わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【駅伝日和】 ~村長も走る駅伝大会で、大事なことを学んでいく~

2016年02月21日 | 泰阜村のソコヂカラ
駅伝日和である。

南信州を代表する駅伝大会「梅花駅伝」に出場した、泰阜村の精鋭たち。

今回は長女(中1)も仲間に入れてもらえた。


▼前列真ん中が、村長





信州のひとたちは本当に走るのが大好きだ。

あちこちで駅伝大会やマラソン大会が行われている。

今回の駅伝には、招待チームとして佐久長聖高校が参加してくれた。

全国高校駅伝大会は上位常連の強豪だ。

標高が高いところで普段練習してるのだろうから、それ自体が高所トレーニングになるかな。

平地に比べれば酸素が薄いところで練習すれば、心肺機能も高まるのかもしれない。

素人の浅はかな考えかもしれないので、詳しく知っている方はお許しいただきたい。


▼オレンジ色のユニフォームが佐久長聖高校




泰阜村は小さな村だが、「走る」というキーワードで、これだけの精鋭が集まる。

この村から6チームも出したというからすごい。

村長も選手として走るんだからおもしろい。

実はスポーツマンの村長は、走りぬくだけでもすごいがタイムもそこそこ出す。

「え?村長が走ってるって?」

「どこの村長よ?」

「泰阜か! 元気いいよな~」

「あ、来た来た、ほら泰阜村長!」

「がんばれー!!!」

こんな声が沿道の人たちからあがる。



長男(高3)と次男(中3)も、中学生の時、この駅伝を走った。

信州の山々を切り裂く天竜川。

その断崖を縫うように走るコースは、ただでさえ「ココロが折れる」コースだという。

しかし、「襷」には、容易にあきらめを選択させない力があるようだ。

なんとかして、次の人にこの襷を渡さなければという想いは、自分のチカラを増幅させるのだろう。

走ることを通して、村のひとびとから息子娘は大事なことを学んだ。

改めて、村のひとびとに感謝したい。



この地で培われた「体力」と「あきらめないココロ」を、彼らが世のため人のために使ってくれるように、願ってやまない。

この大会が終わると、駅伝名のように南から春の足音が迫ってくる。


代表 辻だいち


【読書とか寝てる場合じゃない】 ~窓の外を流れる景色にはドラマがある~

2016年02月20日 | 日々雑感
先日、福岡空港から松本空港への飛行機に乗った。

松本空港は信州唯一の空港。

便数が少ないのであまり使わない。

いや、使えない。

でも、駐車場が無料だったり、コンパクトな空港が快適だったりと、意外に使い勝手は良い。

この空港の最大の魅力は、展望だろう。

なにせ、アルプスをはじめとした中部山岳に囲まれた街だ。

らせん状に高度を上げ下げするフライトから見る景色は正直映画よりおもしろいと想う。


▼御嶽山のすぐそばを飛ぶ(後方は白山)





福岡空港を発った飛行機は、大分国東半島上空から海に出る。

進行方向左側の窓に座った。

眼下に山口県や広島が見えたと想うと、四国愛媛を横切る。

「しまなみ海道がきれいに見えます」と機長からアナウンスがあった。

そのうちに瀬戸大橋上空、明石海峡大橋上空とすぎる。

神戸市上空を通ると、大阪の大都市圏が見えてきた。

琵琶湖上空からは、私の故郷福井県もよく見渡せた。

御嶽山は噴煙を出しているかよくわからなかったが、大接近するので緊張感が漂う。

彼方に見えるのは白山。

こどものころ毎日見たココロの山である。

北アルプス穂高連峰から立山連邦までをこの高度から見れるのはなかなかない。

登山好きな自分のココロが昂ぶっているのがわかる。


▼しまなみ海道




▼瀬戸大橋




▼小豆島




▼明石海峡大橋




▼神戸市




▼琵琶湖




▼優美な乗鞍岳(後方は白山)




