アラブのうわさ

アラビア語、アラブ文化、イスラーム(イスラム)等に関する話題を元留学生が等身大でお伝えします!

バラーガの講義

2006年07月13日 00時01分16秒 | Weblog
 早速、バラーガ(アラビア語修辞法)の講義に出席しました。先生はマレーシア人で、この科目に登録している学生も皆マレーシア人なのですが、まず驚いたのが先生のアラビア語能力、特に会話能力の高さ。バラーガの導入の内容はそう難しくはないものの、ノン・ネイティブの人がアラビア語でそれを説明するのはすごいと思います。日本にも東京外大・大阪外大・四天王寺仏教大とアラビア語を専門に学べる大学もありますが、日本人の先生がバラーガやナハウ(アラビア語文法)といった科目をアラビア語で講義はしていないんじゃないでしょうか。
 まあこの先生はおそらく小さい頃からクルアーンを読み込み、高校生の時にはアラビア語の学習を始め、その流れでエジプトに留学してアズハル大学(イスラーム研究の最高権威)を卒業したのでしょうからバックグラウンドが違いますよね。

聴講生になりました

2006年07月12日 23時10分32秒 | Weblog
 先日マレーシアのイスラーム大学では新学期が始まりました。学生達は科目の登録であちこち走り回って大変そうです。でも科目に選択の余地があるのっていいですね。マディーナでは学部ごとにすべてプログラムが決められていて、与えられた科目を淡々とこなしていく(暗記する)だけという単調なものなので。
 とはいえせっかく滞在しているのだし、いくつかの科目に聴講生として出席することにしました。大学側の許可は取っていないのですが、担当の先生を訪ね『日本人』『マディーナで勉強している』そして『ムスリム』であることをアピールしたら何の問題もなく聴講を認めてくれました。
 今のところ『バラーガ』(アラビア語修辞法)、『ナハウ』(アラビア語文法)、『タフスィール』(クルアーン注釈)の講義にお邪魔しようと思っています。

チャンプルって・・・?

2006年07月10日 00時10分35秒 | Weblog
 こちらでお気に入りの料理に『サユルチャンプル』といったものがあります。なんてこともない野菜炒めなのですが、マレーシア語でチャンプルは『まぜる(MIX)』という意味になると聞きました。日本でも沖縄の代表的な料理でゴーヤを炒めた『ゴーヤチャンプル』などありますが、沖縄では炒め物の料理をチャンプルと呼ぶんですよね。また日本語で『ちゃんぽん』はごちゃまぜにするといった意味になり、広辞苑にも『マレー語に由来するともいう』と書かれています。となるとマレー料理の『サユルチャンプル』、沖縄料理の『ゴーヤチャンプル』、長崎の『長崎ちゃんぽん』・・・なにかしらの結びつきがあるのかもしれません。
 とはいえ『ちゃんぽん』の由来が本当に『チャンプル』だとすると、一体いつ頃、どのようにしてこの単語が日本に伝わったのでしょうか。興味深い事象です。

アラビア語からの借用語

2006年07月09日 23時56分39秒 | Weblog
 マレーシアは歴史的にアラブの影響を受けているため、マレーシア語にはアラビア語からの借用語を多く見出すことができます。
 例えば日付はtarikh(タリフ)でアラビア語だと تاريخ (ターリーフ)になりますし、会社という意味のsyarikat(シャリカ)はそのまま شركة (シャリカ)。もちろん宗教的な単語は多少の発音の違いがあっても、アラビア語圏とほとんど同じように使われています。
 本腰を入れて勉強したらマレーシア語習得はそう難しくなさそうですが、かつて手を付けたウルドゥ語(パーキスターンの公用語)学習も頓挫している状況の上、ある程度覚えたベンガル語(バングラデシュの公用語)も最近は忘れがち。あっちこっち手を出すと結局どれも中途半端なまま終わってしまいそうです。

アザーンとイカーマの間

2006年07月07日 22時56分42秒 | Weblog
 礼拝の時間を知らせるために唱えるのが『アザーン』で、その後礼拝を行う時に唱えるのが『イカーマ』というのは、だいぶ前の記事で書きました。マレーシアでもイスラーム大学の敷地内ではいたるところにスピーカーが設置されていて、礼拝の時間になると大音量でアザーンが放送されます。
 アザーンとイカーマの間というのは、サウディやエジプトでは早朝の礼拝の時で20分くらい、昼と午後の礼拝の時だと15分くらい、日没の礼拝の時には5~10分くらい、夜の礼拝で15分くらいとなっていて、その間に人々は礼拝に集まり任意の礼拝をしたりクルアーンを読んだりします。
 ですがマレーシアだとこの2つの時間が非常に短く、どの時間帯でも10分以上待つというはまずありません。ムアッズィンがアザーンを唱え、任意の礼拝を終えるとすぐにイカーマという流れになるのです。
 幸い目下モスクに住んでいるため、いつもちゃんと集団礼拝に参加できています。アルハムドリッラー(アッラーに讃えあれ)。

