アラブのうわさ

アラビア語、アラブ文化、イスラーム(イスラム)等に関する話題を元留学生が等身大でお伝えします!

プリントTシャツ

2006年07月28日 23時53分50秒 | Weblog
 日本に一時帰国していた時、あるおばさんに『イラクへの援助物資として古着を募集していたのだけど、絵の入ったTシャツはダメと言われたのはなんでなのかしら?』と聞かれました。
 それなりに事情があります。絵や写真といった類は『偶像崇拝』に結びつきやすいという考えがあるのですが、イスラームにおいてそれは信仰上最も忌み嫌われる行為とされています。よってそういったTシャツは避けておこうという判断なのでしょう。
 また時にはプリントされた文字や絵自体に問題があることも挙げられます。以前、エジプト留学時代にインドネシア人の学生から『これはなんて意味?』と聞かれた際、彼のTシャツにプリントされていたのは『毘沙門天』という字に、それを描いたとしか思えない絵でした。毘沙門天とは日本では財宝の神という扱いで七福神のひとつにされていますよね。知らない人にしてみれば『絵がカッコいいから着ただけ』とか『漢字が珍しくていいじゃん』となるのでしょうが、知っている人が見たらこれは明らかに唯一神信仰から外れることとなるわけです。
 とはいえ時代が経ちカメラやテレビが普及したこと、イスラーム版図の拡大に伴い人々の間で絵や写真に対する認識が異なることなどにより、それに対する忌避の度合いは地域によってずいぶんと違います。
 例えばサウディで宗教的に厳しい人は『写真はハラーム(禁止行為)だ!』と言い切りますし、同じサウディでも若者同士や家族の間ではごくごく普通に記念写真を撮ったりします。
 私の友人の間でも写真については意見が分かれていますが、自分のことを言いますと別段写真をハラーム視はしていません。