健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

WHOが帝王切開の世界的「まん延」に警鐘

2015-04-20 08:30:03 | 研究
世界保健機関(World Health Organization、WHO)は、医学的には必要がないにもかかわらず出産時に帝王切開に頼る女性があまりに多すぎると警鐘を鳴らしたそうです(AFPBB NEWS)。この状況は発展途上国でも先進国でも同様に「まん延」している一方、帝王切開手術が必要なのに手術を受けることができない妊婦も多いそうです。医学界では1980年代半ば以降、帝王切開の割合は全出産例の10~15%が望ましいとされてきたそうですが、この割合については現在、見直しが進められているようです。WHOの2008年の統計によれば出産に占める帝王切開の割合は欧州では約23%、南北アメリカでは35%、西太平洋地域では24%。一方、アフリカと東南アジアはそれぞれ3.8%、8.8%と低いそうです。出産の約53%が帝王切開で行われているブラジルをはじめとする国々では、あまりに安易にこの手法がとられている一方で、10%以下ならば、より多くの母親と新生児が死亡しているということも表すとしています。
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オーストリアのカフェも禁煙

2015-04-19 08:30:56 | 研究
カフェ文化で知られるオーストリアで、政府が2018年以降、カフェやレストランでの喫煙を禁止する方針を打ち出したそうです(AFPBB NEWS)。この問題について同国では、数年間に及ぶ激しい議論が繰り広げられていたそうです。新たに導入される法律の下では、公共の場では電子たばこを吸うことも禁じられる見込みだそうです。ただし、ホテルは例外として、喫煙室の設置が認められる見通しとのこと。オーストリアは西欧でたばこが最も安価な国の一つで、2012年に行われた調査によれば、国民の3分の1が喫煙者で、喫煙率は、欧州連合(EU)加盟国平均の28%を上回っているそうです。オーストリアは2009年、公共の場での喫煙を禁じる法律を制定したそうですが、レストランとカフェは対象外だそうです。今回の禁煙法の施行には多くのレストランやカフェのオーナーが反対してということで、オーストリア商工会議所が同法が違憲であるとして憲法裁判所に訴えるかどうか検討中だとも。
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C型肝炎に有効な意外な薬

2015-04-18 08:30:27 | 研究
せき、くしゃみ、鼻水などの症状に効く安価なアレルギー薬が、C型肝炎の治療に有効かもしれないとする論文が、Science Translational Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。C型肝炎は、がんや肝硬変を引き起こす恐れのある肝臓の疾患で、治癒が可能な最新の抗ウイルス薬は、4か月の投薬に8000ドル(約96万円)もの費用がかかるそうです。一方、抗ヒスタミン剤「クロルシクリジン塩酸塩(CCZ)」では、錠剤1個の薬価が50セント(約60円)程度に抑えられるとのこと。C型肝炎患者は世界で約1億8500万人に上り、特にアジアやアフリカでは風土病のようにまん延しているということで、既存薬の新たな活用が患者に希望をもたらす可能性があるそうです。ヒト肝細胞を移植したマウスを用いた実験では、クロルシクリジン塩酸塩はHCVを阻害しただけでなく、C型肝炎治療で問題になりやすい薬剤耐性を引き起こすこともなかったそうです。さらに、他のC型肝炎治療薬と同時に投与すると、より効き目が高くなることも確認されたとも。
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盲目のラットが・・・・

2015-04-17 08:30:47 | 研究
地磁気チップをラットの脳内に埋め込むことによって、「磁気感覚」を作り出すことに成功したそうです(財経新聞)生物は、目や耳などの感覚器官を用いて、光や音などの様々な環境情報を電気シグナルに変換して知覚しています。しかし、ヒトは地磁気・紫外線・超音波などを感知することはできないと考えられています。今回の研究では、磁気センサーを目の見えないラットに埋め込み、センサーから得られた磁気情報を活用することができるかを検証したというもの。ラットを北向きもしくは南向きの場所に放ち、東側のアームに進入すると、甘いペレットを食べることができる状況に置いたそうです。そして、磁気センサーは、ラットが北を向いたら右側の一次視覚皮質を、南を向いたら左側の一次視覚皮質を、それぞれ刺激するように設定。その結果、ラットは曲がるべき方角をすみやかに学習し、迷路をスタートする直前だけセンサーが動作するよう設定した時にもラットは迷路の課題を解くことができることが分かったというもの。さらに、3つのスタートボックスのうちどれか一つからスタートさせ、2つのエサを食べるまでにかかった時間と、間違えてエサのないアームに進入してしまった回数を数えたところ、センサーを埋め込んだ目の見えないラットは、目の見えるラットと同じようにエサの位置を正確に把握できるようになることが明らかになったそうです。さらに、迷路試験を終えた翌日にセンサーの電源を切ってセンサーを埋め込んだ目の見えないラットに同じ迷路の課題を解かたところ、はじめは成績が大きく低下しましたが、その日のうちに学習し、課題を解けるようになったそうです。迷路の空間を事前に地磁気感覚を通じて経験しておくと、地磁気感覚が失われた状態でも迷路を解けることになることを示す結果で、目の見えないラットの脳内に「認知地図」が形成されたためであると示唆されるそうです。これらの結果から、地磁気感覚を通じて、通常の視覚の場合と同様に、「地理感覚(土地勘)」が得られることが明らかに。つまり、脳は、失われた感覚(視覚)を、未経験の新奇感覚(地磁気感覚)で、すみやかに代替できることが示されました。今回の発見は、脳の潜在能力の高さを裏付けるとともに、視覚障がいなどの感覚欠損の治療に向けた新しいアプローチを拓くことが期待されるそうです。身近な応用例としては、視覚障がい者が街歩きをするために用いる白杖に、方位磁針センサーを設置するなどの応用化が考えられるそうです。
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汗をかくほど良く香る香水

