フォト&クラフト工房Gorou's (写真、カメラ、万年筆、腕時計、etc.)

写真、特に沖縄の・・・ カメラ、万年筆、腕時計など蒐集、修理復活などなど・・・写真と物の世界に嵌っています。

オリエント腕時計スケルトン

2016-05-10 13:08:08 | 腕時計

オリエントの腕時計ジャンク

 セーコーの自動巻き、巻上げの歯車が摩耗していて修理方針計画中。気分転換に、裏蓋がスケルトンの珍しいオリエントの腕時計を診ることにしました。

 風防が欠品していて、文字盤は錆びだらけ。針は、一応そろってますが・・・

 全くのジャンクですが、ムーブメントとはそこそこキレイです。

 ゼンマイは巻き切っているし、全く動く気配が無いので、とりあえず分解してみました。

 

 裏蓋は、ベゼルのような金属製の枠にプラ風防がはめ込まれています。こんなの初めて見ました。
 文字盤も周辺の時間目盛りの部分がスケルトンです。かなり古い物の様なので、曇りが出ていて透明感はありません。
 ゼンマイも巻き切っていて、テンプも何かに引っかかっているようなので、香箱のストッパーも含めて、テンプや輪列の受板も外してみました。
 香箱のストッパーは下手に外すとビューン・・・と針が猛スピードで回転して目を回し、酷いことになるので巻き切っているときは注意が必要です。リュウズを押さえながら、外します。

 

 中はキレイで、錆などは出ていません。
 歯車や地板の加工精度の良さが見て取れます。

 

 

 

 

 輪列の受板の裏を見ると、軸受けの石が汚れていて、多分グリスが固まっている、特にアンクルの穴が、ほとんど塞がっていました。


 

アンクルも含めて、ベンジンに浸けて洗浄しました。

 

 

 

 

 

 受板を載せて組直したのですが、どうもガンギ車が上手く入りません。取り出して見ると、アンクルの受板側の先端部が欠落していました。
 軸の本体部分は、0.3mmфで先端部分は地板側の先端部分の太さから多分0.1mmф程です。
 メーカーであれば、在庫などとっくに無いとは思いますが、ガンギ車を交換するのでしょう。もちろん私も、交換部品など無いので、さてどうするか・・・
 ジャンクの中から探し出すか、あるいは0.3mmの軸に0.1mmの軸を埋め込むか・・・そんなことが出来るのか思案中です。
 ガンギ車はアンクルとのかみ合わせが大変微妙で、おそらく全く同じ機種でなければ、交換しても上手く動かないでしょう。となると、0.1mmの軸の先端部分を作るしかない・・・と言うことになりそうです。

 テンプは、ガンギ車が受板から外れていてアンクルに引っかかって、そのアンクルがテンプの動きに影響を与えていたようです。テンプとアンクルはスムースに動くようになりました。ですから、ガンギ車さえ上手くセットできれば復活するのですが。
 どうせジャンクなので直す必要もないのですが、でもコストや労力の問題ではなくて、「動かなかったものを何とか動くようにしたい。」と、まあそういう思いでやってます。

 これでまた、修理中の在庫が1本増えてしまいました。でも、こういう壁にぶつかるごとに、色々と考えてレベルが上がっていくのだと思います。

 

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利根川の小堀の渡し

2016-05-07 22:59:33 | 日記

地元利根川河川敷にある小堀の渡し

 このところ自動巻きの腕時計の修理で煮詰まっていて・・・。それで気分転換にひさしぶりで、利根川の河川敷を散歩してきました。

 取手市には、利根川を挟んで我孫子市側に飛び地があります。古い河道の時は利根川左岸(北岸)でしたが、現在の河道が出来た時に三日月湖となって右岸側に小堀地区が取り残されてしまいました。取手市側から、その小堀へ渡し船があります。取手市から我孫子市へは、すぐ上流側に国道6号の大利根橋があるのですが、観光目的もあって今でも渡し船が運航されています。

 

 乗る人は、ほとんどいないので当然大赤字だと思います・・・。でも、なかなか風情のあるもので、取手市も頑張っているなぁ・・・。ちなみに乗船料金は、100円!です。しかも対岸の小堀地区の住人は、無料!です。夕方なので最終便が出航してしまって、小さな桟橋は閉っています。

 河川敷は桜や黄色いカラシ菜の花が終わって、鮮やかな色のポピーの花が咲いています。

 いったん増水すると水没してしまう河川敷ですが、そのとき土に栄養分が蓄積されるのか、四季おりおりキレイな花が咲き乱れます。

 

 広々とした河川敷を久しぶりに散歩して、気分爽快。細かい作業ばかりしていると、煮詰まって行き詰ってしまいます。たまには、外に出ないと。

 

