アークタイムズは、憲法記念日に東大の石川健治さんと憲法を語る番組を制作した。石川氏の知性あふれる指摘には、いつも触発される。話を聞いていて、空疎な人間ほど勝ち気になる、ということがよくわかった。
すでに亡くなった南博は、人間を三類型にわけたそうだ。「強気」な人間、「弱気」な人間、そして「勝ち気」な人間。「強気」な人間とは、みずからの考え方をしっかりと持っている人、「弱気」な人間とは他者指向型。「勝ち気」な人間とは、とにかく目立ちたい、上にいたいと、ただそれだけを原動力に動き回る人、そこに個人の思想、考えはない、つまり空疎な人間だということだ。岸田や小池百合子は、まさに「勝ち気」人間の典型である。
石川さんは、その他にも重要な指摘をしている。憲法秩序を根柢で支えている条文が96条である。その務めを果たしていたのが内閣法制局。四苦八苦しながら政策と憲法との整合性をこしらえていた。しかし2014年の安倍内閣は、その96条を破壊した。内閣の言うことをハイハイと聞く、忠犬である外交官上がりの人物を法制局長官に任命し、内閣法制局の機能を奪い、結果的に96条を破壊した。
そのことを、今日の『東京新聞』社説が指摘している。