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Go To Zeroを聴きながら

小山卓治を聴きながら夢の国
今日が終わってまた明日

君が本当に欲しいもの

2010年03月11日 | 小山卓治

一つの課題を終えてホッとしている・・・

のだけれど

でも

何か足りない

満足できない

もっとスパイスを

もっとウイットを

そしてもっと愛を

もっと、もっとってきりがなくて

考えていると

どんどん欲張りになっていく自分がいて

そのうち自分はどうしたいのかわからなくなる



だから

これでよしとしよう



ここから
   


   君が本当に欲しいもの
      
  
   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   君が本当に欲しいものは何
   君が本当に見たいものは何
   君が本当に言いたいことは何
   君が本当に探してるものは何

   君はいつも求めてる
   果てしない欲望
   不幸せじゃないけれど
   少しだけ足りない

   いつも最後まで
   行き着かない夢
   君の望みの形
   僕に教えて

   君が本当に欲しいものは何
   君が本当に見たいものは何
   君が本当に言いたいことは何
   君が本当に探してるものは何

   喜びを計るのは
   誰かの哀しみ
   輝きは見えるのに
   この手に触れない

   君はいつも遠すぎる
   幻を見てる
   甘い夢がかなうのは
   孤独な夜の後

   君が本当に欲しいものは何
   君が本当に見たいものは何
   君が本当に言いたいことは何
   君が本当に探してるものは何

   たどり着くための道は
   いつも遠回り
   現実なんかいらない
   真実が知りたい

   胸の奥で燃えてる
   決して消えない炎
   少しの恐怖を捨てて
   今日をのり切ろう

   苦しみを越え 行きたい場所はどこ
   恋する気持ち 告げたい人は誰
   心を決めて 歩きだすのはいつ
   今ここから始める それは君

   君が本当に欲しいものは何
   君が本当に見たいものは何
   君が本当に言いたいことは何
   君が本当に探してるものは何

前夜

2010年02月17日 | 小山卓治
〈前夜〉は「ing!」Black盤 1987-2009のDISC2に収録されている。

   いつも憂鬱な会話をくり返した
   同じことを別々に理解して
   どれだけ話しあっただろう
   どれだけ憎みあっただろう
   俺の欲望をしまい込むためには
   狭すぎるこの家を明日出ていく

かつて私も大きな夢を持ち
愛情という鎖で
がんじがらめの家の中で

話し合い
憎しみあい
同じことを別々に理解して
繰り返し
繰り返し
折り合うことのない会話を続けていた。

そしてある日
家を出た。

そして海を渡った。
それは2人の手の届かないところだったから。

できるだけ遠くに行って
鎖を断ち切りたかったから。

   俺の体に2人の熱い血が
   流れてるってことは決して忘れない

あの頃はそんなこと考えもしなかった。
自分の体に2人の血が流れてるなんて
当たり前のことなのに
考えたくなかった、あの頃は。

そして今
この歌を聴き

2人を想う。

とても切なくなるけれど
同時に安らかな気持ちにもなれる。

旅立った母と同じ血が私の中に流れていると実感できるから。

そして細くなった父の腕には
私と同じ熱い血を感じることができるから。

やっぱり私にはあなた達の熱い血が
力強く流れていることを確信できるから。



   前夜


   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   いつも憂鬱な会話をくり返した
   同じことを別々に理解して
   どれだけ話しあっただろう
   どれだけ憎みあっただろう
   俺の欲望をしまい込むためには
   狭すぎるこの家を明日出ていく
   ただの1人の男として
   あなたの息子としてではなく
   俺の体に2人の熱い血が
   流れてるってことは決して忘れない

   さよなら父さん
   あなたのような男になるよ
   さよなら母さん
   あなたのような女を探すよ

   俺はこの街で市長になるより
   大統領になりたかったんだ
   あなたが俺を殴った
   痛みも持っていくよ
   あなたもずっと昔 街を出て
   母さんを愛し俺達を育てた
   その時のあなたに
   今の俺はそっくりなはずだ
   2人が俺を息子として誇りに
   思ってくれたことは決して忘れない

