健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

人工神経接続

2013-04-19 08:30:35 | 研究
先日、非常に興味深い研究成果が発表されていました(QLife Pro)。サルの損傷した脊髄を人工的につなぐ人工神経接続技術を開発したというものです。脊髄損傷したサルは、その手法で大脳皮質からの電気信号で麻痺した手を自在に動かすまでに回復したというのです。脊髄が損傷すると脳と手足をつなぐ神経の経路が途絶え、脳からの電気信号が届かないために手足が動かせなくなります。脊髄損傷では脊髄の神経経路が途絶えているだけで、機能の残る脊髄に大脳皮質からの電気信号を伝えることができれば手を健常に動かせると考え、脊髄の損傷部位をバイパスし、大脳皮質の信号を脊髄の運動神経に人工的につなげて送る「人工神経接続」の技術を開発したそうです。まず脳の局所電位を記録して、そこから腕の運動に関わる電気信号を抽出。信号にあわせて損傷部位より下部の脊髄に刺激を与えたところ、刺激にあわせて腕の筋肉が収縮したというのです。さらに手を動かしてレバーを押すことができたとも。人工神経接続の電子回路をオフにすると手は動かなかったそうです。従来のロボットアームによる機械の手(義手)を自分の手の代わりにするのと異なり、今回の技術は麻痺した手を自分の意思で制御できるまでの回復に成功している点が新しいです。素晴らしい技術であると思います。
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