春庭パンセソバージュ

野生の思考パンセソバージュが春の庭で満開です。

おい老い笈の小文「へぇへぇ平成(ヘェナル)好色一代女②」

2004-01-02 | インポート
(01/02)
「へぇへぇ平成(ヘェナル)好色一代女」

 「ポケモン」が世にはやって以後、小さな子どもも「紫苑」「縹(はなだ)」「朽葉(くちば)」「あさぎ」などの日本古来の色の名前を口にしています。

 「はなだシティ」「しおんシティ」など、ポケモンに登場する町の名前が、色名から取られているからです。

 しかし、「はなだ色」がどんな色か、「紅蓮(ぐれん)」が何色かを、正確に知っている子どもはあまりいない。日本の伝統色名が用いられなくなっているから。

ポケモンの町の名前と英語版ポケットモンスターのタウン名について
http://www.asahi-net.or.jp/~ua4s-njm/pokemon/poke_usat.html
このサイトに解説があります。例をあげると、
「VIRIDIAN CITY (トキワシティ) トキワは漢字で書くと常磐。松や杉など常に木の葉が緑色で変わらない植物を指す。
 PEWTER CITY (ニビシティ) A stone Gray City (ニビは灰色、石の色).純色と書いてニビいろと読む。見た目の綺麗さとは裏腹に薄墨色を意味する。

 色の名前や「かさねの色目」を知るだけでも、日本古来のことばの多様さ、広がりを感じることができます。
 
 ところで、あなたは虹の色はいくつ見えますか。
 「虹は七色」だから7色だろうって。ところが、フランス語では「虹は6色」色の区切り方が日本語と異なるからです。

 世界の言語の中には、色をあらわす単語が三つしかない言葉もあります。それで、十分に世界を表現できる。

 「赤」「青」などの直接、色を示す単語のほかに、「葉っぱの色」「カッコウとなく鳥の羽の色」と、形容していけば、色を表現できるのだから、色の単語がすくなくても大丈夫。

 日本語では、JIS 規格の色名だけでも300以上あります。しかし、これは上記の色の表現と同じものがほとんど。

 「朱鷺の羽の色」だから「朱鷺色」、ネズミの毛皮の色だから「鼠色」など、ものへのたとえから出来た色名ネーミングがほとんどです。

 色の名の名詞としては、本来の日本語では「白」「黒」「赤」「青」の四色のみ。白は、日光を全反射する。黒は日光を吸収する。赤は、明るい色鮮やかな色すべて。青はあいまいな、どこにも属しようのない色すべてを表現していました。
 
 だから、「青毛の馬」というのは、英語で言うブルーではなく「グレイ」、すなわち灰色の毛をした馬のこと。

 現代でも交差点のシグナルを「青信号」と呼ぶと「あれは、青くない、緑色に光っているじゃないか」と、いう人もいる。
 しかし、青は、「白でも黒でも赤でもない色全部」が「青」だったのだ。「萌え出ずる新しい生命」を表現する「みどり」が「あたらしく萌え出た葉っぱ」の色につかわれるよになり、今では「緑色」という色名が確定した。

 現代のことばで「新しく生まれ出る生命」という意味で「みどり」が残っているのは、「みどりご」という単語のみ。この語も「赤ちゃんなのに、みどりごというのは変だ」と考える人が多くなってきた。

 年のはじめ、「すべてのものが去年とは生まれ変わる」というのが、古来からの私たちの考え方。

 こどものころは、「昨日と同じ太陽なのに、なぜ元旦の朝は、初日の出とか言って、みんなありがたがって拝むのか。おおみそかの太陽を拝んだって、2月16日の太陽を拝んだって、同じ太陽なのに」と、思った。(ヘリクツばかり言うイヤな子どもと思われていました。)

 でも、大人になった今は分かります。私たちの人生や生活は「区切り」というものがないと、とりとめがなくなり、たちまち淀み汚れていくのです。

 どこかに「区切り」を設けて、リセットする。時間はすべて新しいものに生まれ変わり、新しい気分でスタートすることができる。

 そのための「新年」であり、そのための「初日の出」「初詣」です。去年つらいこといやなことがあった人も、すべてリセット。

 今年は今年で、きっと何か新しいことに出会える。
 皆様の2004年がすばらしい年となるよう、春庭、初日の出にお祈りしておきましたから、きっといい年になるはずです。

 よい年にしましょうね。