熊本地震から1年。
その日に熊本の地に立つと、心がえぐられる想いがした。
そして今日、福島県飯舘村に立っている。
6年が経過した今、一部を除いて避難解除となった地。
その地に立つと、この6年の足跡がよみがえる。
東日本大震災後、そして熊本地震の後、毎日毎日、泰阜村から空と山を見上げてきた。
春霞にゆれる山々、梅雨に煙る山々、積乱雲が天を突く空、大きな虹がかかる空、そしてまさに星が降ってきそうな満天の夜空・・・
この空と山を見上げて、毎日毎日唄い続けてきた歌がいくつかある。
私はちょっぴりギターの弾き語りをやる。
歌もギターも上手くはないが(苦笑)。
いつも歌い続けている唄のひとつは「私のこどもたち」
以前に、このFBやブログでも紹介した。
ほんとうにいい唄である。
今日は、いつも歌っている唄のなかから、もうひとつ唄を紹介したい。
♪
みあげてごらんあの山を
山に続く深い空を
あなたの命より偉大なものは
何もないんだこの地上には
あなたが夜明けを告げるこどもたち
素足で大地を駆け抜けるこどもたち
みあげてごらんあの山を
山に続く深い空を
あなたが未来に生きるこどもなら
みんなで一緒に歩いていきなさい
あなたが夜明けを告げるこどもたち
素足で大地を駆け抜けるこどもたち
みあげてごらんあの山を
山に続く深い空を
たとえ悲しい今日があっても
生きるってすばらしい明日があるかぎり
あなたが夜明けを告げるこどもたち
素足で大地を駆け抜けるこどもたち ♪
曲名は「あなたが夜明けを告げるこどもたち」。
作詞者は、以前3月11日のブログ記事で紹介した「私のこどもたちへ」を書いた人と同じく「笠木透」という人。
世界中で起こる大災害や戦争・内紛・テロ、あるいは子どもを取り巻く悲惨な犯罪事件が、毎日のようにテレビをにぎわしている。
逃げ惑い、絶望的な表情をみせる人びと。
その現地の情報を、映像として見続けてきたこどもたち。
こどもたちは、命とは尊いものであり一度断ってしまっては二度と戻らないのだという意識を失ってしまうのでないかと危惧している。
こどもたちに伝えたい。
命というのはほんとうに偉大なのだということを。
小さくて不完全で自分勝手なこどもたち。
そんな弱いこどもたちであっても、手をとりあい支えあうことができれば、きっと前に向かって進んでいけると信じ続けてきた。
こどもたちに伝えたい。
必ず明日は来る。
こどもたちよ、その明日に向かって、希望を失わずに歩いていこう。
夜明けを告げるのはきみたちなんだ、と。
私は歌うこともギターを弾くことも上手くはない。
でも、私が伝えたいことは唄ではないのだ。
ましてやギターのテクニックでもない。
私が伝えたいことは、唄に載せた「想い」である。
家族を奪われ、友達を奪われ、故郷を奪われた被災地のこどもたち。
そのこどもたちから、明日だけは奪ってはならない。
全国のこどもたちから、明日を奪ってはならない。
そんな強く重い「想い」を載せて、そして空をみあげて、私は今日も歌う。
「あなたが夜明けを告げるこどもたち」
この唄、どうしても熊本のこどもたち、東北のこどもたち、そして全国のこどもたちに贈りたい。
代表 辻だいち