人工多能性幹細胞(iPS細胞)を保管し、必要な患者に提供する「iPS細胞バンク」が来年度からスタートするというニュースが報道されています(ASAHI.COM)。まず、一般の人からiPS細胞のもとになる皮膚の提供を受け、2013年度にもiPS細胞の提供を始めるそうです。iPS細胞はさまざまな組織の細胞へ分化することができますが、作製に時間がかかるという技術的な問題があります。そこで、献血のように、健康な人から提供された皮膚からiPS細胞をつくって増やし、冷凍して保管しておくという考えのようです。例えば、事故で脊椎を損傷し、緊急な移植が必要な患者にも素早く対応できるよう、あらかじめ準備しておくという構想ということです。利用できるのは、本人限定になるのでしょうか。それとも・・・・・。整備しなければならないことがありそうな気もします。
また、人間が打ち上げた巨大な人工物が地上に落下する危険性があるそうです。数日前に報道されましたが、ロシアが11月の打ち上げで火星への軌道投入に失敗した火星探査機「フォボス・グルント」が来年1月6日から19日の間に地球に落下する可能性があるそうです(YOMIURI ONLINE)。機体の一部が大気圏で燃え尽きず20~30個の破片となって地球に落ちる見込みで、破片の重量の合計は最大200キロ・グラムになるそうです。微量の放射性物質「コバルト57」を積んでいるそうですが、落下による「放射能汚染の恐れはない」としています。現段階での落下予想地点は日本を含む「北緯51度4分から南緯51度4分の間」としか分からず、詳細判明は落下の数日前になるそうです。新年早々・・・・・ですね。
ヒトiPS細胞(人工多能性幹細胞)からつくった肝細胞の製品化が発表されました(ASAHI.COM)。来年4月に販売開始する予定だそうです。特定の遺伝子を適切な時期に導入することで、効率良く肝細胞を作り出せるようになり、従来1~2割程度だった効率を8~9割までに上げられたそうです。肝臓は消化管から体内に吸収されたには薬物や毒物を分解する働き(解毒作用)があります。そのため、薬剤が肝臓にどう働くか、毒性がないかの確認は新薬開発の初期段階で欠かせないのですが、現在はヒトの肝細胞から育てた輸入品に頼っているそうです。今後、薬の安全性や副作用の検査が効率よくでき、新薬を安く早く開発するのに役立ちそうです。iPS細胞で作成した細胞では、心筋や神経細胞はすでに製品化されているようですが、肝細胞は初めてのことだそうです。
植物が巨大化する遺伝子が発見されたそうです。植物の細胞分裂を促すたんぱく質を特定の遺伝子がコントロールしている仕組みを解明したろいうものです。この遺伝子を活用すれば、果実などの特定の部分だけを大きくして収量を上げられる可能性があるということです。世界の人口が増加し、さらに全体的な所得も上がっているので、いずれ食糧問題が深刻な状況になることも予想されます。より大きな実を実らせることができれば、ひょっとしたら少しは・・・・・。
東大合格を目指して。と言っても、受験生ではなく、コンピューターによる人工知能で東大入試を突破させようというものです。国立情報学研究所が立ち上げたプロジェクトで、人間の言葉を理解し、「常識」を併せ持つ人工知能の開発を目指した試みだそうです(ASAHI.COM)。10年後に「合格」という目標を掲げたそうです。膨大な記憶容量と計算速度を持つコンピューターは、すでにチェスの世界チャンピオンや米国のクイズ王を破るレベルに達しているそうです。しかし、入学テストのように普通の言葉で書かれた問題には、なかなか歯が立たないそうです。文章から意図や状況を読み取ったり、線画の意味を理解したりする能力に欠けるためだそうです。知識や論理だけでなく、知的判断の支えとして、常識が求められる場面でもお手上げとなるそうです。人工知能の研究では、こうした分野の技術開発が焦点となっているということです。