▼北アルプス穂高連邦




▼松本空港上空から北アルプス






昔から乗り物が好きだったと想う。

こどもの頃は特に汽車・電車が好きだったような。

でも、なんとなく例えば鉄道マニアというわけではなさそうだ。

結局は、車窓が好きなんだと想う。

いつもいつも、移動の時は読書をしようか、寝ようかと想うのだけれど、そんな場合ではなくずっと窓の外を見つめている。

流れていく景色は、二度とめぐりあえない景色だと思っている。

それは、たとえ同じ路線の同じ窓から見たとしても。



窓の外に流れる景色には、その土地に暮らすひとびとのドラマがある。

その土地に暮らす数多のひとびとの想いや歴史。

それが集まる街の物語に思いを巡らすことが、おもしろいんだと想う。

一度しかないその時のドラマを観ている。

そんな感じかな。



福岡から松本までの風景に、ひとびとはさすがに見えなかった。

でも、ひとびとが暮らす街や土地があった。

それを食い入るように眺めながら、なぜかジーンと感じ入ってる自分がいた。

おかしいんかな、俺。



次の移動はどの路線だろうか。

窓の外に想いを巡らす旅は終わらない。



代表 辻だいち

【ハラをくくる】 ~とりあえずあと1ヶ月、泰阜中学校PTA副会長としての責務を果たしたい~

2016年02月19日 | 日々雑感
今、次男(中3)と長女(中1)が地元泰阜中学校に通っている。

その泰阜中PTA総会があった。

今年度、私はPTA副会長。

役員選考のときはひともんちゃくあったが、次男が保育園の時からお世話になってきた会長を支えることにした。



泰阜村には、小学校と中学校がそれぞれひとつずつ。

それぞれにPTA組織が存在する。

そのふたつのPTAをまとめる「泰阜学校PTA」もある。

泰阜学校PTA会長は、中学校のPTA会長だ

泰阜学校PTA副会長は、小学校のPTA会長となる。

彼らが対外的なPTA行事や研修に出ていく。

だから、中学校PTA副会長の私はあまり出番もない。

とはいえ、私なりに泰阜中学校のために1年間、役割を果たしてきたつもりである。



今日の総会では議長をつとめた。

最近は、ほぼ原案通り議事が承認されるのでさほど苦にならない。

それでも、来年度の役員選考は難航を極めた。

学年1クラス、生徒数は10数人しかいない。

この人数では必ず何らかの役員がまわってくる。

私なんかは、3人の子どもがいるので、学年役員か地区役員のどちらかをほぼ毎年やっている。

小さな地域では、出番も多いし役割も多い。

もちろんそれは責任があるということだ。

その責任を避けるのではなく、少しずつみんなで持ち寄って果たしたい。

まあ、私も言うことはかっこよくでも、やるのは難しいのだが。

事実、昨年の選考でもひともんちゃくあって、私が副会長だったのだから。


▼PTA総会の時期は、春が近づいてくるじきでもある





小さい学校をどうするのか。

小さい村に住む子どもの未来をどうするのか。

現状の課題は何なのか。

みんな、それぞれの立場で指摘もするし、意見もするし、提案もする。

でも、結局は「誰がそれをやるのか」である。

そこで話がとまってしまうことがしばしばなのだ。

ハラをくくる。

責任を持つ。

そんな自分でありたいと常に想うのだが、それがなかなか難しいよなあ。

とりあえずはあと1ヶ月、しっかりとPTA副会長の職責を果たしたい。


代表 辻だいち


【学びをデザインする】 ~5年ぶりの九州大学教育学部の集中講義は充実だった!~

2016年02月17日 | 泰阜村が大学になる
5年ぶりに九州大学で集中講義を持った。

教育学部の岡先生(社会教育学)のおはからいである。

岡先生との出会いはもう10年前。

なんと北ドイツである。

ドイツでの出会いだなんて、すこぶる自分らしくないが、そこで出会ったのだからしょうがない。

まあ、正確に言うと、ドイツへのスタディツアーで同行したのだが。


以来、彼女が当時勤務していた埼玉大学にも何度か呼ばれて授業で話をした。

6年ほど前に、故郷である福岡に戻り、九州大学に赴任したところから、さらに縁が深まった。

5年前にも一度集中講義を持つ。

東日本大震災の前である。

その時も、私自身に大きな学びがあったと記憶している。

しかし、今回の学びは、5年前のそれとはまた質の違うと感じる。

それはそのまま、今回の授業においての私の充実度を表しているのだろう。


▼学生主催で打ち上げを開催してくれた。感謝





今回の集中講義(4日間)は「社会教育編成論演習」。

希望の社会・こうなったらいいなという未来を描き、その未来を実現するための教育アプローチを考えるという、「学びをデザインする」演習である。

せっかくなので、20人の学生と一緒に創り上げる運営を重視した。

だから、その時その場の状況を読み取りながらの手探りの進め方だった。

でも、なんというのか、これまでの私の講義の中でも会心の講座となった手応えがある。



ところが学生を見ていると、様々なモノが彼らの学びを阻害しているんだなこれが。

九大に行ったんだから・・・という親の期待。

無難に冒険せずに生きていこうというコトナカレ安定志向。

自らのココロの底を見せまいとする防衛心と恐怖心。

相手のココロを見ようとしないメンドクサイ症候群。

とどのつまりはくだらないプライド。

