昨夕、佐藤元大工さんとお茶飲み話をしている時に、守んツアンから突然、「元ちゃんのごど聞いでる?」と電話が掛かって来た。
「いや?なに?」と聞き返すと、
「元ちゃんが亡くなったんだど、今、江田君のかあちゃんがら電話があったんだ。トヨマさ来ていで亡くなったんだべよ。あまり起きて来ねえがら、見っさ行ったら、布団の中で死んでだんだど」
「えー!?」と半信半疑で、電話を切ってからも、おかしいと思った。何しろ、つい先日、元ちゃんのお母さんが98で亡くなり、彼女の日根牛の実家に焼香に行ってきたばかりである。元ちゃんも当然お母さんと同じくらい長生きするだろうと思っていたのだ。佐藤元大工さんが帰ったあと、家人が買い物から帰ってきたので、豆腐を買ったか聞くと、買って来たと言う。「元ちゃんが亡くなったと今、守んツアンから電話があったんだけど」と言うと、「元ちゃんは出て来なかったけど、旦那さんはそんな様子では全然なかったよ。今日は、木綿がないけれど、明日作っから、と言ってたよ」と言う。それってちょっとおかしい。元ちゃんの旦那は、豆腐作りをもうやめるというのを、元ちゃんが続けさせているのだ。旦那が一人で作るはずはない。そこで直ぐ、守んツアンに電話して、本当に元ちゃんが亡くなったのかと確認していると、別の電話に「元子です。江田佳弘さんが亡くなったんだど」
明らかに元ちゃんの声である。地獄からかかってきているわけではなさそうだ。左右の耳に当てた受話器で「江田佳弘君が亡くなったんだど、今、元ちゃんが電話で言ってっと,元ちゃんは生きてっと」と話して、切った。佳し弘君は先年心臓の大手術をしているから、佳弘君が亡くなったのなら分かる。直ぐ、佐藤元大工さんに電話してさっきの話しが間違いであることを知らせて、誤報が町に広まらないようにした。
6月初めに江田佳弘君は、湯西川温泉での同級会のあと、自宅に帰らず、どういう風の吹き回しか、とよまからの参加者のバスに同乗してきて、この辺で良くやる、安着祝いというので、私も誘われて、東海亭で呑みながらウナギを食したのだ。あれは、同級会に参加しなかった照るちゃんと私に別れの挨拶に来たのだと、今になって思い起こされる。佳弘君はお母さんにもウナギを取ってあげて、別れの挨拶にきたのだ。
江田佳弘君の家は、松戸であるから、葬儀に行けない我々は、昨夜、集まって献杯、黙祷を捧げた。そして、今日その仲間に元ちゃんも加わっておふくろさんに香典を届けてきた。逆縁の母は我々を見ると悲しみに堪えられずに泣きだしていた。今日そこに行ったのは、守んツアン、秀夫ちゃん、照るちゃん、元ちゃん、タッケと私の6人で、江田君が帰ってくると良く佳弘君の家に集まりおふくろさんも交えて飲む仲間だった。おふくろさんも90歳近い。この世代の女たちは、長生きの人が多いから、逆縁を経験することが多いのではないか。女より男は寿命が短く、定命というものがある。
「いや?なに?」と聞き返すと、
「元ちゃんが亡くなったんだど、今、江田君のかあちゃんがら電話があったんだ。トヨマさ来ていで亡くなったんだべよ。あまり起きて来ねえがら、見っさ行ったら、布団の中で死んでだんだど」
「えー!?」と半信半疑で、電話を切ってからも、おかしいと思った。何しろ、つい先日、元ちゃんのお母さんが98で亡くなり、彼女の日根牛の実家に焼香に行ってきたばかりである。元ちゃんも当然お母さんと同じくらい長生きするだろうと思っていたのだ。佐藤元大工さんが帰ったあと、家人が買い物から帰ってきたので、豆腐を買ったか聞くと、買って来たと言う。「元ちゃんが亡くなったと今、守んツアンから電話があったんだけど」と言うと、「元ちゃんは出て来なかったけど、旦那さんはそんな様子では全然なかったよ。今日は、木綿がないけれど、明日作っから、と言ってたよ」と言う。それってちょっとおかしい。元ちゃんの旦那は、豆腐作りをもうやめるというのを、元ちゃんが続けさせているのだ。旦那が一人で作るはずはない。そこで直ぐ、守んツアンに電話して、本当に元ちゃんが亡くなったのかと確認していると、別の電話に「元子です。江田佳弘さんが亡くなったんだど」
明らかに元ちゃんの声である。地獄からかかってきているわけではなさそうだ。左右の耳に当てた受話器で「江田佳弘君が亡くなったんだど、今、元ちゃんが電話で言ってっと,元ちゃんは生きてっと」と話して、切った。佳し弘君は先年心臓の大手術をしているから、佳弘君が亡くなったのなら分かる。直ぐ、佐藤元大工さんに電話してさっきの話しが間違いであることを知らせて、誤報が町に広まらないようにした。
6月初めに江田佳弘君は、湯西川温泉での同級会のあと、自宅に帰らず、どういう風の吹き回しか、とよまからの参加者のバスに同乗してきて、この辺で良くやる、安着祝いというので、私も誘われて、東海亭で呑みながらウナギを食したのだ。あれは、同級会に参加しなかった照るちゃんと私に別れの挨拶に来たのだと、今になって思い起こされる。佳弘君はお母さんにもウナギを取ってあげて、別れの挨拶にきたのだ。
江田佳弘君の家は、松戸であるから、葬儀に行けない我々は、昨夜、集まって献杯、黙祷を捧げた。そして、今日その仲間に元ちゃんも加わっておふくろさんに香典を届けてきた。逆縁の母は我々を見ると悲しみに堪えられずに泣きだしていた。今日そこに行ったのは、守んツアン、秀夫ちゃん、照るちゃん、元ちゃん、タッケと私の6人で、江田君が帰ってくると良く佳弘君の家に集まりおふくろさんも交えて飲む仲間だった。おふくろさんも90歳近い。この世代の女たちは、長生きの人が多いから、逆縁を経験することが多いのではないか。女より男は寿命が短く、定命というものがある。