私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

私腹と自腹

2007-07-02 17:13:55 | weblog
自分の利益や財産を増やす意味で使われる「私腹を肥やす」と、他人の費用を自分が身銭をきって負担する「自腹を切る」とでは、金の貯め方遣い方に大きな差異がある。いつの時代にも人間はこの”金銭欲”の呪縛にとりつかれ金に溺れて晩節を汚し、自分の人生を台無しにしたケースが跡を絶たない。
6月28日在日朝鮮人総連合会(朝総連)中央本部の売買をめぐり、土地・建物の所有権を移転させ、不動産を騙し取ったとして元公安調査庁長官緒方重威(73)が詐欺容疑で逮捕された。今回の事件に関する限り朝総連は被害者の立場で4億8000万円余の金が支払われ、この内1億円余が緒方氏に渡っている。緒方といえばかつては仙台・広島高検の検事長まで上り詰めた検察界のドンで、退職後も弁護士としてまた上場企業の役員として広範な活躍をしていた。なにが彼の人生を狂わせてしまったのか。ここにも彼の私腹を肥やす執拗なまでの金銭欲の執念と呪縛が醜い形で見え隠れする。
また、6月29日は公務員に夏のボーナスが支給された。もちろん社保庁職員にも。このボーナスについては、安倍総理をはじめ柳沢厚労相、村瀬社保庁長官らが、支給額の全部または一部を国に返納するほか、同庁職員にも5~10%を自主的に返納するよう指示がなされた。いわゆる”自腹を切って反省せよ”との趣旨だが、この返納をもって責任を回避したりみそぎが済んだというわけにはゆかない。まして一時のパフォーマンスであってはならないのは当然で、この返納行動は「国民に不安と迷惑をかけた反省とこれからの取り組み姿勢の徴表行為」と受け止め、前記の「私腹を肥やす」行為より数段増しと評価し、これから先の真摯な取り組みに期待したい。

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