、あくまでも「田口アヤコの作品」である。

 シェークスピアは、世界中でもっとも多く「翻案」された作家であろう。
 今月のテーマとして「翻案、パロディ、盗作、贋作」などの問題を考えてみたい。

 翻案劇の場合、セリフは元のまま、シチュエーションや時代を変えるのみ、というのもあるし、オリジナル戯曲の骨格を生かしてはいるが、元の劇とはガラリとちがう演出にすることもできる。

 数多くの翻案劇や映画を生みだしてきたシェークスピアの劇。
 シェークスピアにオマージュをおくりつつ、翻案劇が新たな作品となって生み出されてきた。演劇に新たなページが加わるのだ。

 シェークスピアの戯曲そのものも、多くは翻案作品である。16世紀の終わりから17世紀の初頭の巷に流布していた小説や他の劇場の作品を土台に据えて、シェークスピアが書き換えたもの。
 シェークスピア自身が、パクリの名人だった、というわけである。
先行作品について、シェークスピアの元になった原作研究がさまざまになされている。

 シェークスピア四大悲劇のひとつ『ハムレット』は、正式名称は「デンマークの王子、ハムレットの悲劇(The Tragedy of Hamlet,Prince of Denmark)」
 デンマークに実在した王子ハムレットのお話。

 デンマークでは「ハムレット王子の話」は、よく知られていた。12世紀のデンマークの詩人サクソ・グラマティクスによる『年代記』によって西洋社会に流布し、1576年のフランス版のブルフォレ編集「悲劇大成」にも入れられている。

 「悲劇大成」から「原ハムレット」というべき「ハムレット悲劇」がたくさん作られ、上演されてきた。
 シェークスピアが直接パクッたとされているのは、トマス・キッドが書いた話であろうと研究者は言う。

<つづく>

1 コメント

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Unknown (Unknown)
2021-07-17 14:00:01
 種本より戯曲「ハムレット」が原本と誰もが思っている。それを子供向けのフィクションに著したのがラム姉弟の「ハムレット物語」
 グリム童話やイソップ物語も語り継がれていたお話の集大成、、「夕鶴」民話然り

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