   さよなら父さん
   あなたのような男になるよ
   さよなら母さん
   あなたのような女を探すよ

   俺達は互いに不器用なだけだ
   距離を置いてでしか愛せなかった
   だから何も言わないで
   もう哀しむ時なんかじゃない
   俺が生まれた朝のことのように
   今日のことをいつまでも忘れないで

   さよなら父さん
   あなたのような男になるよ
   さよなら母さん
   あなたのような女を探すよ

種の歌/EZO音楽祭・時計台ホール 2/8

2010年02月15日 | 小山卓治
小山卓治が時計台で歌った6曲の中で
〈種の歌〉だけは生声だった。

高い天井に
彼の生声の〈種の歌〉が響き渡った。

たくさんのお客さんがその声に聴き入った。
小山卓治を知る人も、知らない人も。

きっといくつものたんぽぽの種が蒔かれただろう。
蒔かれていつか心に芽を出すだろう。

最新のCD〈ing!〉のフォトアートブックに
タンポポの種が飛んでいる。

それは今にも空っぽの画面に着地して

新しい花を咲かせるように

新しいストーリーをつくりだすように

新しい出会いをつくりだすように

飛んでいる。


   種の歌
   
   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   たんぽぽの種は空を飛び
   小さな庭に花を咲かせた
   少女がちっちゃな指で花を摘み
   海を渡る父に贈った
   花は歌う 小さな声で
   笑って、さあ笑って、と

   たんぽぽの種は空を飛び
   国境の丘に花を咲かせた
   赤い雨に打たれ咲く花は
   たくさんの靴に踏みつぶされた
   花は歌う 小さな声で
   笑って、さあ笑って、と

   たんぽぽの種は空を飛び
   廃墟の街に花を咲かせた
   人はみんな黙りこんだまま
   花に気づかずこうべを垂れた
   花は歌う 小さな声で
   笑って、さあ笑って、と
  
   たんぽぽの種は空を飛び
   兵士の墓に花を咲かせた
   両手を合わせひざまずく妻は
   花の上に涙こぼした
   花は歌う 小さな声で
   笑って、さあ笑って、と

   たんぽぽの種は空を飛び
   小さな庭に花を咲かせた
   窓辺のベッドで眠る赤ちゃんの
   かたわらにそっと花は飾られた
   花は歌う 小さな声で
   笑って、さあ笑って、と

路傍のロック/札幌楽天舎ライヴ2/7

2010年02月11日 | 小山卓治
北海道まで誰かに会いにいくなんて
久しぶりのことだ。

前回は、10年前の2月だった。
といってもそのとき会いにいったのは
「神田日勝(かんだ にっしょう)」
という32歳で亡くなった画家の絵画。
どうしても本物に会いたくて
鹿追町の神田日勝記念美術館までわざわざ出かけていった。

そして今回は小山卓治を聴きに。

神田日勝の残したものは素晴らしいけれど
彼はもういないから
その感動はどうしてもそこで留まってしまう。

生きて唄い続ける小山卓治は
聴くたびに新鮮な感動をくれるから
その言葉に触れるたびに変化を感じるから
何か足りないものは何なんだろうと考えさせてくれるから
だから聴きにいくのかもしれない。

   何か足りない
   いつも足りない
   もどかしい
   確かにあるのに
   手に取れそうで
   見たこともない
   生きるヒント探すために歌う
   路傍のロック

きっと、死ぬまでわからないだろう。
そこにあるけど見えない
触れそうで触れない
絶対あるのに何があるのかわからない。
考えれば考えるほど形がなくなっていく。

ずっと探し続けるのだろう。
だから人はそれぞれの路傍のロックを唄い続ける。

バンドでの〈路傍のロック〉は
イントロがかっこよくゾクゾクするが
ソロのアコギでのそれも好きだ。
詞のよさをじっくり聴ける。



   路傍のロック
   
   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   それは深夜 恋人の元へ飛ばす車のスピードの中にある
   それは夕暮れ ほとりと落ちてまだ香るつばきの濃い赤の中にある
   それはかつて 生まれたばかりの君を抱いた父のプライドの中にある
   それはいつか たどり着けると信じてた約束の場所の裏通りにある

