ビタミンDの欠乏と多発性硬化症の発症率の高さを裏付ける遺伝学研究の結果が、PLoS Medicineに発表されたそうです(AFPBB NEWS)。ビタミンD量と多発性硬化症をめぐっては、過去の観察研究からその関連性はすでに判明していたそうですが、脳と脊髄の神経に影響を及ぼす消耗性疾患である多発性硬化症の原因とその治療法については分からないままとなっていたそうです。これまでの研究では、ビタミンDの欠乏が多発性硬化症を引き起こすことは証明されていなかったそうで、単に患者が、室内で過ごすことが多いために太陽光を浴びる機会が少ないためにビタミンDが低値を示す傾向にあるということだったようです。今回の研究では、多発性硬化症の患者1万4498人と健康な人2万4091人のデータを照合し、ビタミンD量の遺伝的な欠乏と多発性硬化症の発症率の関連性を分析。遺伝的にビタミンD量が欠乏している人は、多発性硬化症を発症するリスクが2倍になることが明らかになったというもの。多発性硬化症の症状としては、視界のぼやけ、不明瞭な発語、体の震え、極度の疲労、記憶障害、まひ、失明などで、患者数は世界で約230万人に上るそうです。