『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

ドラティ

2015年07月12日 | 日記


ドラティはチラ界を代表する大型種だ。
葉が上に伸びてからクルクル回転を始めやがてその手を下ろし足となる。
そのクルクルする速度が非常にゆっくりである。
定点観測してみようと思い、左側のくるくるにウスネオイデスの糸のような葉っぱを巻き付けてみた。
下の写真が2週間前。
左の葉は11時の位置から10時の位置に移動した。
2週間で30度。
ということは6時の位置まで10週間かかることになる。
まだ2ヶ月以上先だ。
なるほどゆっくりだ。
右の葉っぱは回転を半回転ほど伸ばしている。
そして新しい葉っぱが2枚出てきた。
なかなかかわいい。






もうひとつの大型種、キセログラフィカ。
こいつも成長がわかりにくい。
全体がカーリーヘアのようなので葉っぱの伸びがわからない。
なんとなくこんもりしてきたような感じなので大きくなったのだろう。
ワイルドにウェーブのきいた葉っぱがクールだ。


今年の2月ごろに骨董市で見つけた糸車にのせている。
みれば根を伸ばして糸車に巻き付こうとしているようだ。
糸車が気に入ったらしい。

キセロにしてもドラにしてもクルクルした葉っぱは何かに巻き付くための機能らしい。
樹や岩にしがみつき、根を伸ばし着生しようとする。
自分の足場固めだ。
着生した後は大きく育ち子株を設ける。
子株は親株の足場を引き継ぐか、切り離されて旅にでる。
植物も人も生活事情はどうも似ているようだ。
どんな環境であれ活き活きと育つこいつらをみていると励まされる。
植物にどんどんはまっていくのは案外その在り方に魅せられているからもしれないな。
植物界は示唆に富み何とも奥深い。

嗚呼、ボタニカル!







花のいのち

2015年07月11日 | 日記


七夕の朝、四つ目のチラが開花した。
こんもりと葉が茂るなかなかのベッッピンさんだ。
今年の梅雨は雨がしっかりと降る。
身体はあまり調子が上がらないが、こいつらには最適のようだ。




同時に四つ開花の図。
なかなか花をつけないヤツラなのでかなりコーフンする。
種類は違うが花の色と形が似ている。
兄弟種なのかもしれない。




カサブランカは花が五つになった。
豪華絢爛だ。
放つ芳香もすごい。
網戸越しに部屋のなかにも一瞬漂う。
湿った風にのった甘い匂いにはっとする。



見ればその雌しべから蜜が垂れそうだ。
なんと艶かしいことである。
その白い姿形と匂いで何かを引き寄せる。
俺もその一人だ。

花が開き花が終わる。
七夕に生まれ七夕に逝くいのちもある。
花は誕生の祝福であり野辺送りのお供でもある。
今をいっぱいに生きる、花たちは強く美しい。
花の長さではなく、花のその濃密な時間が大切だと思いたい。
合掌。


嗚呼、ボタニカル!





開花ラッシュ!

2015年07月05日 | 日記


先週から開花ラッシュだ。
今日はネオレゲリア1号に花が咲いた。
去年の秋にやってきてクールにその迷彩色の葉っぱを茂らせていたのだ。
「ちっちゃっ!」なその花はかわいい。
予期していなかっただけに開花のインパクトは大きい。
一日でしおれてしまうがいくつか花芽を出している。



その全体像。
パイナップル科、アナナスの仲間。
クールだ。



オリヅルランも地味に花が咲いていた。
休日でなければ気づかないくらいささやかな花。
うーん、渋い。
渋いが可憐だ。
こいつも花のことは全然期待していなかったのでお得感満載だ。




グルーガンなるものを買って来た。
これがあれば木と葉っぱども、石と葉っぱどもをくっつけられる。
ダイソーには無かったので東急ハンズで買って来た。



石垣島の珊瑚とチランジア。



サボテンの骨とチランジア。

いい。
いい感じだ。
ヤツらがどう思っているかは知らんが、事の正否はこれから明らかになるだろう。
差別して申し訳ないが、主にダイソーのチラ達なのでだめなときはあきらめる。

ブログの更新は土日に一回ずつの決まりにしていたが、この開花ラッシュでは仕方ない。
来週にはまた別の子達が出てくるだろう。
今を生きるヤツらを今愛でる。
今が大事。
あれ、これは「相田みつを」だなあ、人間だもの!

嗚呼、ボタニカル!





チラ族、ぞくぞく開花

2015年07月05日 | 日記


ハリシーが開花した。
葉は花がつく前から少しピンクに色づき始める。
最初の花がついてからは一段と色濃く変化する。
昨日と比べると濃さが増している。
花の時期だけは毎日変化する。
そのグラデーションと小さいけどお派手な花のコントラストがいけている。
クールで、ワイルドで、情熱的だ。
コーフンしてきた。



隣の子も花がついた。
何かタイミングを申し合わせているようだ。
この葉も明日はもっと赤くなっているはずだ。



手前のヤツは花を予感させるように色づき始めた。
まさに色気づいてきたのだ。
姿形が美しいべっぴんさんが色づくとかなり興奮する。
タイプが違うのでどんな花が咲くのか楽しみだ。



雨で暇なのでチラのミニツリーを作ってみた。
それぞれ根がついて大きく増えてくれるかな。
来年の楽しみである。
今日も植物どもに癒され元気にスタートしよう。

嗚呼、ボタニカル!




カサブランカ

2015年07月04日 | 日記


朝起きたらカサブランカが開花していた。
曇天で目覚めが悪かったが最高の朝となった。
うつくしい!
うつくしすぎる!!
ほのかにピンクを含んだ白。
ソリッドでシックな色の6本の雄しべ。
それを従え真ん中に伸びる雌しべ。
ほのかにいい匂いがする。
クチナシみたいにきつくないふわっとしたいい匂い。
あーだめだ、完全にノックアウトされてしまった。
どうしよう!!!




コーヒー淹れて少し冷静に見下ろす。
すると花の元が美女のうなじに見えてきた。
やばい。
美しすぎる!!!
どうしよう!!! !!!




この子は球根でやってきた。
去年の10月21日のことだ。
爾来暗い土の中で過ごしてきたのだ。
土が乾いたら水をやりながら。
「はたしてここからあの立派な花が咲くのか」と疑念を抱きながら。
最初は丁寧に、次第におざなりに水をやり続けたものだ。
そして、今年の4月。
フキノトウみたいなものが出てきた。
写真は4月4日、12日、25日のもの。
出たと思ったらぐいぐい成長し5月末には1メートルくらいになったのだ。

カサブランカ。
「哀愁のカサブランカ」は郷ひろみ。
基になっているのは名画「カサブランカ」なのはいうまでもない。
渋いハンフリー・ボガート、そして美しいイングリッド・バーグマン。
映画では地名だがバーグマンの様にその花は麗しい。
"Play it, Sam. Play 'As Time Goes By."
「あれを弾いて、サム。『時の過ぎ行くままに』を」
映画の音楽も秀逸である。
でも昭和中期の生まれとしては、やっぱり郷ひろみだな。
「ぷりーず かんばっく とぅみー」

花は官能で、また時間をかけた壮大なギフトで、そしてつまりは最高のエンタメである。

嗚呼、ボタニカル!