朝起きたらカサブランカが開花していた。
曇天で目覚めが悪かったが最高の朝となった。
うつくしい!
うつくしすぎる!!
ほのかにピンクを含んだ白。
ソリッドでシックな色の6本の雄しべ。
それを従え真ん中に伸びる雌しべ。
ほのかにいい匂いがする。
クチナシみたいにきつくないふわっとしたいい匂い。
あーだめだ、完全にノックアウトされてしまった。
どうしよう!!!
コーヒー淹れて少し冷静に見下ろす。
すると花の元が美女のうなじに見えてきた。
やばい。
美しすぎる!!!
どうしよう!!! !!!
この子は球根でやってきた。
去年の10月21日のことだ。
爾来暗い土の中で過ごしてきたのだ。
土が乾いたら水をやりながら。
「はたしてここからあの立派な花が咲くのか」と疑念を抱きながら。
最初は丁寧に、次第におざなりに水をやり続けたものだ。
そして、今年の4月。
フキノトウみたいなものが出てきた。
写真は4月4日、12日、25日のもの。
出たと思ったらぐいぐい成長し5月末には1メートルくらいになったのだ。
カサブランカ。
「哀愁のカサブランカ」は郷ひろみ。
基になっているのは名画「カサブランカ」なのはいうまでもない。
渋いハンフリー・ボガート、そして美しいイングリッド・バーグマン。
映画では地名だがバーグマンの様にその花は麗しい。
"Play it, Sam. Play 'As Time Goes By."
「あれを弾いて、サム。『時の過ぎ行くままに』を」
映画の音楽も秀逸である。
でも昭和中期の生まれとしては、やっぱり郷ひろみだな。
「ぷりーず かんばっく とぅみー」
花は官能で、また時間をかけた壮大なギフトで、そしてつまりは最高のエンタメである。
嗚呼、ボタニカル!