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芳賀明夫の思いつくままに

フィジーから帰国して

食もそうだが、木材の自給率も上げねば

2009年08月10日 | Weblog
佐藤元大工さんは、ちょくちょく来て、お茶飲み話をしていくが、実にいろいろなことを教えてくれる。教えようとして教えるわけではなく、話される内容が、私の知らないことばかりなのだ。
例えば、元大工さんだから、当然なのかもしれないが、柱に使う杉でも日根牛の杉は、霧と日当りの関係で伸びが速い分、年輪が詰まっていないとか、その対岸の道場山の杉は、伸びが悪い分、年輪が詰まっているとか、一本の杉から一本の杉を取って作った柱は、割れやすいとかである。また、桜の木は音響に良いとか、湿気に強いのは桐だとか、床板は何がいいとか、色々聞かされるが、覚えきれない。
茸のホダ木も、くるみは、大体どの茸にも良いが、クヌギや栗はそれぞれ向き不向きの茸があるらしい。これは、常識人の照るちゃんも知っているから、この辺では常識なのかもしれない。
このような大工の知識を受け継いで行くのが伝統であり、大事なのだが、東京ばかりでなく、今の工法は、南洋のジャングルから運んで来た木を工場で加工していて、現場でつぎはぎするだけだから、そのような知識を持つ若い大工はなかなか育たないのではないか。植民地統治下にある日本は、政治家も育っていないし、というよりは育たないように仕組まれているのだ。
南洋の木はおそらく年輪が詰まっていないというよりは、年輪といえるものが無いに等しいかもしれないし、それが分かるほどの厚さには切らないであろう。プレハブ住宅の経済性は良いが、だから長持しないのであろう。実際、我が家で風雨にさらされている下見板の古くなったのには、年輪を残して、板がへこんできているのがある。その点、年輪が詰まっているのは長持だ。食も自給率が問題になっているが、木材も自給率を上げる工夫が要る。話しを聞いていると、日本の家は、日本の木で建てるのがいいのだと分かってくる。そうだからといって、これも政治に期待は出来ない。官僚は、利権を得られれば、政治支配者など誰でもいいのだ。大学に入る時にすでに官僚を目指す学生は、利権を目当てに受験していると、合格発表の時にインタヴューで話しているのだから、論外である。