  利根川堤防すぐ傍の路地裏にある、お蕎麦屋さんです。土日しかやってません。しかも打った蕎麦が無くなると営業終了。
 営業日は、地元のお馴染みさんで、けっこう込み合っています。蕎麦は腰があって、素朴ですが味わい深いです。ご主人は休日に仕事のかたわら蕎麦を打って、この蕎麦花で店を営んでいます。

 

 

 最近、籠ってばかりだったので、今日の散歩はとても良い気分転換になりました。
 さぁ~てと、時計修理を再開するか。

 

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ペンクリニックの川口明弘さん

2016-05-06 08:51:15 | 万年筆

ペンクリニックで川口明弘さんに、モンブラン・マイスターシュテュック146を診てもらいました

 地元お気に入りのホームセンターで無料のペンクリニックがあって、川口明弘さんに以前ブログにアップしたモンブランのマイスターシュテュック146を診てもらいました。
 モンブランの公式サイトを見ると、今はマイスターシュテュック146は販売終了しているようで、それに替えてゴールドコーティング ル・グラン (79,920円)として出ていました。

  ペンクリニックは、地元ホームセンターで、定期的に開いてくれています。万年筆、診てもらうと写真のような川口さん押印のカードを、発行してくれます。
 川口明弘さんは、セーラー万年筆のドクターで、全国を回られている。以前にも一度、昭和30年代の古い万年筆を診てもらったことがあります。その時の調整の仕方を見て、ペン先の調整の方法、器具の使い方などを見よう見まねで真似ています。

 
 左から、モンブラン320、アウロラ、モンブランマイスターシュテュック146です。

 

 

 右のマイスターシュテュック146を、調整してもらいました。

 以前、首軸とピストンを外してペン先、ペン芯を洗浄し、字が太過ぎるのでペンポイントも研磨したのですが、インクが出過ぎる状態でした。

 

 ペン先をルーペで見て、すぐに「ペン先曲がっておる。」と指摘されました。数ミリの径の孔が開けてある真鍮のプレートにペン先を差し込んで、ちょこっと左右に調整し、耐水ペーパーで軽く研磨してアッという間に終了です。

以前、ペン先の食い違いを調整してペンポイントを研磨したのですが、その時にペン先を曲げてしまったようです。

 調整の仕方を、直接教えてもらう訳にもいかないので、見させてもらって覚えるということですね。
 ペンポイントが大分すり減っているのですが「モンブランの146という万年筆は、とてもよいものだ。この万年筆も、まだまだ使える」と言ってもらいました。そして試し書きをした私の字の書き方、書いた字を見て「あなたには、太すぎるかもしれないな。もう少し大きい字を書く時に使ったらよい」私は確かに普段、メモ書きや下書きをする時には、小さい字を書いています。そして「この万年筆は、細くしない方がいい」つまりペン先を研磨して、細字が書けるようにはしない方がよいと言われました。ちょっと字を書くのを見ただけで、ここまで本質的なことが判ってしまうのですね。やはり凄いプロですね、川口さんは。私も、そのような能力を持つ技術者になることを目指したいと思いました。

 余談ですが、私が診てもらう前に、50歳前後の女性の方がセーラーの万年筆を持ち込んで診てもらっていました。「セーラーの万年筆が気に入っていて使っている。でも、少し引っかかりがある」というような、結構こだわったことを言ってました。無料で診てもらっているのに、何か文句をつけているような言い方で、川口さんとやり合っているふうです。
 でも、その人の試し書きをした字を見たら、唖然! もの凄く上手い! 多分、書くことを生業にしているプロなのでしょう。だから万年筆の書き味には、人一倍こだわりがあるのでしょう。ササッと書いて、あんなにキレイな字が書ける。尊敬してしまいます。聡明な方は、みな字が上手ですね。見習いたいです。

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平和島骨董まつり

2016-05-04 01:14:05 | 骨董

平和島骨董まつりに行ってきました。

 「平和島骨董まつり」5月3~5日、東京モノレールの平和島流通センターで開催されています。初日の3日に行ってきました。

  本日の戦利品です。ちょっと少な目、今日はこの程度で収まりました。
 四角いクォーツ3本、筆記具を収める用の蓋つき桐箱、李朝青磁風の小皿2種4枚。

 特に買うものを決めて行ったわけではないのですが、頭の中に欲しい物リストがあって、それに反応した結果です。
 結局、腕時計は買ってしまうのです。

ー内訳ー
・腕時計 500円/本
・桐箱  800円
・小皿  300円/枚

 3本は、どれでも500円のジャンクの箱の中で見つけました。

 

 山本寛斎デザインの角型(レクタンギュラー)3針クォーツです。ベルトがとても良いもので、ほとんど使われていない状態です。(追伸:山本寛斎は好きなデザイナーでしたが、最近亡くなりましたね。-2020.11-) 
 もちろん動いていませんでしたが、電池交換(SR624SW)をすると、しっかり動き出しました。
 骨董まつりでは電池切れのクォーツは、有名な時計メーカーのものでなければ、ほとんどジャンクとして売られています。

