健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

骨形成を促すタンパク質

2010-07-31 06:26:57 | 研究
骨髄が脂肪化する。これは教科書にも書いてあることです。骨髄には血液細胞を作る造血幹細胞が存在しています。そのため、血液を作っている骨髄は赤色になるため、赤色骨髄と呼ばれています。子どもでは、ほとんどの骨髄で造血が行われているために、赤色骨髄がほとんどです。しかし、成人に成長していくうちに多くの骨髄で造血機能が失われていきます。造血機能を失った骨髄は脂肪化して黄色になるので、黄色骨髄と呼ばれます。つまり、造血幹細胞が脂肪細胞に分化した可能性が考えられます。骨髄には他の細胞に分化可能な幹細胞が存在しています。それは骨髄間葉系幹細胞と呼ばれています。この間葉系幹細胞は血液細胞(造血幹細胞)、心筋細胞、血管内皮細胞、骨格筋細胞、骨芽細胞、軟骨細胞、脂肪細胞など中胚葉から発生する細胞に分化可能と考えられています。また、神経細胞や肝細胞など胚を越えた分化能も報告されています。そのため、骨髄が脂肪化するのは当然と考えられます。しかし、なぜ脂肪化するのか、そのきっかけなどはまだまだ不明な点が残されています。老人性骨粗しょう症の場合、この間葉系幹細胞が脂肪細胞に分化しやすくなるため、骨がもろくなるそうです。間葉系幹細胞が骨芽細胞への分化は「Id4」と呼ばれるタンパク質が促し、その働きが弱まると脂肪細胞が増加することが明らかになったそうです(YOMIURI ONLINE)。これで、骨粗鬆症の根本的な治療へ一歩前進でしょうか。
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