健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

朝食抜きと動脈硬化リスク

2017-10-12 08:30:55 | 研究
一日の始まりに朝食を抜いたり、ほとんど食べなかったりする人は、動脈硬化を発症する確率がそうではない人に比べて2倍高くなるとの研究結果がJournal of the American College of Cardiologyに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。動脈硬化は心臓病などの原因となるとされているものです。世界保健機関(WHO)によると、心疾患は世界の死因のトップで、2015年には年間1770万人が死亡。今回の論文は、スペインの中高年の会社員4000人を6年間にわたり追跡調査した結果に基づいているそうです。調査対象者の約4人に1人、約25%が一日のカロリー摂取量の20%以上を含む高エネルギーの朝食を取っていたのに対し、70%は、一日のカロリー摂取量の5~20%に当たる低エネルギーの朝食を食べていたそうです。3%は、朝食を完全に抜いているか、ほとんど食べなかったそうです。このグループは「食生活が全般的に不健康で、心血管系のリスク因子を抱える割合が高い傾向がみられたというのです。また、朝食抜きの人は胴回り、体格指数(BMI)、血圧、血中脂質、空腹時血糖値などの数値が最も大きかったそうです。さらに、動脈内の脂肪性沈着物の割合を調べるため、調査参加者を超音波技術でスキャン。その結果、朝食でカロリー摂取量が一日の推奨摂取量の5%に満たない人は、高エネルギーの朝食を食べている人に比べて、動脈内の脂肪蓄積量が平均で2倍であることが分かったそうです。一日を始めるのに朝食を抜いたりほとんど食べなかったりする人々の動脈硬化リスクの上昇は、喫煙、高コレステロール、運動不足などのその他の因子とは関係なく生じると考えられるようです。過去の研究では、健康に良い朝食を取れば、体重低下や健康的な食事療法につながり、コレステロールや血圧、糖尿病などに関連する疾患リスクが減少する一方で、朝食抜きによって冠動脈疾患リスクが上昇することが示されているそうです。

http://www.afpbb.com/articles/-/3145264
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