うちの近くにT屋さんという非常に美味しい日本そば屋さんがあります。
非常に美味しいというそのホメ言葉にはお世辞も虚飾もなく、
その味は街の一介のそんじょそこらのそば屋さんのレベルではありません。
おそらく都内でもベストいくつかに入る美味さを誇るおそば屋さん
といってもよいでしょう。
ただし、その店はおそらく都内でもベストいくつかに入るほど汚い!
とにかく歴史のある古い建物のそば屋さんというと、
僕などは神田の藪とか同じ神田のまつやを思い浮かべますが、
この店は藪やまつやよりも歴史的には浅いくせに、とにかく店舗が汚い。
言葉を変えれば、あまり衛生的でない・・・
しかし、その欠点を補ってあまりあるほど、そばは美味かった(と過去形です!)
なかでも、季節ごとに作る“変わりそば”は絶品!
柚子の季節には柚子の風味の“柚子切りそば”、
その他、“けし切りそば”に“茶そば”“梅切りそば”などなど、
思い出しただけでもう一度食べたくなるような忘れられない味でした。
ところが、ここ2ヶ月ほどノレンが出ていないなぁと思っていたら、
先月突然店舗を取り壊し、店があった場所を含む一画は更地となり、
どうやら跡地には数戸の建売住宅が建設されるようです。
そこで、情報通のいきつけの「居酒屋(店名)」さんのマスターに訊いたら、
「なんか宅地の一角に店を出すらしいですよ」とのこと。
へえ~っ、ということは、あの不衛生というか汚い店も新装され、
きれいで美味しいおそば屋さんに変身かと内心喜んでいたら、
偶然そこの傘寿を超えたオヤジさんとばったり。
「T屋さん、お店新しくするんですか?」と訊ねたら、
「いやぁ、もうやらないの」
「ええ~っ、どうして?」
「私も歳だし・・・」
「だって、お婿さんは?」
と訊くと、「もうやりたくないって」
「うそ~っ、あれだけの味をもったいないじゃないですか!
お孫さんたちだってもう中学生や高校生くらいにはなったでしょう?
なら誰か後やりたいという子がいないんですか?」
「うん、誰もやらないって・・・まぁ仕方ないですよ。そういう時代ですから・・・」
苦しそうな顔をして、オヤジさんは答えました。
う~ん、むずかしい問題です。
でも、そういう僕だって親の会社を継がずに廃業させてしまったのだから、
なんで?もったいないです!などとはこれ以上言えません。
で、その時に見たオヤジさんの手は、
まるで僕と同じような見事なマスカケ線をしていました。
孤独で頑固でわが道を行くマスカケの持ち主、
その波乱万丈な人生、
いくどの挫折にもめげず逆境を乗り越えて栄光を掴む最後の勝利者・・・
そんな手を見ただけで僕はなぜか万感胸に迫るものを感じ、
僕は思わずオヤジさんの手をとって握手。
そして、「また機会があったら美味しいおそばを作って下さい」
と言いました。
都内でも有数、すごく汚いけど、すごく美味しいおそば屋さん・・・
なんだかちっともホメ言葉になっていませんが、
また一つ、僕の美味しいいきつけの店が無くなりました。
オヤジさん、体だけは気をつけてね!
☆インターネットより鑑定予約できます!↓↓↓
渋谷の父 ハリー田西 “渋谷占い”
非常に美味しいというそのホメ言葉にはお世辞も虚飾もなく、
その味は街の一介のそんじょそこらのそば屋さんのレベルではありません。
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といってもよいでしょう。
ただし、その店はおそらく都内でもベストいくつかに入るほど汚い!
とにかく歴史のある古い建物のそば屋さんというと、
僕などは神田の藪とか同じ神田のまつやを思い浮かべますが、
この店は藪やまつやよりも歴史的には浅いくせに、とにかく店舗が汚い。
言葉を変えれば、あまり衛生的でない・・・
しかし、その欠点を補ってあまりあるほど、そばは美味かった(と過去形です!)
なかでも、季節ごとに作る“変わりそば”は絶品!
柚子の季節には柚子の風味の“柚子切りそば”、
その他、“けし切りそば”に“茶そば”“梅切りそば”などなど、
思い出しただけでもう一度食べたくなるような忘れられない味でした。
ところが、ここ2ヶ月ほどノレンが出ていないなぁと思っていたら、
先月突然店舗を取り壊し、店があった場所を含む一画は更地となり、
どうやら跡地には数戸の建売住宅が建設されるようです。
そこで、情報通のいきつけの「居酒屋(店名)」さんのマスターに訊いたら、
「なんか宅地の一角に店を出すらしいですよ」とのこと。
へえ~っ、ということは、あの不衛生というか汚い店も新装され、
きれいで美味しいおそば屋さんに変身かと内心喜んでいたら、
偶然そこの傘寿を超えたオヤジさんとばったり。
「T屋さん、お店新しくするんですか?」と訊ねたら、
「いやぁ、もうやらないの」
「ええ~っ、どうして?」
「私も歳だし・・・」
「だって、お婿さんは?」
と訊くと、「もうやりたくないって」
「うそ~っ、あれだけの味をもったいないじゃないですか!
お孫さんたちだってもう中学生や高校生くらいにはなったでしょう?
なら誰か後やりたいという子がいないんですか?」
「うん、誰もやらないって・・・まぁ仕方ないですよ。そういう時代ですから・・・」
苦しそうな顔をして、オヤジさんは答えました。
う~ん、むずかしい問題です。
でも、そういう僕だって親の会社を継がずに廃業させてしまったのだから、
なんで?もったいないです!などとはこれ以上言えません。
で、その時に見たオヤジさんの手は、
まるで僕と同じような見事なマスカケ線をしていました。
孤独で頑固でわが道を行くマスカケの持ち主、
その波乱万丈な人生、
いくどの挫折にもめげず逆境を乗り越えて栄光を掴む最後の勝利者・・・
そんな手を見ただけで僕はなぜか万感胸に迫るものを感じ、
僕は思わずオヤジさんの手をとって握手。
そして、「また機会があったら美味しいおそばを作って下さい」
と言いました。
都内でも有数、すごく汚いけど、すごく美味しいおそば屋さん・・・
なんだかちっともホメ言葉になっていませんが、
また一つ、僕の美味しいいきつけの店が無くなりました。
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