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87 裁判員制度

2009-05-07 03:18:31 | weblog
一定の刑事裁判に国民から選ばれた裁判員が参加する裁判員制度は、刑事裁判の審理に出席して証拠を見聞きし、裁判官と対等に議論して被告人が有罪か無罪か、被告人が犯罪を行ったことにつき「合理的な疑問を差し挟まない程度の証明」がなされているかどうかを判断することとなる。こうした民間人が裁判に参加して審理する制度は、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ等先進国は既に採用されており、世界の潮流でもある。
その裁判員制度の開始がいよいよ目前に迫ってきた。今月21日以降起訴された事件のうち殺人事件等同制度の対象となる事件の1審はすべて、6人の裁判員が参加する裁判員裁判によって審理される。裁判の長期化を防止するのも本制度導入の一要素だっただろうが、通常の事件は短期間の審理で判決が下され問題ない。問題は被告が全面否認をし、証拠も乏しい事件の審理である。裁判員とて別に仕事をもっていれば長期間裁判の審理の拘束には耐えられない事態も生ずる。
先の最高裁で死刑が確定した和歌山市毒物カレー事件は、発生から結審までに10年余を経ている。また、先月28日起訴された京都府舞鶴市の女子高生殺人事件は、被告は一貫して無実を主張、証拠も乏しいだけに審理はもつれ、長期化することが予想される。両事件とも裁判員による裁判の適用はなかったが、こうした事件こそ国民感情が反映されるこの裁判制度で審理を尽くしてもらいたい。最近、犯人・犯罪の立証で全く問題のない事件についても、防禦権の乱用、過剰なまでの弁護活動や精神鑑定等異常な事態が散見されるが、本制度が良識ある裁判員によって健全な裁判制度が確立されるよう期待してやまない。

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