   手に取れそうで
   見たこともない
   生きるヒント探すために歌う
   路傍のロック

   それはあの日 待ち合わせした街角で口ずさんだメロディの中にある
   それはさっき ふと見た君の横顔に初めて浮かぶ陰りの中にある
   それは昔 力でねじ伏せられた男が見上げた空の中にある
   それははるか 彼方に人が描いてた希望の祖国の設計図にある

   手に取れそうで
   見たこともない
   生きるヒント探すために歌う
   路傍のロック

   それは朝 高層ビルのてっぺんを最初に照らす光の中にある
   それは夕べ ベッドで何度も結んだふたつの体の熱の中にある
   それは明日 誰かが犯す罪に課せられる判決の中にある
   それは今 何かに急かされ立ち上がり歩きだした道のかたわらにある

   何か足りない
   いつも足りない
   もどかしい
   確かにあるのに
   手に取れそうで
   見たこともない
   生きるヒント探すために歌う
   路傍のロック

Natural Woman /〈iNG!〉プレミアムライヴ

2010年01月25日 | 小山卓治
卓治さんが18日の日記に書いていた
「24日は隠し球を用意してる。」は・・・

ギタリスト・コヤママサシでした。

コヤマさんはデザイナーとして
カメラマンとして
とても好き。
でもミュージシャンでもあったとは・・・。
神様は才能を皆に平等には与えないのだと
つくづく思った駒込・La Grotteの夜でした。

カメラマンがギター弾いてるので
その写真がたぶんないのがすごく残念。

コヤマさん
ガンガン弾いてました。
カッコイイの一言です。
いつもサイドでシャッターチャンスを狙って
じっと小山卓治を見詰めているコヤマさんではなく
ギタリスト・コヤママサシでした。

次回のONEメンバー限定ライヴでは
何をやってくれるのか楽しみです。

隠し球がどんな風に変化球になるか・・・。


〈Natural Woman 〉は
世の全ての女を敵に回す自由に生きる女を歌う。
でも憧れる部分もあるのだけれど。
自分に自信があって
自分が大好きでないとこうはなれないという女。

絶望さえも片手で愛撫する
そんな女
マニキュアの色でデートの相手を決められたら
男はたまったものではないだろうけど・・・。

一瞬を一緒に過ごすのは最高で
一瞬の後はボロボロにされそう

滅多にいない
でもどこか憧れる
そんなNatural Woman



   Natural Woman

   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   女の敵って女に言われる
   飢えた豹の目はいつもきな臭い
   She said 「人生なんて暇つぶしだから
   バラ色より血の色がいいわ」

   自分の孤独をいつもあざ笑い
   絶望さえも片手で愛撫する
   She said 「100人の男と遊んでも
   目覚める時は1人がいいわ」

   ワンマンスタイル 傲慢スマイル
   シニカルジョーク 尻軽ウォーク
   最高最低 Natural Woman

   週末のマニキュアの色に合わせて
   カクテルとディナーと相手を決めてく
   She said 「最後の足かせさえ外せれば
   もっともっと自由になれるわ」

   ペリエみたいに涼しいまなざしで
   自分を好きにさせるまでのゲーム
   She said 「あなたはいい人みたいだけど
   恋人なんてまっぴらごめんよ」

   ワンマンスタイル 傲慢スマイル
   シニカルジョーク 尻軽ウォーク
   最高最低 Natural Woman

   今夜も彼女は胸から歩き出す
   パンプスの奏でるマーチに乗っかり
   She said 「私を燃え尽きさせてくれる
   エクスタシー探しに行くのよ」

   ワンマンスタイル 傲慢スマイル
   シニカルジョーク 尻軽ウォーク
   最高最低 Natural Woman
   Natural Woman
   Natural Woman

Heart Attack

2010年01月18日 | 小山卓治
   そして誰もが見あげ続ける
   失った心探しながら

人は途方に暮れるとなぜか空を見上げる
空の向こうにある何かにすがりたいのか
下を向くと見失いそうになるからなのか
不覚にも涙がこぼれ落ちそうになるからなのか

でも空はあまりに遠く
あまりに深く
そして眩しいから
ますます途方に暮れたりする

失った心を探すのって
どうやって探したらいいのだろう

哀しみが酒で隠せるうちはまだいい
空しさを笑いで忘れられるならまだいい

失った心はどこか街の片隅に
転がっているのか

手の届くところにあるのに
見えないだけなのか

〈Heart Attack〉
eyes冬号のアスピリンラジオでも聴くことができた

1月24日のプレミアムライブで歌ってくれるかな
期待していよう・・・


   Heart Attack
   
   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   街路樹に止まって死にかけた
   渡り鳥の声を
   あの子の呼ぶ声と間違え
   ふり返ったこともある
   俺はこの街で暮らしながら
   コートのように孤独をはおり
   悪夢のような現実におびえ
   甘い夢に溺れてる

