健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

心筋梗塞の治療後、発症が懸念される慢性心不全の予防

2012-05-18 08:30:11 | 研究
心筋梗塞の治療後、発症が懸念される慢性心不全が、造血作用のあるたんぱく質「インターロイキン(IL)11」で予防できることが明らかになったそうです(YOMIURI ONLINE)。IL11は米国では別の病気の治療薬として承認されているそうですので、この実験結果を受けて研究と保険診療が併用できる高度医療の認定を国に申請する予定だそうです。国内の病院数か所で、75歳以下の24人に実施を目指すとのことです。厚生労働省によると、心筋梗塞による死者は年間約4万人だそうでう。心臓表面を取り囲むように走る冠動脈が詰まるため、その部分をステント(金属製の筒)で広げる治療が行われています。この治療後、血流を再開すると活性酸素が心筋から放出され、細胞が壊死することがあります。このため、治療成功後に約2割の患者が心不全となって体力が大幅に低下し、死に至る例もあります。IL11は活性酸素の発生を抑えるなどの心筋保護作用も持つことに着目し、心筋梗塞の治療後と同じ状態のイヌ6匹にIL11を注射すると、心筋細胞が壊死する範囲が注射しなかった8匹の半分程度にとどまったそうです。いろいろな事が明らかにされていますね。
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