妊産婦死亡率が世界最低水準のイタリアで、昨年12月25~31日の7日間に5人の妊婦が出産時に死亡したことを受け、衝撃が広がっているそうです(AFPBB NEWS)。いずれの死亡例も原因は個別に説明できるとみられるそうですが、年末の時期に集中して起きたことから、病院の職員確保や高齢妊婦のチェック体制を疑問視する声も上がっているそうです。直近の死亡例は、3人目の子どもの妊娠8か月だった29歳の女性。パートナーの男性の話では、高熱と胃腸炎の症状を訴えて30日に北部Bresciaの救急センターに運ばれ、翌日の大みそかに死亡。医師は緊急帝王切開を試みたものの、母子ともに死亡したそうです。報道によると、他の死亡例のうち2件は、35歳と39歳の妊婦が出産中に心不全を起こし、死産となったそうです。また、クリスマスの25日には、緊急帝王切開を受けた妊娠8か月の女性(34)が死亡。女性は自宅で転落事故に遭ったと伝えられているそうです。お腹の中にいた男児は、摘出から数時間後に死亡したそうです。調査対象とならなかったのは、南部Foggiaで死亡した女性(23)で、出産予定日を目前に自宅で急死。お腹の中にいた女児は、母親の死後行われた帝王切開によって無事誕生したそうです。世界銀行(World Bank)の統計によれば、イタリアは2004年以来の出生数10万人当たり妊婦死亡数が平均4人にとどまり、妊産婦死亡率の下位10か国に入っているそうです。
理化学研究所が先月31日、2004年から3回、合成に成功した原子番号113の元素について、化学者の国際組織「国際純正・応用化学連合(IUPAC)」が正式に理研チームを発見者と認定、命名権が与えられたと発表したそうです(YOMIURI ONLINE)。日本のチームが元素の発見者になるのは初めてだそうです。中学や高校の教科書などにも掲載されている元素の一覧「周期表」に、日本発の元素名とアルファベットの「元素記号」が載ることになるそうです。元素の種類は、原子の中心の原子核を構成する陽子の数で決まり、陽子数が原子番号に。原子番号30の亜鉛を加速器で秒速3万キロ・メートルに加速、原子番号83のビスマスに衝突させて合成し、113番元素の作製に成功し、3回同じ方法で、113番元素を合成に成功したそうです。
世界各地で異常気象が続くなか、北極点(North Pole)では先月30日、気温が急上昇し、厳冬期平均よりも約20度高い気温を記録したそうです(AFPBB NEWS)。カナダの気象当局は気温の急上昇について、今冬、北米にこの時期としては記録的な暖かさをもたらす一方で、英国には暴風雨や洪水をもたらしている異常な低気圧が原因だとしているそうです。この低気圧は現在アイスランド付近の上空にあって、北向きに暖気を引き込みながら北大西洋で風速38.6メートルというハリケーン並みの暴風と高さ約9メートルの波をもたらしたそうです。この強力な低気圧が暖かい空気を北極点にまで押し進め、気温が通常よりも20度ほど高い零度~2℃まで上昇していると。さらに北極点環境観測台(North Pole Environmental Observatory)の米科学者によれば、北極点から300キロの位置にある北極圏の観測地点でも、2日前の28日まで氷点下37度を記録していた気温が30日には氷点下8度まで急上昇。北極圏は、ここ数十年の気候変動の影響を最も強く受けているそうです。年間の平均気温は産業革命前比で3度上昇。降雪量や風速も増し、この30年で氷床が縮小し続けているとも。
慶応大学病院は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究について難病患者の疑問に答える専門の「iPSコンサルテーション外来」を1月に設置すると先月発表したそうです(YOMIURI ONLINE)。同外来ではパーキンソン病やALS(筋萎縮性側索硬化症)など14種類の難病に関し、遺伝性の病気や幹細胞を研究する医師らが最新の研究や、将来の治療の見通しなどを情報提供するそうです。かかりつけ医が同病院に連絡したうえで、患者は受診するという。診断がつかずに悩む患者に対応する「未診断疾患外来」も設けるそうです。かかりつけ医からの紹介を受けた患者から血液5ミリ・リットルを採取したうえで、遺伝子を分析することで診断を試みるそうです。詳しくは慶応大学医学部臨床遺伝学センターのサイト(http://cmg.med.keio.ac.jp/)で得られるそうです。