ハラームだらけの物産展

2006年07月06日 00時00分55秒 | Weblog
 クアラルンプールにある伊勢丹に行ったら、日本食の物産展をやっていました。展示されていたのは、味噌やらお菓子、カレールウなどだったのですが、日本で売られているものをそのまま持ってきているので、当然ハラームのものだらけ。
 売られていた味噌にはアルコールの成分である『酒精』が含まれていましたし、カレールウにいたってはその成分表にしっかり『豚』などと書かれていました・・・カレーの試食も勧められましたが、きっと売り子の方々はこの事実を知らないんでしょう。
 もっとも味噌に含まれている酒精などは『酔う』ことを目的に使われているわけでないので、ハラームとは言い切れないかもしれません。ですが無添加の味噌も日本にいれば簡単に手に入りますし、私は避けることが賢明だと判断しています。
 より問題なのは『豚』で、一般的にムスリムは『豚』を口にするのをかなり嫌がります。お酒を飲むアラブ人でも豚はまず食べません。伊勢丹で豚の成分を含んだ食料が注意書きも無く売りさばかれているのが知れ渡ったら大問題になりかねないのでは・・・

クルアーン学習の成果

2006年07月05日 22時58分28秒 | Weblog
 そうたいして読誦法(タジュウィード)の勉強をしているわけじゃありませんが、最近読み方の法則を大体頭に刷り込むことができました。
 以前までの間違った読み方を振り返るとちょっと恥ずかしくなってしまいます。またこの前の試験では結構自信たっぷりで臨んだものの点数は伸び悩みました。ですがあの読み方じゃあ先生もそう高得点をくれるわけがないなと合点したものです。
 とはいえクルアーンの暗記はトシとって固くなった脳ミソにはかなり辛いですね。焦らずに・・・なんて悠長に構えていたらあっという間に寿命を迎えて現世とサヨナラなんてことになりそうですし、試験があるというのは自分に発破をかける意味でむしろ都合がいいかもしれません。

ジャジーラで見た熱弁エジプト人

2006年07月04日 00時28分42秒 | Weblog
 日本でも有名な『アル・ジャジーラ』(現地人は冠詞のアルを抜きでジャジーラと呼んでます)。昨日、こちらで知り合ったモーリタニア人のフラットを訪ねたときそのニュースを見たのですが、エジプト人のおっさんがファラスティーン(パレスチナ)の今後の展望について熱く語っていました。
 最初のうちは頑張ってフスハー(文法に従った言葉)を話していたようで、彼の発する言葉のうち8割がフスハーで2割がアーンミーヤ(話し言葉)といったかんじでした。当の本人はちゃんとしたフスハーを話しているつもりなんでしょうが・・・そのうちヒートアップし饒舌になってくるとだんだんその比率が縮まり、ついには逆転。しまいにはほとんどアーンミーヤでベラベラとまくしたてていました。
 そういえばエジプトの大統領も演説をする時はフスハーで始めてアーンミーヤで締めくくるといいます。でもそれは意図的でもなんでもなく、熱くなるとついついアーンミーヤが出てしまうのだと思います。でも口語体の方が当人も話しやすく意見も伝わりやすいので、アーンミーヤにはアーンミーヤなりの利点があるんですよね。

モスクに住んでます

2006年07月03日 23時47分09秒 | Weblog
 イスラーム大学の学生寮に住んでいたものの、実は『モグリ』の状態だったため、大学のセキュリティにバレたらヤバイなーと思っていました。
 それが先日、大学構内のモスクの3階にある部屋に住んでいいということになり、そちらに転居することになりました。今度はモスクからちゃんと許可をもらっての滞在なので、大学入り口の検問で引っかかる心配をする必要もありません。アルハムドリッラー(アッラーに讃えあれ)。
 でもちょっとした問題がここにもあります。それは『トイレ』なんですが、トイレは不浄な場所(正確に言えば排泄物が不浄ということ)とされるためモスクの外にあるのです。なので部屋からトイレまで結構な距離があり、普通に歩くとたどり着くまで3分くらいかかってしまうんですよね。前の記事にも書きましたがこの頃ちょっとお腹がゆるいため、キリキリと痛みが走りトイレに向かう時などその3分の時間がとても長く感じられること。しかもトシのせいか夜に尿意を催すこともしばしば。この距離を往復するとそれだけで目が冴えざえしてしまい、なかなか2度寝することができません。
 とはいえ与えられた環境に満足し慣れることが大切だといえるでしょう。

クウェートで行われた選挙

2006年07月02日 00時00分32秒 | Weblog
 先日クウェートでは女性に参政権が認められて初めての選挙が行われましたが、女性候補は皆落選し今回の選挙では女性議員の誕生はなりませんでした。
 結果は結果ですので、現在のクウェートの人々は女性の議員を必要としていない、あるいは議員としてふさわしいと思われる女性候補者がいなかったということになるのでしょう。そもそも、こういった『民主化』というのは某大国の圧力で行われているような気がしなくもありません・・・
 ですが女性に社会的活動を行う権利が付与されるのは大切なことだと思います。預言者ムハンマドやその後継者ハリーファ(カリフ)の時代には公に女性も意見を述べていたので、女性の政治的な活動はイスラームにおいてそう問題はないはずですし。現にパキスタンやバングラデシュでは女性が首相を務めたことがある上、インドネシアでもメガワティ元大統領は女性でしたよね。
 とはいえ女性の政治活動など地域の文化・風習によっては元来の考え方に反することもあるでしょうから、当人達が望まないのならそれまでのこと。別に無理繰り女性議員を誕生させるように働きかけなくても、そっとしておけば必要だと思われた時に自然と女性の政治参加が叶うんじゃないでしょうか。