どれもが彼らの学びを多方面から阻害しているのだ。



そのひとつひとつを、丁寧に溶かしていくのに、前半の6コマほど時間を費やした。

場があたたまり、「ここでは自分の本音を語っていいんだ」「ここでは自分のココロの言葉をみんなが聞いてくれるんだ」という安心感が漂うようになる。

そうして初めて、ポツリポツリと学生が語り出した。

皆、自分の小さな想いや、小さな勇気が、社会に何の変容ももたらすはずがない、と、なかば自虐的に想っている。

ところが、たどたどしい「自分のひとこと」が、目の前のひとの学びに貢献したり、そのひとのココロを救うチカラがある。

そのことを、自らの物語や未来の物語を語り合う中で、学生たちは実感した。

目の前のひとの「かすかな学び」を全力で聴くことで、自分の学びが湧き出るように増幅されていく。

そんな震えるような感覚もまた、学生たちは実感した。

「どうせ…」と斜に構えたり、一種のあきらめ感を纏っていた学生たち。

彼らが、わずかなきっかけから産み出される「学びの可能性」を、今まさに手にし始めている。

学生の顔の変化、ココロの変化、そして場の空気感の変容は、その場にいて感じると本当に気持ちの良いものだった。









彼らの学びを側面からサポートしたのが、ゲストの存在だろう。

2日目には、鹿児島県の離島・与論島から池田龍介(バン)を迎えた。

3日目には、長崎市から片山健太(けんちき)・薫子(かおるこ)夫妻を迎えた。

彼らの事例(実現したい未来と、その実現のための教育アプローチ)は、学生たちに十分な刺激を与えた。

実は彼らは、NPOグリーンウッドの元職員である。

泰阜村の学びの場から輩出した「ひと」が、九州での活動を通して、今、学生に語り掛ける。

その「学びの循環」が、学生の学びを深めていった。


▼鹿児島与論島のバン




▼長崎のケンチキ





もちろん私の実践、泰阜村で展開される学びについても、渾身の力を込めて伝えた。

きっとそれは、学生たちの学びに少しは貢献していると信じたい。



学生諸君は今後、社会に出ていく。

その際、「学びの可能性」を小さく見積もって出ていってほしくない。

ひとりひとりの小さな学びは、共鳴し、響き合って、大きなうねりとなって、学びの可能性を拓いていく。

学びの可能性は、かくも大きく深いものなのだ。

そのことを、少し実感できる授業だったのではないかと想う。

そして、それを一番実感したのは、私だったのだろう。


▼2年後には移転する九州大学。この廊下も見納めかもしれない。




さらば九州大学の学生たち。

素敵な授業を一緒に創ってくれてありがとう。

そしてこの場を創っていただいた岡先生にも、感謝申し上げたい。



代表 辻だいち


【博多ラーメンがうまい】 ~枠を超えた発想をという自分が枠を越えなければ!~

2016年02月13日 | 全国のなかまたち
今年度、9月から2月まで、福岡に5回も足を運んだ。

ほぼ毎月。

信州の山奥からこの頻度は、自分にとっては尋常ではない。

ここ3回は、毎回荒天。

ああ、やっぱり自分は雨男・雪男なのかな、と思ってしまう。



福岡入りした日の夕方、つい2週間前に東京で一緒に仕事をした清水さんを訪ねた。

安藤百福記念自然体験活動指導者養成センターが主催する自然学校業界強化研修会。

その研修会の企画運営に私が携わっているのだが、経営管理者向けの研修の講師が清水功哉さんという素敵な人である。

この企画には、ソーシャルビジネスを推進する砂清さんが水面下で動いていただいた。

今日は砂さんも同席して、ミーティングである。

短い時間だったが、今回の研修の成果と今後の展開について語り合った。

お二人からは、自然学校の業界が閉鎖的であることが指摘された。

そうかもしれないな、と感じる。

もっとわれわれ業界内の学びや想いをオープンにしないと。

「枠を超えた発想を」と学生たちに迫っている割には、私自身も枠の中で考えることに慣れてしまっているのかもしれない。

いつもいつも刺激的な指摘をいただけるお二人に感謝である。


▼左が清水さん、真ん中が砂さん





別れ際に、思わず清水さんと固く握手した。

小さいことなのかもしれないが、この研修会はチャレンジングな企画だった。

これまで足を踏み入れなかったスタイルに一歩足を踏み入れた。

違う業界が手を携えて、ことを成し遂げた時、何かが起こった。

小さいことと侮るなかれ。

その積み重ねこそ、社会が変わる礎となる。

そのことを感じた握手だった。




ミーティング後は、お二人とも用件があるということで、一緒に食事というわけにはいかなかった。

一人で、博多ラーメンの屋台に入った。

なんだか、めちゃくちゃうまい。

福岡は本当に食べ物がおいしい街だと想う。

さあ、明日からは九州大学で集中講義。

20人の学生たちが待っている。

いきあたりばったりではいくらなんでもキツイ。

少しは、3泊4日のデザインをしなきゃ。

資料も作ろうかな。

でも、その時のその場の状況を読み取りながら、学生たちの学びを支えたい。

私にとっても、「学びの可能性」を拓く挑戦である。







どうでもいいことだが、福岡入りしてすぐ、太宰府天満宮に急いでお詣りしてきた。

なんと、今年度3回目の神頼みである。

まだまだ祈らないといけないひとびとがいる。

菅原道真様、よろしくお願いします。



代表 辻だいち