私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

出処進退

2006-03-03 00:59:15 | weblog
民主党永田議員の責任の執り方に端を発し「出処進退」が一躍クローズ
アップされ社会問題にさえなっている。
人生の様々な場面における出処進退。中でも最後の「退」にその人の生
き様真価が表れる。
老子曰く「功成り名遂げて身退くは天の道なり」誰しもこの世に生を受
けたからには名声を博し功を遂げることは望むところだが、その後に控
える「引き際」が難しくそのタイミングに悩むところである。
民間においても官界においても在任中は素晴らしい手腕と人柄と評価さ
れた人でも自身の引き際を誤ったばかりに晩節を汚し凋落の道を歩んだ
人のケースは枚挙にいとまがない。
1991.6長崎雲仙普賢岳が大噴火し、数10人の犠牲者が出る大惨事で火砕
流の流出が長期に及び混乱していた際、時の島原市長鐘ケ江管一氏は寝
食を忘れて災害対策から住民の生活補償まで陣頭指揮に当たった。
市民からは絶大の信頼を得、次期市長は無投票で同氏が続投との予想で
あった。ところが1年後の選挙の際突如現職県議が出馬した時同氏は決
断した。それはこの市長選挙には立候補しないことであった。
理由は「選挙運動によって復興の妨げとなる空白期間を作るべきではな
く、市を二分することは避けたい」と実に明快であり潔かった。
当然のごとく市民からは復活応援の電話が殺到したが、氏の意思は固く
少しのブレもなかったという。見事というか天晴れな決断、引き際は在
任中の功績をいよいよ輝かせる結果となり語り継がれている。
職を辞するには、自身及び部下の監督責任を負う場合と後進に道を譲る
場合のふたつの意味があるが、いづれの場合も「出処進退は自らが決め
る」ことが大切であってそれを他人に相談して意見を聞きながら決める
性質のものではない。まして今回のように処分は上司に一任などは三流
であって切腹を他人にやってもらうような卑劣な手段である。永田議員
は選挙民やしがらみにとらわれず辞表を提出し、リセットして出直すべ
きだった。

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