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豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

筋萎縮性側索硬化症の原因メカニズム

2012-12-23 08:30:23 | 研究
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の原因メカニズムを明らかになったそうです(マイナビニュース)。ALSは筋肉を動かす運動ニューロンの変性・死滅が、呼吸機能も含む進行性の筋力低下を引き起こすという、主に初老期以降に罹患し、発症から数年の内に死に至る難病です。患者数は日本だけでも8000人を超え、加齢と共に頻度が増し、60歳以降の罹患危険率は300人に1人ともいわれており、決して稀な難病ではありません。そして病因不明のため、有効な治療法が現時点ではありません。これまでの研究で、病因に関わる遺伝子やALSに特異的に見られる分子異常は特定されてきましたが、未だその因果関係や運動ニューロン死に至るまでのメカニズムが解明されておらず、病因判明には至っていませんでした。これまでの研究で、ALSの病因に関わる疾患特異的分子異常として異常な「カルシウム透過性AMPA受容体」が発現していることを発見しており、今回の研究により、この異常が「カルパイン」の活性化を通じてもう1つの疾患特異的分子異常である「TDP-43」病理を引き起こしているという分子連関を解明することに成功したというものです。これにより、これまで知られていたALSの病因に関わる2つの分子異常のメカニズムと分子関連が明らかにされたこととなるそうです。特にこの成果は、ALS患者の大多数を占める、遺伝性のない孤発性ALSの病因を説明するメカニズムであり、治療へ向け1歩前進したといえるものだそうです。
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