私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

94 確  執

2009-05-31 03:21:55 | weblog
仏教界の大御所天台宗と真言宗が1200年の確執から解放され、和解の動きが具体化している。真言宗(空海=弘法大師)の総本山高野山金剛峯寺で来月開かれる「宗祖降誕会」(空海の誕生を祝う会)に天台宗(最澄=伝教大師)の半田孝淳座主が招待されて参拝する運びとなった。
元を正せば空海と最澄は、中国(唐)で仏教を学んだ留学仲間、ライバル同志で帰国後も交流を続けていた。お互い晩年に教えや修行を巡る考えの違いから確執が生じ、絶縁状態になった経緯がある。以来1200年間天台座主の高野山参拝は公式には確認されていない。
今回の訪問は、天台宗の半田孝淳座主と真言宗の松長有慶座主の交流がきっかけとなった。宗教協力の催しなどで席を共にする機会が何度かある中で親しくなり、半田座主側が訪問を打診、松長座主側が心よく承諾招待したもの。双方とも「過去はともかく交流を深めさせていただくことはいいこと」「宗祖に関連する行事に参拝していただきありがたい」と長年の確執は解消した感じで喜ばしい。
半田孝淳といえば昨年4月上田市別所の常楽寺の院主から91歳にして第256世天台座主に大抜擢された方でもある。和解してみればなんのことはない。今までの1200年の空白はなんだったのか。
一方、浄土真宗も江戸時代の初期、本山の本願寺が東と西に分かれ今もって東西本願寺として合併出来ないでいる。同様なケースは他にもまだまだあると思う。
これからも宗教が人を愛し、先祖を敬い、世界平和を願う崇高な理想のもと共通の理念をもって活動している以上、宗派や寺同志の対立や確執は避け慈悲に徹すべきではないだろうか。

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