脳脊髄液が漏れる「脳脊髄液減少症」の治療として行われているブラッドパッチ(自家血硬膜外注入)について、9割の患者に治療効果があったとの調査結果を厚生労働省の研究班がまとめたそうです(YOMIURI ONLINE)。この治療には保険が適用されていないそうですが、保険適用を国に働きかけており、この回の結果はこれを後押しする結果だそうです。脳脊髄液減少症のほとんどに頭痛がみられ、めまい、だるさなどを引き起こすものと知られています。患者が症状を訴えても、診断や治療法について医学会の意見が長らくまとまらず、交通事故や労災などで訴訟が相次いだそうです。自らの血液を脳脊髄液が漏れる部分に注入すると、血液が凝固して患部をふさぐブラッドパッチという治療法で改善する患者が多いことが分かり、2011年になって8学会が合同で診療指針を発表してしたそうです。
神経が傷つくことで生じる痛みを和らげる新型の磁気刺激治療機器が開発され、この機器を使った患者への臨床試験(治験)が大阪大学病院で始まったそうです(YOMIURI ONLINE)。機器は家庭用電源で患者が操作できるよう作られているそうで、将来は在宅での治療も可能になりそうとのことです。治験は脳卒中や背骨の手術後の痛み、重い糖尿病による手足の痛みなどが6か月以上続き、薬が効かない患者144人を対象とするそうです。治験にあたっては、日本医療研究開発機構(AMED)から資金を受けたそうです。この機器は、電気が流れるコイルから発する磁気で、頭蓋骨の上から痛みを感じていると考えられる脳の一部を刺激。磁気が神経に影響し、痛みが和らぐと考えられているそうです。副作用としては頭皮の痛みのほか、まれに、けいれんを起こすことがあるそうです。治験では、10分間の磁気刺激を5日間連続で受けるそうです。
イタリア北部の都市Milanでは、雨不足の影響でここ数週間、大気汚染が健康に有害なレベルにまで上昇し、先月28日から3日間、市街への車両乗り入れが日中に限って禁止されるなどの交通規制が敷かれたそうです(AFPBB NEWS)。Milanを中心とするLombardy地方では、大気汚染の悪化を防ぐべく、恒例となっている新年を祝う花火の打ち上げを中止するよう、当局が地元住民に呼びかけていたそうです。同国ではまた、首都Romeでも、大気汚染対策として交通規制が実施されているそうです。
喫煙はペットにも悪いそうです(AFPBB NEWS)。たばこの煙にさらされているペットは、動物のがんや細胞損傷、体重増加など、健康に問題が生じるリスクが高い。研究によると、飼い主の喫煙本数が1日10本以下の場合、猫のニコチンのレベルは大幅に減少するが、非喫煙家庭の猫に比べると、明らかに高かったそうです。また、去勢された犬の睾丸を検査したところ、細胞損傷の指標となる遺伝子が喫煙家庭で生活する犬のほうが高く、去勢後の体重増加も多かったということです。
ブラジルRio de Janeiro州で、州財政悪化による資金不足で公立病院が相次いでサービス縮小に追い込まれ、州知事は非常事態宣言を出して中央政府に支援を要請したというニュースが報道されていました(AFPBB NEWS)。各国からの選手や観光客ら大勢の人出が見込まれる2016年リオデジャネイロ五輪の期間中、適切な医療サービスが提供できるか懸念が広がっているそうです。先月21日には15か所の病院で外来診療が閉鎖されたほか、一部の医療サービスの提供が中止されており、各病院の院長らは、必須の医療器具や医薬品の不足で手術を延期せざるを得ないと訴える書簡をリオの医薬当局に送っているそうです。中には職員への給与が4か月も未払いになっている病院もあるとも。Rio de Janeiro州は主な財源を石油資源に頼っているそうですが、原油価格下落の影響で財政危機に陥っているそうです。
心臓発作や心不全を起こすリスクのある人々に、たとえ現在の血圧が正常値であるとしても、血圧降下剤を投与することで、数百万人の命が救われる可能性があるという研究結果が発表されたそうです(AFPBB NEWS)。研究チームは、20年以上にわたり60万人以上が関わった123の臨床実験を分析。緊急に現在の高血圧治療のガイドラインを見直すように求めたということです。研究によると、収縮期血圧が10mmHg下がるごとに、心臓発作のリスクが約5分の1、心不全のリスクが約4分の1、あらゆる原因で死亡するリスクが13%減少するそうです。こうしたリスクの減少は、さまざまな高リスク患者の間でほぼ共通してみられたそうです。最近、高リスク患者の収縮期血圧の降圧目標値を130mmHgから140mmHgに緩和した欧州高血圧学会(European Society of Hypertension)の高血圧治療ガイドラインを含め、血圧指針の見直しを促したそうです。