   血眼のゲーム すれ違う視線
   耳打ちされる噂
   正しいやつばかりが勝つとは
   限らないこの街で
   誰かが酒で哀しみを隠し
   誰かは笑いで空しさを忘れ
   そして誰もが見あげ続ける
   失った心探しながら

   Heart Attack 消えそうだ my heart
   Heart Attack 見えない your heart

   愛してほしい 見つめてほしい 抱きしめてほしい
   憎んでほしい うらんでほしい 傷つけてほしい
   通りの真ん中で耳をかすめた
   ささやきはすぐにざわめきに紛れ
   そして笑い声やクラクションの音が
   いつもの街を演じてる

   Heart Attack 消えそうだ my heart
   Heart Attack 見えない your heart




はじまりから、かわらない

2009年12月22日 | 小山卓治
うわぉ!!

〈iNG!〉RED盤/BLACK盤・2タイトルが同時リリース?

思いがけないクリスマスの贈り物

「iNG!」・・・がいい

現在進行形の小山卓治

はじまりから、かわらない

過去も現在も未来もすべて

それは「Circle」の中で

紡がれていく

小山卓治の曲の醍醐味は

終わりがないこと

飽きて忘れられることがない

いつ聴いても

何度聴いても

聴いたら聴いた数だけ

心を奪われる

はじまりから、かわらない

おわらない

iNG!


光のオルガン

2009年12月20日 | 小山卓治
あれは夏の始まりのことだった

1本のほつれた糸がとても気になった

その糸はいつもそこにあったのだけれど

なんだかとてもくたびれたように見えた

その糸はとても細くなっていた

何色ともわからないほど褪せて

ところどころがちぎれそうになっていた

そっと引っ張ってみた

そっと、そっと

すると糸はピンと張って

美しい音を出した

その音は少しずつ大きくなり

やがてメロディを奏でるようになった



風の道を迷いながらも歩き続けた

顔をあげれば空がそこにあることも思い出した

固く閉じた両手を開いて空にかざしたら

光が指と指の間から差し込んできて

もつれた何本もの糸をぐいぐいと引っ張りあげてくれた

そしてそれは空に続く

長い長い何本ものピンと張った弦になった

ほつれた糸は弦になった

いやそうではなくもともとは弦だったのだ

長い年月の中で忘れていただけなのだ



  光のオルガン

  詞:小山卓治 曲:小山卓治


  空を仰ぐあなた
  あなたを見上げてる僕
  静けさに聞き入る
  輪郭だけになる
  風の道を歩き
  空の行方知れば
  心はほどけてく
  すべてがすべてにつながる
  幸せはそこに
  ほら もう そこに

  新しい自由
  思い出のような未来
  美しく哀しい
  激しくて優しい
  空と大地の真ん中
  小さなふたつの点
  それが僕らの姿だ
  消えそうにもろくてはかない
  空に両手かざし
  光のオルガンを弾け
  光のオルガンを弾け
  光のオルガンを弾け

While My Guitar Gently Weeps

2009年12月07日 | 小山卓治
10代の頃はビートルズの中でもジョージ・ハリスンが好きだった。
20代になってからはジョン・レノンばかり聴くようになったけれど。

ジョージ・ハリスンの
〈While my guitar gently weeps 〉を
久しぶりに聴いている

weepということばに惹かれる
cryでもなくsobでもなくweep・・・

だから泣いてはいないけど
今にも泣きそうな
涙ぐんでいるような
密やかな
静かな響き

真夜中
森の木々が緩やかな風にweepするような。

While my guitar gently weeps・・・

guitarが密やかにweepする
そんな風に爪弾かれるギターの音色聴いてみたい・・・

ふと
卓治さんのカバーで
聴いてみたいなって思った。



   While My Guitar Gently Weeps

   作詞・作曲
   G.HARRISON

   I look at you all see the love there that's sleeping
    While my guitar gently weeps
   I look at the floor and I see it need sweeping
   Still my guitar gently weeps

