イギリス人なら大半の人が知っている、正体未確認の覆面アーティストのバンクシー。 どうやら今月、チェルトナムに活動に来たもようですよ。
4月13日(日)の朝、彼のものらしい壁画が突如出現!
あはは~面白い! 公衆電話を使った人が、まるでスパイされているかのように見えるわけね。
トレンチ・コートに中折れ帽。 古風な、冷戦時代のスパイ風の男性三人が描かれています。 手にした盗聴・録音機器もレトロ。 ・・・これだけ大っぴらじゃあ盗聴にはならないか。
グーグル・マップにカタカナでスペースなしで「イギリスチェルトナムレイトンロード1」と入れ、ストリートビューでぐるっと回ると、この公衆電話と背後の壁が見られますよ。 もちろん壁にはバンクシーの壁画はありませんが。 ここはタウン・センターからは300mくらい離れた、近所には観光スポットも何もない区域で、私も数えるほどしか車で通ったことがありません。
この家に住むのは、5人の子の母カレン・スミスさん(48歳)。
「日曜日の朝7時半頃起きたら、外に停まったヴァンに、男の人たちが大きなシートを片付けて積み込んでいるところだったの。 何か事件があって、警察が来ていたのかとはじめは思ったわ。 夜の間に物音や話し声はしたけれど、この辺りはいつも賑やかだから別に気にしなかった。 外に人々が立っていて何かを見ているので私も出てみて、はじめて壁画に気づいたの。 とてもいいと思うわ。 この辺りを活気づけてくれそう。」
ロンドンで発見された、バンクシーによって描かれた似たような壁画は、最近50万ポンド(8600万円!)で売れたそうです。 カレンさんはこの家を賃借しているので、家の所有者は別にいるとのこと。 そうなると、この壁画の行方を握るのは、そのオーナーさんということになります。
この壁画がチェルトナムに描かれた理由は・・・ GCHQ(政府通信本部)がチェルトナムにあるからに違いありません。
ちなみにバンクシーの正体と思われているのは、ロビン・ガニンガム。 なるほど彼の Facebook のページには、4月13日付でチェルトナムのスパイたちの壁画が投稿されています。
いずれにせよ、せっかくのバンクシーの壁画、落書きでいたずらされたりしませんように。 そりゃバンクシーの壁画も最初は落書きとしてスタートしたんですが、ユーモアがあったりメッセージ性があったり風刺や皮肉がきいていたりして、ただの落書きとは大違いですからね。 それが世間に愛される理由なのでしょう。
ついでながら、去年10月のニュースです。 ニューヨークはブルックリンに現れたバンクシーの壁画は、日本がテーマでした。 が、“公開”されて一時間もしないうちに、心ないアホ男が黒のスプレー・ペイントで壁画を台無しに。 スプレー・ペイントなど持っていたところをみると、この男もたぶん落書き屋。
そこに登場した、このビルの警備員。
けしからんアホ男は歩道にのされ、見物人のさらしものになりましたとさ。 自業自得。 バンクシーの壁画は、良き落書きアーティスト2名が修復にとりかかったそうです。
どうかチェルトナムのスパイたちが、いたずらされませんように ・・・・・
バンクシーの作品でこれまでで一番高く売れたのはこれ ↓ で、タイトルは “Keep It Spotless” というそうです。
デミアン・ハーストとバンクシーがコラボした2m x 3mあるこの巨大な絵は、U2のボノとハーストが2008年に主催したチャリティー・オークションに出品され、187万ドル(1ドル100円として、・・・1億8700万円っ!)で落札されました。 この値は、オークション前の予想の6倍だったそうです。 2008年のバレンタイン・デーにマンハッタンで開催された『レッド・オークション(RED AUCTION)』は、エイズ撲滅のための資金集めが目的で、総額4250万ドル(42億5千万円)を集めたそうです。
すごいなぁ・・・ ただのグラフィティから始まったのに・・・ 才能があるから世間が放っておかなかったということですね。
その才能を、チャリティーのために使ってくれたバンクシー(+他)に感謝!