話し方教室の教え方を、マーケティング思考から考えてみた。
●先生と生徒
小学校や中学校等の場合を考えてみよう。
先生が、知識や経験を通じて、生徒や学生の学力向上に寄与している。
そのため、「お客様」という感覚ではなく、先生と生徒は上下関係となり、絶対的な関係である。
一方で、話し方教室ではどうであろうか?
私が通う話し方教室では、先生の知識や経験さらに指導を通じて、我々生徒の話し方スキルの向上に寄与している。
公立学校と話し方教室では、教える対象、教える内容は異なるが、「先生」と「生徒」の関係は同じである。
●生徒はお客様
でも、何かが違う。
何が違うのだろうか?
話し方教室では、「生徒はお客様」と捉えている。
誰が考えても当たり前の話であろう。
話し方教室は、生徒の自主的参加である。
生徒は、それぞれの立場で失敗を繰り返している。
その結果として、話が上手くなりたいという気持ちで、教室のドアを開けることになる。
その気持ちに応えるのが先生や教室の役割である。
そのスキルアップを支援する代償として、我々生徒は受講料を収めるのである。
と考えると、生徒はお金を払う大切なお客様と言うことになる。
これは、専門店で時計やバックを買うのと同じである。
売る商品が、有形物と無形物の差である。
話し方教室が売る商品は、「話し方のスキルアップ支援」という無形物である。
●話し方教室では怒らない
生徒は大切なお客さまである。
まさに、“お札“を運んでくる大切なお客様である。
であるならば、生徒を怒ることなどありえない。
もし怒ったら、別の店に行ってしまう。
専門店では
「その時計、お客様がすると、一段と上品になりますね」
とひたすら、お客様をほめる。
話し方教室も同じである。
生徒をひたすらほめる。
ハッキリ言って、怒りたくなるような生徒もいるのは事実である。
しかし、決して怒らない。
生徒に嫌われると、その生徒は来なくなる。
さらに、口コミで悪い評判がたつ。
自分が悪いのにもかかわらず
「あの話し方教室の先生は、生徒の気持ちを考えずに一方的に怒る」と。
このようなコメントは、口コミで一気に広がる。
今では、インターネットで瞬時に世界中に広がってしまう。
もし、このようなことがあれば、新規のお客様は来ないだろう。
●ひたすらほめる
ほめられると、人間だれでもうれしくなる。
ほめるポイントは、その人の成長である。
入門時に比べて、1か月経つと変わる。
2か月経つとかなり変化する。
これはあくまでその人の努力次第であるが、お辞儀や挨拶の仕方など、基本を学ぶだけで人間は大きく成長する。
成長すれば、先生にとっては、チャンスである。
その成長ぶりを徹底的にほめるのである。
ほめられた生徒はうれしいし、さらに努力するようになる。
そこで悪い点を課題点としてとらえ、一つアドバイスを加えるのがミソである。
次回までにその課題点をクリアすることで、生徒はさらに成長する。
そこでまたほめるのである。
この繰り返しにより、生徒はどんどんスキルアップする。
人間は誰でも自分の喜びを人に伝えたくなる。
フェイスブックなどに書き込みをすれば、それは素晴らしいマーケティングとなる。
この話し方教室は何十年と続いているという。
このブログを書いて「なるほど」と納得した次第である。