   I don't know why nobody told you
   how to unfold you love
   I don't know how someone controlled you
   they bought and sold you

    I look at the world and I notice it's turning
    While my guitar gently weeps
   With every mistake we must surely be learning
   Still my guitar gently weeps

   I don't know how you were diverted
   you were perverted too
   I don't know how you were inverted
   no one alerted you

   I look at you all see the love there that's sleeping
    While my guitar gently weeps
   I look at you all
   Still my guitar gently weeps

    Oh, oh, oh
    oh oh oh oh oh oh oh
   oh oh, oh oh, oh oh
   Yeah yeah yeah yeah
   yeah yeah yeah yeah


ある夜の電話

2009年12月04日 | 小山卓治


言おうと思って言えなかったことがある
言えなくてさよならしてしまったこともある

意地を張って「ごめんね」が言えなかったことも
そして
「愛しているよ」が言えなかったことも

だから今は

ちょっと迷って
ちょっと考えて
大いに照れて

言うことにしている

今伝えたい気持と

「ありがとうね」と

滅多にいえないけど

「好きだよ」
 


   ある夜の電話 

   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   受話器からこぼれる
   君の声が沈み
   「じゃあまたね」って言えず
   ジョークをひとつ付け足した
     
   「あなたはとても強い」
   君がふともらす
   そんなこと初めて
   君に言われた気がするよ

   照れくさくて 君を笑わせて
   大切なことも言わずに
         
   受話器を置いて
   君の問いかけに答えた
   僕も愛してるよ
   君を愛してるよ

   静けさが戻って
   立ち上がった時
   君の言葉がひとつ
   ポツンと部屋に転がった

   「冒険はもう終わり
   感謝しなくちゃね」
   まるでささやくように
   少し笑っているように

   君にもっと「ありがとう」を
   言っておけばよかった

   受話器を見つめ
   やっと僕にも分かった
   君は行ってしまった
   君は行ってしまった




情けない週末

2009年12月01日 | 小山卓治
佐野元春の「情けない週末」を聴いている。

デビューアルバム「Back To The Street」(1980年)の中の1曲。
その頃彼の存在はほとんど知らなかった。
ひょっとしたら彼がNYに滞在していた1983年から1984年の間
SOHOあたりですれ違って「いけ好かない奴!」と呟いていたかもしれない。

小山卓治の「NY NY」の男と女も
佐野元春の「情けない週末」の男と女も
そこにあるのはふたりだけの世界
世界はふたりだけのためにある
恋に落ちるということはそういうものなのだ

男と女は必然の中で恋に落ちる
出会いは偶然かもしれないけれど
出会いを恋に変えるのは
どちらかが一歩踏み出した時。
それはささやく言葉だったり
まっすぐな視線だったり
手の上にそっと重ねられた手だったりする。

そして、次の瞬間身体に電流が走り
そこから世界はすべてがふたりのために回るのだ。

「あなたと暮らしていきたい」
「うまくやっていけるよ」
<生活>といううすのろ
どう乗り越えていくかはふたり次第・・・


   情けない週末

   words & music 佐野元春

   もう他人同志じゃないんだ
   こんな胸の想い
   迷うこともなく あなたに惚れたんだ
   予感は当たっていた
   あなたと初めて出逢った夜
   ささやく言葉に 身体が震えたぜ
   町を歩く二人に
   地図はいらないぜ
   パーキング・メーター
   ウイスキー 地下鉄の壁
   Jazz men 落書き 共同墓地の中
   みんな雨に打たれてりゃいい

   もう他人同志じゃないんだ
   あなたと暮らしていきたい
   <生活>という うすのろがいなければ
   町を歩く二人に
   時計はいらないぜ
   死んでる噴水 酒場
   カナリアの歌 サイレン
   ビルディング ガソリンのにおい
   みんな雨に打たれてりゃいい

