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1116 ぷれびゅー いず アメイジング・スパイダーマン

2012-07-23 00:41:09 | 映画鑑賞
どこにでもいる平凡な男子学生が、ある日特殊なクモの力を手に入れ活躍する。

単純明快な物語に”ヒーローとしての悩み”というエッセンスを加え、
恋と青春を絡めたその映画は大ヒットとなった。物語の主役となるのは、
アメリカの漫画出版社”マーベル”を代表する超人気ヒーローである。


原点となる”スパイダーマン”(以下”1”)が公開されたのは2002年。監督サム・ライミならではの
時折クスリと笑えるコミカルな展開と、主人公ピーター・パーカーを演じるトビー・マグワイヤの
生真面目な人柄が融合しながらスパイダーマン誕生がゆっくりと描かれた、傑作であった。

10年の時を経てリメイクされた本作”アメイジング・スパイダーマン”(以下アメイジング)は
CGも進化、3Dにも対応するなど技術革新も進んだ上での公開となった。しかし誰もが気になる
のは「1とどちらが面白いのか」。嫌が追うにも比較される形となった今作。答えとして
ミュージックビデオ出身の新監督マーク・ウェブが用意したのは、派手さを押さえた
シリアル路線だった。







<感想。ネタバレ有>
全編を通じて、監督自身が1を意識した作りとなっている。
1で印象的だった蜘蛛の巣をイメージした長いオープニングは、短く簡潔なオープニングに。
根暗で優しいだけだった主人公ピーター・パーカーは、アメイジングでは
軽い性格でスケボー大好きイケメンに変更。ノリが軽すぎてしょっぱなから
ヒロインに正体をバラします。


1ではこれまたインパクトの強かった”宙づりでマスクを半分取りヒロインとキス”。
正体を隠しながらも、愛までは隠しきれないトビーの心境がよく表現された名シーンであった。

ウジウジしながら、でもゆっくりと愛を育んでいった1が好きだったgottachan。
初めて行ったヒロインの家の屋上で強引なキスに持ち込むアメイジングのピーターに閉口。。
しかし、明確に1と色分けする手法としては成功かもしれない。


ヒロインといえば、”可愛くない”と酷評されながらも過去作全て演じ切ったキルスティン・ダンスト。
アメイジングでは出番が無く、代わりにエマ・ストーンがヒロインを演じている。
キャラ設定自体変わったからか(1のヒロインはMJ、アメイジングはグウェン)、
強気な性格という意外には特に印象に残らず。高校生活の中でトビーとハニカミ笑いを繰り返し
青春の甘酸っぱさを醸し出すが、お互い好きになるまでの明確な描写がほとんど描かれていない為だと思われる。
ちなみに、当初の脚本はMJとグウェンのダブルヒロインだった模様。


また、ピーターを取り巻く人間関係の描写も変化。育ての親である叔父は強気な性格になり、叔父を見守る
ポジションであった叔母は少しだけ気の弱い人に。大権力者であったオズボーン一家は息を潜め会話の中でのみ登場。
そして一切描かれる事の無かった実の父親・母親が今作のキーパーソンとなる。


敵役(リザードマン)については、過去作にも時折登場していたコナーズ博士。トビーの良き理解者となりつつも、
失った右腕を取り戻すため、自らが開発した新薬の実験体に。実験は成功、右腕が再生しだすも
新薬の効力が高すぎてリザードマンに変身してしまうのだが。。人間とリザードマンの変身を繰り返す間、
研究者としての葛藤を描くシーンが少ない為、あっという間にスパイダーマンとのバトルに発展。
上映時間の問題もあるだろうが、敵にも戦わなければならない事情があるという描写がもう少し欲しかったところ。



一番のキモであるストーリーについては、リアリティ重視のシリアル路線である。


実際にスパイダーマンの能力が身についたら日常生活にどう影響するか、1同様わかりやすく描かれている。
ウェブは手首から直接出るのではなく、首から出るものを巻き取り手首に装着した手作りシューター(!)に格納し
使用。1であった”明らかに何もひっかかるところが無い”と思われるところでの飛躍シーンは皆無と、徹底的。
その飛躍シーンもスパイダーマン目線で飛躍するシーンがあったり、摩天楼を縦横無尽に飛び回るシーンを
最後に持ってきたりと、拘りも(チラホラ)垣間見える。


ただひとつ、暴漢から逃走中に屋根から謝って落下・落ちたところに描かれていたプロレスのマスクをヒントに
スパイダーマンのデザインを決めるシーンは無理矢理過ぎる。
1の「彼女をカッコイイ車で迎えに行きたい→お金が無いので高い車は買えない→安い車を広告欄でチェック
→広告欄の隅に賭けプロレス→マスクをして参加しよう!」のくだりの方がまだマシだ。


スパイダーマンが初めて飛躍するシーンは、1とは異なっており、ファンならニヤリとするところ。
背景のニューヨークの街並は3Dになって1番の立体感であった。ちなみに3D(XpanD方式。方式についてはコチラをクリック)については
過去の”ただ奥行きが増しただけ”な映像から”劇場で見たくなる立体感”にまで向上。もう一度
劇場でみたくなった次第である。

話題の日本語版エンディングテーマは評価が分かれる所。過去作でもちょこちょこTMレボリューションが
流されていたので、さほど違和感は感じず。ただ、字幕スーパーの映画で急に流れてくるのは不自然ではある。







久しぶりに劇場で鑑賞したgottachan。是非IMAXでも観覧したい今日この頃

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