春庭パンセソバージュ

野生の思考パンセソバージュが春の庭で満開です。

心も頭もポカポカ春庭のへぇ!へぇ!平成教育研究「春庭の国学」

2004-01-08 | インポート
(01/08)
へぇへぇ平成(へぇなる)教育研究「本居春庭の国学」)

 04/01/03の「本居春庭」紹介の続きです。
本居春庭がどのような文法研究を行ったか、紹介します。

 本居春庭の研究を紹介する前に、国学とは何かを知らなければなりません。

 江戸時代の学問は中国渡来の「朱子学」が「正規の学問」でした。漢学です。
 漢学に対して、日本の文芸文学を研究するのが「国学」
 荷田春密(かだのあずまろ、春満、春漢とも)や、その弟子の賀茂真淵らが、和歌の研究、古今、新古今、万葉集などを研究し、国学を発展させました。

 古事記、源氏物語を研究し、国学を大成したのが本居宣長です。
 本居春庭は、宣長の息子。30代で失明しましたが、国学の研究を続けました。

 国学者としては、むろん宣長の方が有名ですが、宣長の本分は、古事記や源氏物語の研究にあり、文法学者としては春庭のほうが優秀だったのじゃないかと思っています。
 宣長さんについては、小林秀雄も晩年の大作『本居宣長』を著わしているし、子安宣邦など、すぐれた宣長研究者も多い。

 しかし、国学のなかでも、文法研究は地味ですから、春庭の知名度はいまひとつ。
 日本語教師ぽかぽか春庭今日の一冊NO.1の足立巻一『やちまた』が、唯一「本居春庭」を知るための「一般書」です。

 本居春庭の「語と語のつながりの研究」は、日本語の語と語が、どのようにつながって、ひとつの意味のある文を構成するか、という研究です。

 つまり、本居春庭は、文の成分の相互関係(文の構造の図式化)の研究を行ったのです。
 この本居春庭の研究は、言語学研究の中で、構文論=シンタックス、というものに相当します。

 本居宣長は、国学の中の「歌学」研究を行い、和歌の中のことばがどのようにつながってひとつの和歌が構成されてくるか、ということを研究しました。
 この宣長の「語の係るところの認識」が、春庭に受け継がれ、歌の図解方式へと開花していったのです。

 明日、01/09に本居春庭の研究を紹介します。