日本の2010年度の科学技術研究費の総額は17兆1100億円(前年度比0・8%減)で、3年連続で減少したこと明らかになりました(YOMIURI ONLINE)。もちろん、研究費の対国内総生産(GDP)比も減少し、3・57%(同0・07ポイント減)だったそうです。研究費の内訳は、民間企業が12兆100億円、大学が3兆4340億円、非営利団体・公的機関が1兆6659億円だったそうです。リーマン・ショックなどの影響で2009年度に1割以上減少した民間企業の研究費は、前年度比0・2%増加したそうです。一方、大学の研究費は、2009年度が大型補正予算で増えた分、同3・3%減少となったそうです。科学研究は、将来への投資だと思います。ということは・・・・・。ちなみに、研究者数は84万2900人、女性研究者数は12万3200人で、いずれも過去最高だったそうです。
先日、日本発の画期的な医薬品作りを目指す内閣官房医療イノベーション推進室長の東京大学医科学研究所の教授が、室長を辞任して来年4月から米シカゴ大学に移籍することが報道されました(YOMIURI ONLINE)。学術研究の分野において日本と外国、特に米国との間には大きな違いがあります。こうした違いを乗り越えるべくこの医療イノベーション推進室というものが設立され、国家戦略として医療産業の国際競争力を強化する予定だったのでしょう。そして、今回室長を辞職する教授はまさに司令塔。国の旗振り役が国内での研究開発に見切りをつけた格好ということです。今後もこうした人材の流出が続くのかもしれませんね。
ヘムオキシゲナーぜ(HO-1)という赤血球を分解して、血管拡張や抗酸化作用
を促す酵素は、高所において高所特有の酸化作用から生体を守る抗酸化作用、酸素
をより取り込みやすいように血管拡張作用があるなど重要な役割を担っているそうですが、このHO-1が高所登山家には高所未経験者の約6倍含まれていることが判明したそうです。酸素が薄い8千メートル級の山に登ると、老化につながると考えられる活性酸素が発生しやすくなり、体に負担がかかるそうですが、酸素が薄い状態が続くと「高地馴化」と呼ばれる現象が起きるというのです。つまり、低酸素から身体を守るシステムが強化されたということのようです。この効果は最長で半年間持続したとも。でも、イコール、登山が身体に良いということにはならないので、注意は必要です。
を促す酵素は、高所において高所特有の酸化作用から生体を守る抗酸化作用、酸素
をより取り込みやすいように血管拡張作用があるなど重要な役割を担っているそうですが、このHO-1が高所登山家には高所未経験者の約6倍含まれていることが判明したそうです。酸素が薄い8千メートル級の山に登ると、老化につながると考えられる活性酸素が発生しやすくなり、体に負担がかかるそうですが、酸素が薄い状態が続くと「高地馴化」と呼ばれる現象が起きるというのです。つまり、低酸素から身体を守るシステムが強化されたということのようです。この効果は最長で半年間持続したとも。でも、イコール、登山が身体に良いということにはならないので、注意は必要です。
あらゆる組織や臓器の細胞に変化できる人のiPS細胞(新型万能細胞)から、止血効果のある血小板を大量に作り出す方法が開発されたそうです(YOMIURI ONLINE)。iPS細胞の作製に使われる遺伝子の一つに、血小板を作る血液細胞「巨核球」を増やす働きがあることに着目し、iPS細胞を巨核球に変化させる過程で、この遺伝子と細胞増殖を助ける別の遺伝子を細胞核に組み込み、さらにこの二つの遺伝子を活性化させる薬剤を加えて巨核球を大量に増やしたそうです。マウスの実験では、こうして作成された巨核球からできた血小板が傷口に集まり、止血することも確認したそうです。将来的には、手術前に患者のiPS細胞から輸血用の血小板を作ることも可能になるそうです。すごいですね。
「自分は得するわけでもないのに、困っている仲間を助ける。」他人の感情を共有するそんな「共感」の能力をラットも備えていることが明らかになったそうです(YOMIURI ONLINE)。これまで人以外では、サルでしか確認されていなかったそうです。実験では、まずわなの扉を外から頭で押して開けられるようにラットを訓練し、そして1匹のラットをわなに閉じこめると、訓練を受けたラットは扉を開けて仲間を救出したというものです。わなの外にチョコレートがあるときも、自分が独り占めできなくなるのを承知でラットは扉を開けたそうです。出てきたラットと接触できないようにしても行動は変わらず、仲間と一緒にいたいという自分の一方的な望みが動機でもないらしいということです。また、雌の方が仲間を助ける傾向が強かったとも。不思議ですね。