車を運転しているとき、NHKFM放送か、CD(SDカードに録音しておいた音楽)を聴く。今は中島みゆきの唄が多い。
さてNHKFMで、レナード・バーンスタイン指揮の、ヴェートーヴェンの第九を流していた。その第九は、ベルリンの壁が崩壊して冷戦体制が終焉を迎える、という期待の中で演奏されたものだ。1989年、希望があった時代である。
東西ドイツや英米の演奏者、合唱も東西ドイツの人たちによるものである。ユーチューブで聴くことができるので、今聴いているところだ。
聴いていると、演奏は丁寧で優しく(特に第三楽章)、第四楽章は迫力あるものであった。第四楽章。重厚な弦の演奏が歓びのうたを導いていく。それはときに重厚に、ときに優しく軽やかに響く。合唱がはいるまえの歓びのうたの演奏は、まさに歓びに満ちている。そして自由を謳いあげるのだ。自由、自由・・・・
自由に向かって行進しよう、と演奏は進む。そして自由がやってくる。人びとは自由のなかでくつろぐのだ。自由は、万人に与えられなければならない。それなしに平穏ではない。
万人が、自由のうたをうたう、奏でる。
希望があった時代、高らかに自由がうたわれた。
希望があった時代があった、ということは、再び希望がある時代がやってくるかもしれない。
自由のうたをうたい続けよう。