   もう他人同志じゃないんだ
   あなたと暮らしていきたい
   <生活>という うすのろを乗り越えて



Young Blood

2009年11月29日 | 日記
ノラ・ジョーンズの〈Young Blood〉

イントロに惚れて
ビートに溺れて
歌詞にため息

ロックなビート
荒ぶる若い魂の暴走
ハイテンションなノリ
一気に吐き出される
辛辣なメッセージ
でも颯爽として軽快


Young Blood

Written by Norah Jones and Mike Martin

I'll pretend my heart's not on fire
If you steal my true love's name
Broke down subway in this city of spires
Tape your picture over his in the frame

We'll imagine we're sleeping revolvers
Shotgun wedding in a strange SoHo
Our chambers hold silvery collars
Gun down werewolves wherever we go
We gun down werewolves wherever we go

Midnight phone calls in the back of a Mustang
Creased white pages torn right from the spine
Kissed my neck with a crooked, cracked fang
You always hoped one day you'd be mine

Threw our fathers on funeral pyres
I'm not sure that we were playing a game
Busted gasket in a field full of liars
No one noticed we set five boroughs aflame
No one noticed we set five boroughs aflame

Young blood
Young bone
Old ghosts
Go home

Band of gold with a diamond implied
You wrote letters that you never sent
I made promises I'll always deny
Now we'll never know what the other meant

Watch is ticking like a heartbeat gone berserk
Lost the chance to wind the key
Roosters are nothing but clucking clockwork
Our fears are only what we tell them to be
Our fears are only what we tell them to be

Drown the last of our matches
Burn the rest of each other
You were strongest when I ached for breath
Through the thick of smoke we'll finally smother

Young blood
Young bone
Old ghosts
Go home




Chasing Pirates

2009年11月24日 | 日記
ノラ・ジョーンズの新しいアルバム「THE FALL」
がとっても心地いい

映画「マイ・ブルーベリー・ナイツ」での主演で
女優としても素敵だなと思ったけど
新作のアルバムは今までとは雰囲気がずいぶん違う
ピアノではなくギターの彼女もいい

ソフトで軽やか
柔らかな歌声
色っぽいけど可愛くて
いたずらっぽい視線

「Chasing Pirates」では

I don't know how to slow it down
My mind's racing from chasing pirates

と、恋にときめいてペースを落せないでいる
海賊を追いかけるように思いを駆け巡らせている
そんな女心を歌っている

1月20日に日本で一夜限りのライブがあるけど
チケット当選したらいいな・・・









1WEST 72 STREET NY NY 10023

2009年11月19日 | 小山卓治
小山卓治のファーストアルバム「NG」(1983年)より

「アルバムの写真は、当時交友のあった近藤良一氏が1980年に撮った作品だ。
場所はニューヨークのチェルシー・ホテルの一室。
テレビからは、ジョン・レノンが射殺された直後のダコタ・ハウスの様子がニュースで流れている。
この写真を見たことでインスパイアされ、「1WEST 72 STREET NY NY 10023」ができた。
このタイトルは、ダコタ・ハウスの住所がそのままタイトルになっている。」
と彼は書いている。


1980年にジョン・レノンが射殺された。
この曲が作られた1983年、私はNYにいた。
ダコタ・ハウスの前を通るたびにジョン・レノンを想った。
小山卓治という存在はまったく知らなかった。

時が過ぎ
何年か前、初めてこの曲を聴いたとき
あの頃のNYがまるでモノクロの映画のように
甦ってきた。

地下鉄の匂いがする男
オイルの匂いがする女

二人が出会い
愛しあう

哀しみを抱えた心と心
そんな二人がつないだ手と手だから
すべてを感じ取って
お互いの哀しみを愛しいと思えるのだろう

初めてこの曲を聴いたとき
尾崎豊の「I LOVE YOU」を想った
でも尾崎豊の男と女には
破滅の予感しかしない
明日がない

NY NYの男と女には
ほのかな未来が見える

固く手をつないで日陰を飛び出した男と女には
現実と向き合い
うまくやっていけるだけの力が見える

あの頃のNYには
こんな風に出会った男と女があちこちにいたような気がする

あの頃の男と女
今頃どうしているのだろうか
相変わらず売れない絵を描き
NYの小さなアパートで細々とやっているのだろうか
それとも
郊外の小さな家でそこそこに暮しているのだろうか



