今朝は早朝2時起きで定置網漁業の見学に行きました。
地元の漁業会社が快くご協力くださいました。
今学期最後の見学です。
学園のある焼津漁港小川地区から2組に分かれて船に乗せてもらいます。
まだ真っ暗な海を出発です。
ほどなく漁場(定置網の場所のこと)に到着です。
定置網はネズミ取りのような構造で、魚が一方通行で箱網と呼ばれるスペースに導かれます。
近年の定置網は、この一方通行の箱網が2重、3重になっていて、「2段箱網」とか「3段箱網」などと呼ばれます。
定置網は巨大で、沿岸漁業では最大級です。
一つの箱網が何十メートルもあるので、昔の定置網は漁村の数百人の漁師が携わり、人力で揚網しました。
今では機械の威力で、定置網の漁師は1カ所10~20人と言ったところです。
今はこんな機械で網を巻き取っていきます。
揚網が進むと、魚が見えてきます。
生徒もお手伝いをさせていただきました。
捕れた魚は、すぐに市場に運び水揚げです。
ようやく、空が明るくなってきました。
漁場が近いので、鮮度抜群です。
この時期は、入網が少ないのですが、それでも多くの魚が捕れました。
定置網では200種くらいの魚が捕れるので、手作業で魚種別、大きさ別に仕分けです。
マイワシ、ブリ(イナダ)、タチウオ、スルメイカなどが本日の主役でした。
さて、定置網は漁場が近いので船に乗っている時間は短い方です。
その点で、船上の漁師の作業は少ないと言えるかもしれません。
その代わり、大きな漁具の手入れをしなくてはいけません。
大きな網なので、部分的に入れ替えてメンテナンスをしますが、修繕やら網の汚れを取るなどが大きな作業になります。
ほとんど周年、水揚げができるのも特徴です。
そういう点で、独特な漁業です。
定置網のみなさん、お世話になりました!
【魚を捕りに行かない定置網漁業】
普通の漁業は、魚の集まる漁場まで漁師が行きますが、定置網の場合は魚の通り道に網を仕掛けます。
積極的に魚を捕り行かないので、資源が減れば漁獲も下がります。
例えば、最近マアジ資源が減っているので、定置網でもマアジの漁獲は減少です。
特に伊豆の定置網では、マアジが主要魚種で、この減少は打撃です。
一方で、この性格から定置網は自然や資源に優しい漁業とも言われます。
動力がなかった頃は、定置網には数百人の漁師が網を引き上げていました。
漁村を支える産業だった訳です。
また定置網にも漁労長(船頭)はいて、ちょっとした場所の違い、向きで漁獲が大きく変動します。
定置網と言えど、優秀な漁師が漁労長をしているところは、水揚げが多くなりますよ。