
小さな頃
おばあちゃんと二人きりで
たくさんの樹に囲まれた大きな家に住んでいた。
裏には大きな真っ暗な土蔵と
落ちたら絶対上がれない深いサイロ。
小さな私の小さな瞳から見上げる樹々は
時に優しく
時に怖く
いつもそこにあった。
そんなことを考えながら
時々「樹の海」を眺める。
「樹の海」
卓治さんの詩と音楽。
コヤママサシさんのフォト。
眺めるたびに森に帰ることができるような
そんな不思議な時間。
第3話はいつになるのかな。
おばあちゃんと二人きりで
たくさんの樹に囲まれた大きな家に住んでいた。
裏には大きな真っ暗な土蔵と
落ちたら絶対上がれない深いサイロ。
小さな私の小さな瞳から見上げる樹々は
時に優しく
時に怖く
いつもそこにあった。
そんなことを考えながら
時々「樹の海」を眺める。
「樹の海」
卓治さんの詩と音楽。
コヤママサシさんのフォト。
眺めるたびに森に帰ることができるような
そんな不思議な時間。
第3話はいつになるのかな。
体をくるむ 空から
鼓膜までの 数ミリの
間に
風が吹く
怖いから 声を出す
鬼に気づかれない様に
小さな声で
汗の蒸発する 匂いが
樹の海に 浄化され
足から 土になっていく
半身が消えたら もっと
まともに 生きていけるだろうか
誰も見えない
イメージの翼が もっと 豊かだったら
誰にも言えない
魂が もっと 素直だったら
まともに生きていけるだろうか
ガソリンの匂いも 電磁波の匂いも
もう どこにもない
誰にも言えない
苦痛が心とよりそえるなら 見つけられるかもしれない
誰にも言えない
意味をあてがう 自分に嫌気がさす
一度 消えた すべて
風が吹いている
ゆらゆら と 体が揺れて 倒れた
倒木の隙間に 一瞬 若葉が見えた
いつもそこにあって
上に向かって
生き続けるいのちと
下に落ちて
消えて行くいのちが
申し合わせたように
ぐるぐるぐるぐると
私はここで何をしているんだろうと
立ちすくんでいると
あっという間に
土になっていく
叫び続ける
叫びが祈りとなるまで
葉っぱと葉っぱの間から
やわらかな光が届くまで