2015-04-16 08:30:33 | 研究
汗をかくほど良い香りが漂い、その上、体臭を軽減する効果もある世界初の香水が開発されたそうです(AFPBB NEWS)。新開発の香水は「湿気と接触すると芳香を放出する」そうです。この香水には、液体状の塩である、無臭の「イオン液体」が用いられ、これが芳香を伝達する働きをするそうです。芳香成分を含ませたイオン液体は、水分と接触すると香りを放出するため、香水の芳香をより多く皮膚上に放出させることができるようです。
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ばねで歩行支援

2015-04-15 08:30:05 | 研究
電源不要の歩行用「外骨格」を開発し、歩行時のエネルギー消費量を約7%削減させることに成功したという研究論文が、Natureに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。ばねの力で動作するこの小型で軽量の機器は下肢に装着して使用するそうです。体の動きや力を増大させることを目的とした外部装着型外骨格機器の開発には長い歴史があるそうですが、これまでに開発された機器の重量や設計は、それ自体がエネルギー消費の原因となるケースが多かったそうです。開発の妨げとなるこうした問題が一因となり、現在の外骨格機器の設計では、電力で動作する機器が主流になっているようです。ですが逆に、電池の寿命やかさばる大きさなどの難題に取り組む必要が生じているということです。今回発表された最新の外骨格は、カーボンファイバー製の「力学的機器」で、片足の重さは約500グラム。それぞれ1本のばねで構成されており、ばねの両端の一方はふくらはぎの上端に巻かれたベルトに、もう一方は靴のかかとにそれぞれ固定されているそうです。かかとが地面に接触すると、ばねが伸びた状態になり、極小の機械式クラッチがかみ合うことで、このエネルギーが一時的にばねに蓄えられる仕組み。かかとが引き上げられると、クラッチが外れてばねが解放され、その際にばねに蓄えられたエネルギーが放出されて、下肢を持ち上げるふくらはぎの筋肉に助力を与えるそうです。そして、モーター、電池、コンピューターなどは一切搭載されていないそうです。将来的には、けが、脳卒中、老化などが原因で運動能力が低下した人々に適用される可能性があるそうです。
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コーヒーの効用

2015-04-14 08:30:17 | 研究
コーヒーについて、心臓疾患やパーキンソン病、アルツハイマー病、糖尿病などの予防効果がある可能性があるとの認識が、医療専門家らの間で広がり始めているそうです(AFPBB NEWS)。近年、世界で発表された複数の研究論文が、「コーヒーは健康に良い可能性がある」と結論付けているとのこと。今年2月には米政府が、5年毎に見直しをしている食生活についてのガイドラインを公表し、その中で、コーヒーは初めて、1日に数杯飲んだとしても概して有害とは言えないとしたそうです。しかし、コーヒーが健康に良いとされる理由については、現在のところまだ不明のようです。コーヒー豆1粒には、1000種類の分子が含まれているそうです。コーヒーの効果は、赤ワインやココアなどにも含まれるポリフェノールのような抗酸化物質によるものである可能性があると考えられているようです。
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暗闇での視力をアップ

2015-04-13 08:30:30 | 研究
光増感剤として使われているChlorin(クロリン) e6(Ce6)という薬品を含む目薬を点眼し、人間の暗闇での視力を増強させるという実験が行われたそうです(財経新聞)。実験では、点眼から1時間程度で効果が出始め、夜の森でも隠れている人影を100%の割合で発見できたそうです。また、一夜明けたところ眼は元の状態に戻っており、その後20日が経過しても目立った問題は発生していないとのことです。
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成体神経幹細胞

2015-04-12 08:30:20 | 研究
成体神経幹細胞を作りだす特別な幹細胞が胎生期の大脳に存在することが明らかになったそうです(財経新聞)。哺乳類の脳の細胞は大人になってからは二度と再生しないと長年考えられてきましたが、近年、脳の海馬と脳室下帯の少なくとも二つの領域には成体神経幹細胞が存在し、生涯にわたって神経細胞を新生し続けていることが明らかになっているそうです。今回の研究では、胎生期の神経幹細胞の一部に分裂頻度を低く保った特別な神経幹細胞群が存在し、その細胞群が成体神経幹細胞になることを発見したというもの。成体神経幹細胞とそれ以外の通常の胎生期の幹細胞の遺伝子発現パターンを比較したところ、起源細胞ではp57タンパク質の発現が高いことが明らかになったそうです。
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残留農薬と精液

2015-04-11 08:30:53 | 研究
残留農薬レベルの高い果物や野菜の摂取と精液の質低下に関連性があるとした研究論文が、Human Reproductionに掲載されたそうです(AFPBB NEWS)。研究は、2007~12年にかけて不妊治療施設を訪れた18~55歳の男性155人から採取した計338の精液サンプルを分析。果物や野菜の摂取頻度や量などに関する質問票に記入してもらい、その結果を米農務省(US Department of Agriculture)のデータに基づいて、回答者が摂取した残留農薬レベルを「低」「中」「高」に区分。区分にあたっては、食べる前に皮をむいたかや洗ったかが考慮に入れられたそうです。その結果、残留農薬が高レベルの果物・野菜を大量に摂取していた男性は低レベルの男性よりも精子の数が49%少なかったというのです。さらに摂取残留農薬が低レベルのグループの精子正常形態率は7.5%だったのに対し、高レベルのグループでは3割ほど低い5.1%だったとも。摂取残留農薬が「低」と「中」のグループ比較では、主だった違いはみられなかったそうです。ただし、研究はまだ初期段階であり、さらなる調査が必要だということですので、あまり過剰に反応する必要はないものと思います。
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