私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

93 蜂群崩壊症候群

2009-05-29 03:56:03 | weblog
風薫る5月を迎えて新緑が一段と色濃くなり百花繚乱の季節、万物躍動の感がする。これから夏に向う春は、冬を目前にする秋よりも私の好きな季節である。この時期、白いアカシアの開花を待ちかねたようにみつばちの大群が一斉に蜜の収集に忙しく飛び回っている。
大群と言いたいところだが今年は西洋みつばちの数が少ない。なんでもアメリカでは養蜂場から数十億匹のみつばちが短期間に忽然と消え去る「蜂群崩壊症候群」と名づけられた怪現象がおきている。有力な原因としてダニの一種の寄生虫がみつばちの免疫システムを弱めているらしいがはっきりしていない。国内にも同様な傾向が見られ蜂不足を生じており、輸入女王蜂やロイヤルゼリーにウイルスが混入していたことから輸入制限がなされ、これが蜂不足に拍車をかけ巣箱の盗難事件にまで発展している。
私も10数年前から友達とみつばちを飼育し蜜を採取している。西洋みつばちは、蜜ばかりでなくプロポリスやロイヤルゼリーといった自然の贈り物を届けてくれるありがたい蜂だ。場所によっては彼らをいちごやさくらんぼ等の交配手段として活用しているところもある。それほど人間の生活と係わり合いが深く、利益と恩恵をもたらしてくれる蜂の絶対数が減ることによって果物や野菜の生産に影響が出るとすれば由々しき問題だ。
古来から「蜂蜜」と「牛乳」は食物の原点といわれている。進歩も後退もせず人間と共生し続けてきたその社会性には脱帽しつつ、これからも愛すべき彼らの良き理解者、応援団として接していきたい。

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