国際宇宙ステーションに滞在中の宇宙飛行士の古川さんが、宇宙酔いに悩まされていることをツイッターで明らかにしたそうです(YOMIURI ONLINE)。宇宙酔いとは、感覚情報の混乱によって生じる症状で、吐き気を伴うものです。乗り物酔いと基本的に同じと考えられています。我々は通常、上下左右を常に意識して生活しています。その上下左右は、視覚からの情報と前庭器からの重力情報の2つを参照していると考えられています。目をつぶっていても、どちらが上か下か、私は分かりますよね。それが前庭情報です。ところが、国際宇宙ステーション内では、重力が小さく、さらに遠心力(宇宙ステーションが高速で地球の周りを回転するために発生する地球から離れようとする力)とつりあっています。ですので、前庭器への重力の入力が著しく減少しています。したがって、どちらが上で、どちらが下か、頭が混乱するのだと思います。乗り物酔いは本を読んだりして視線を一点に固定しいると生じやすいと思います。こちらは視覚情報からが視野に変化がないので、身体も動いていないという情報が入りますが、重力情報は乗り物の速度や進行方向により逐次変化しますので、こちらもまた2つの情報にギャップが。古川さんは「宇宙酔いしました。特に頭を急に動かすとウゲー、気持ち悪くて吐き気がする。頭の芯も重い。何とかしてください」と書き込んでいるようです。また、「宇宙酔いは初飛行の飛行士の3分の2程度が経験するとされ、一過性なので心配ありません。脳が無重量環境に適応する過程と考えられています」と再投稿も。通常数日で収まると言われていますので、もう少しの辛抱でしょうか。
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