 カルティエタンク風の2針クォーツです。リュウズにブルーの石?(ガラス?)が付いています。日付窓付です。

 

 これも似たデザインの3針クォーツです。同じくリュウズにブルーの石が付いています。針はブレゲ―ブルーで、石と同じ色です。この時計、繊細さには欠けますが、けっこう気に入っています。

 ブランド物ではないのですが、それぞれ個性的で500円にしては、よい買い物でした。

 私の腕時計を選ぶ基準は、結果として、
  ① 角型
  ② スモールセコンド
  ③ リュウズに石が付いている
  ④ アラーム付
  ⑤ それと針がブレゲ―ブルー
 選んでいる時計を見ると、これらの条件に反応しているようです。

 ちなみにこのブルーは昔、錆の発生を防ぐため塗装ではなく炎で焼成することで出来る酸化膜の色です。現在のブルーの針は多分、焼付け塗装だと思います。

 

 李朝青磁ふうの小皿です。淡い緑の灰釉がかかっていて、味わいがあります。高台を見ると、けっこう古いもののようです。これで1枚300円とは。
 平盃として、常温のお酒を飲もうと思っていたのですが底が平らなので、ちょっと違うかな。お刺身の醤油皿にでもしますか。

 

 

 グラスのコースター、受け皿として具合がよさそうです。
 同じ焼きのやや大きい小皿も買いました。こちらは、比較的新しいものかもしれません。

 平和島骨董まつりは、基本的に骨董商の集まりなので、やれ古伊万里だの唐津だの、李朝だ清朝の官窯だのと高い物を売ろうとします。私は、そのようなお宝には興味はないので、安い、でも使える物として魅力のあるものを探しています。そのような骨董好きもいるということです。

 

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セイコー5ACTUSの進み調整

2016-05-03 01:28:09 | 腕時計

セイコー5ACTUS21石の進み過ぎ調整

 またまた、時計の修理です。好きなセイコーの腕時計です。
 セイコー5ACTUS21石、自動巻き。しっかり稼働しているのですが、1時間に10分以上位進んでしまいます。テンプの調整を目いっぱい-(マイナス)側に回しても、進み具合はほとんど変化しません。まだ進んでしまいます。

 セイコー5ACTUS、シンプルな好きなデザインです。
 デイデイトです。文字盤の腐食は、ありません。わずかに埃が入り込んでいます。

 

 裏蓋を開けて、状態を確認しました。錆などは出ていなくて、キレイな状態です。テンプもしっかり振れてます・・・と言うか振れ過ぎているわけですがw

 

 自動巻きなので、まずローターを外します。中心部に穴の開いたカニ目ネジで受板に固定されています。そのネジとゼンマイ巻上げのローターは、ボールベアリングを挟んでスムースに回転する仕組みになっています。
 回転は非常に滑らかで、当たり前なんですけれど、
加工精度が凄いです。

 

 

 テンプを上から見ても、ヒゲゼンマイの状態は良く分かりません。
 外してみます。テンプ本体は厚みがあり、しっかり作られています。チラネジは、ありません。1960年ころからは、テンプにチラネジは無くなっています。テンプ本体の加工精度が良くなったのとヒゲゼンマイが温度による変化がほとんどない材質で作られるようになって、振れを調整する必要がなくなったためだと思います。

 

 ヒゲゼンマイは非常に長く、狭い間隔で巻かれています。テンプの振れがしっかりしているのは、そのためだと思います。
 テンプの加工精度も、タイメックスなどに比べるとレベルが違います。さすがセイコーです。
 ルーペで詳細に確認すると巻かれているヒゲゼンマイの隙間が、途中で不揃いな箇所があります。
 ピンをゼンマイの隙間に差し込むと、等間隔に戻りました。巻かれているヒゲゼンマイどうしが一か所、くっ付いていたようです。

 このピン(針金)は太さ0.3mmで、先端を丸くヤスリで削ってあります。ヒゲゼンマイの巻かれている隙間は非常に狭いので、ピンの先端を丸くして、間に入り易いように加工しました。
 このピンはテンプの状態を見たり、輪列を組むとき歯車の軸の位置を微調整するのにも使っています。

 ピンの先端を削ったヤスリも、小さくてきめの細かいものです。

 

 テンプを戻して、組み上げて完了。テンプの振れの緩急を調整して、時間の進み具合を調整します。

 セイコーの時計は加工精度が非常に高く、修理していてもとても楽しいです。と、すっかり時計屋さんになってます。
 先日、高校の同期の友達(女性)に、「そんなにたくさん持っていて、日によって気分で変えているわけ?」と聞かれました。答えに窮した。
 地元の馴染みのギャラリーで、今度時計展でも開こうか・・・理由になってないけど。

 今日、地元のお気に入りのホームセンターで、川口明弘さんのペンクリニックがあって、モンブラン146を持って行って、見てもらいました。万年筆、暫くご無沙汰なので、次はその報告をしたいと思います。

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