白龍のオウム・アーレフで過ごした日々

オウム・アーレフと新団体「ひかりの輪」について考える。

前生

2006-11-19 00:07:13 | Weblog
 キリストやルドラチャクリンのイニシエーションの時に、前生ではないかと思えるような体験をいくつかしたが、当然のことながら、確信の持てるものは何も無かったし、もちろん証明出来るものも何も無かった。

 教団内では、出家者はもちろんのこと、信徒までも、前生の話をすることがある。しかし、それらは、本当に正確な前生の記憶なのだろうか?前生の話をしたり聞いたりすることは、物語を聞いているようで楽しいのだが、そうであってほしいという願望がそこに含まれていないだろうか?

 釈迦牟尼レベルの人が前生はこうでこうで、この国に生まれ、姿はこのようで、名はこのようで、どのような生活をし、どのように死んでいったのかまで、事細かに語るのなら確かにそうなのかなとも思うが、オウム・アーレフの場合あまりにも安易に言い過ぎるし、客観的に証明をしてもいないのに、真実だと思い込みすぎているような気がする。

 教祖に関して言えば、古代エジプトのインホテップ、中国の明の朱元璋、徳川家光、阿修羅の王、最近知ったのでは、ラーマクリシュナ・パラマハンサが前生だそうである。この他にもあるのだろうか?顔が似てるけど出口王仁三郎は違うか?

 これらの前生に関して、何か証明を試みたことがあるのだろうか?家光に関してとかなら、家光であった教祖しか知らない内容について、実際に確認作業を行い、証明することが可能ではなかっただろうか?確認可能なことに関して、証明しなかったということは、当然阿修羅の生に関してや、中国の朱元璋などは証明のしようもなかったのだろう。

 教祖もあれだけ宗教は科学だと言っておきながら、この辺に関して、確認作業をしなかったのは、なぜだったのだろうか?エジプトのイムホテップに関しては、若干前生の確認作業のようなことを行ったが、それ以外は一切聞いたことが無い。以前は、教祖が言ったことだから、当然そうであろうと、疑いも無く信じていたが、どれほどの信憑性があるのであろうか?

 前生の有無に関しては、世の学者達も興味を持って調べており、それなりの検証もなされているので、私もあるということに疑いは持っていないが、教団内であまりにも安易に、前生は何々でと言いすぎているような気がする。結局その裏づけは、瞑想体験と言う至って不確実性の高いものを基準にしているわけだが、少なくとも、教団を引っ張っていく立場にある者は、それを主張したいなら、前生に関する証明をきちっと行った上で主張すべきではないだろうか?

 例えば、上祐氏も今の教団が、ラーマクリシュナ・パラマハンサの周辺に集った方々が転生しているというようなことを匂わせているが、その判断基準は、ラーマクリシュナ・パラマハンサの弟子達の写真と今の教団に存在している人達の顔が似ている、性格が似ている、その程度のことで前生であっただろうと判断しているようなふしがある。こんな、いいかげんなものなのか、前生って?前生に関して、そんな曖昧な判断基準で判断しているとしたら、科学者達から認められることは永久にありえないだろう。オウム・アーレフの前生話は、全部嘘と思い込みだと思われてしまう。

 瞑想体験で、前生は、これこれだったというインスピレーションを得た。それはそれで良いだろう。そうしたなら、過去の学習で得た知識によってもたらされたイメージに過ぎないのか、そうではなくて書物に無いような事実をいくつも自分が知っているのかを、いろいろな角度から検証すべきである。現場に赴いて調べる必要もあるだろう。そうして、慎重の上にも、慎重に検討した結果、前生はこれこれであったと、結論づけるべきである。

 それを、一度や二度、瞑想中にこんな場面を見ました、こんな感覚を得ました、だれだれ君と同じ経験をしました程度で、前生は何々であると決め付けるのは、余りにも軽率なのではなかろうか?何度も言うように、一般の人や、信徒・サマナが言う分には「それは面白いね。」で済むが、教団の幹部がそれを言うのは、いかがなものであろうか?

 きちんと、客観的に証明が可能なものであったら、堂々と主張し、教団の志気をそれで高めるのも良いだろう。しかし、その証明もなされないのに、家光だと言ったり、ラーマクリシュナ・パラマハンサだ、ヴィヴェーカナンダだというのは、名前を挙げられた方の関係者にとって失礼に当たらないだろうか?もうちょっと、慎重にすべきではないかなと思うがいかがだろう?

 教団内ではどんな前生の方がいたか皆さんご存知だろうか?私の知っている人では、ヴァジラハーサ師が人切り以蔵というのは、本人から直接聞いたことがある。あと、噂で聞いたのが、春日野局、坂本龍馬、豊臣秀吉あたりだろうか。ウパーリ師が前生にわとりだったというのも本人から聞いた。それを知った時は、情けなかったって言っていたが、歴史上の人物以外のものは、害がなくて良い。

 出家者の中では、もっといろいろな話が飛び交っていたことだろう。どんな人が前生にいたのか、知っている方がいたら、教えていただきたい。(単なる興味関心)(笑)