健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

卵にさえずりかける鳥

2016-08-27 08:30:47 | 研究
ある種の鳥は、まるで人間の親たちが妊娠中の母親のおなかに語りかけるように、ふ化する前の自分の卵にさえずりかける習性があるとの研究報告がScienceに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。卵からかえるひなに外の世界の気温上昇への備えをさせることが、その理由として考えられるそうです。今回の研究では、キンカチョウの奇妙な習性を調査。キンカチョウは抱卵期間の終わり近く、特に気温が26度を上回る暑さになると自分の卵に向かってさえずりかけるそうです。卵は親鳥が上に座って温めている間は外部の気温には影響を受けず、一定温度の37度に保たれるそうです。研究では、キンカチョウの鳴き声を録音し、それを孵卵器の中の卵に向けて再生する実験を行ったそうです。一部の卵には成鳥のキンカチョウが普段交わし合う鳴き声を再生し、別の卵には気温が上昇した時に抱卵中の親鳥がふ化する前の自分の卵にさえずりかける時の鳴き声を聞かせたそうです。暑さを知らせるこの鳴き声、いわゆる「ホットコール」を聞かせた卵は、そうでないものに比べて成長のペースが遅く、ふ化したひなも体が小さかったそうです。小さい体で生まれると暑い気候の中で体を冷やすのが容易になるため、生存する上で有利になると考えられるそうです。さらに長期の追跡調査の結果、ふ化する前にホットコールを聞かされていた鳥はそうでなかった鳥より暑い気候が続く間に多くの子孫を残したことが分かったそうです。この知らせが伝えられるタイミングが、ひなの体温調節系の発達が始まる抱卵期間の最後の3分の1に相当するそうです。
http://www.afpbb.com/articles/-/3098073
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