   1WEST 72 STREET NY NY 10023

   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   “あんた地下鉄の匂いがする”
   “君はオイルの匂いがするよ”
   裏切られてふた晩ずつ泣いた後
   2人はこんな風に始まったんだ

   最初に2人はベッドで愛を持ち寄り
   固く手をつないで日陰を飛びだした
   女は上手にダンスを踊った
   男は上手にBRUCEを歌った

   駅前で演説を30分聞いた後
   募金箱を持った女をからかった
   号外で紙飛行機を飛ばして
   ネックレスを売りはらい食事をすませた

   Oh Well Well
   2人ならきっとうまくやっていけるよ
   Oh Well Well
   何ひとつ2人を止めることなんかなかった

   夜になり大きなネオンに差しかかった時
   ふたつの影はたくさんの靴に踏まれた
   モザイクのような星空を見上げて
   破れたポケットから小銭をこぼした

   “俺達をどこかへ加えてくれないか?”
   だけどそれから夜は花火のようにはじけた
   壁のポスターは警官にはがされ
   信号は赤の点滅を続けた

   Oh Well Well
   2人ならきっとうまくやっていけるよ
   Oh Well Well
   何ひとつ2人を止めることなんかなかった

   夜が明けてすっかり老けこんだ体で
   ダコタへたどり着いた2人は
   朝日に静かに洗い流された
   サビついた時計は新しい時を刻み続けてる

   Oh Well Well
   2人ならきっとうまくやっていけるよ
   Oh Well Well
   何ひとつ2人を止めることなんかなかった

家族

2009年11月15日 | 小山卓治
1984年のアルバム「ひまわり」から

「モノクロの写真に血を塗りたくったような風景の次に出てきた風景では、
セピア色の写 真の中で人々が笑っていた。
今日1日を生きたことに感謝し、明日を生きるための希望を確かめ合う人々だった。その風景の隅に俺も立っていた。
大事なことは生き続けることなんだと、26歳になった俺は思い始めていた。
LPのタイトルを「ひまわり」とした。」
と小山卓治は書いている。 


家族
世界で一番近く
一番温かな拠り所

その中で感謝し
明日への希望を見いだせる

その風景の中の1人でいる限り
きっと生きていけるだろう
たとえ隅っこでも

でもどこかで
1本
また1本と
弦が切れて

時に
不協和音を
出し続けることもある

きぃぃぃ 
きぃぃぃ
きぃぃぃ・・・と

だけど
風景がどんどん変わっても
弦が切れても
太陽は容赦なく照りつける
「前へ進め」と

だから月に祈る
祈って
また
朝を迎える

  

   家族
   
   詞:小山卓治 曲:小山卓治


   父さんが死んで2年 この街へ来て1年
   鉄パイプのベッドのバネの具合にも慣れた
   母さんは兄貴のことをまるで信用していない
   姉さんは窓辺でいつも歌を歌ってる

   はっきり憶えているよ ええそりゃもうはっきりと
   私に向かって息を切らせておまえ達が飛んでくる
   母さんは陽だまりの中でいつも思いだし笑い
   ひとつあきらめるごとにひとつ思い出が増える

   ゆっくりと流れる河に沿った石畳
   僕は自転車に乗って毎日ここを通る
   1人前になるまでもうひと息だ

   姉さんは昔に比べてずっと笑わなくなった
   にやけた男と1度だけ変なことになったらしい
   遊ばれたんだって言われても姉さんは待ち続ける
   男にほめられた髪の毛の手入れを忘れはしない

   取り引きをしくじった兄貴のアリバイは
   仲間の裏切りで簡単に暴かれた
   家中の金をかき集め真夜中に出ていった
   母さんの顔にいつまでも泥を塗るつもりだ

   馬鹿なまねはしないさ 僕ならうまくやれる
   金儲けの手口などいくらだって知ってるよ
   気の弱いやつから順番に駄目になっていく
   だけど家族が助けあうのは当たり前のことだ

   ゆっくりと流れる河に沿った石畳
   僕は自転車に乗って毎日ここを通る
   1人前になるまでもうひと息だ