健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

モルヒネに代わる「副作用のない」鎮痛薬

2016-08-29 08:30:55 | 研究
モルヒネと同等の鎮痛効果を持つが、副作用がないと考えられる合成薬剤を開発したする研究成果がNatureに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。モルヒネなどのオピオイド系鎮痛薬は強い副作用があるため、非常に危険で中毒性が高いとされています。研究では、ビッグデータの手法を用いて、「数兆」に及ぶ候補のふるい分けによって同定されたこの新化合物は、マウスを用いた実験で、痛みの抑制作用を誘発する脳内の既知の分子経路を活性化したというのです。この化合物は、モルヒネや、オキシコドンやオキシコンチンなどの処方薬とは異なり、正常な呼吸を減速したり阻害したりする可能性のある第二の経路を活性化することはなかったそうです。オピオイド類による呼吸の抑制により、米国だけで毎年約3万人の死者が発生し、また米国では、オピオイドの使用と乱用がまん延のレベルにまで達しているそうです。「PZM21」と命名されたこの新薬は、実験用マウスに依存性を形成しなかったそうです。マウスはモルヒネや処方鎮痛薬に対して、人間と同様に容易に中毒になるそうです。さらに、この新化合物の3つ目の利点は、便秘を引き起こさないことだとも。

http://www.afpbb.com/articles/-/3097909
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