私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

万能細胞

2007-11-26 09:00:36 | weblog
京都大再生医科学研究所の山中伸弥教授らがすすめていた課題、ヒトの皮膚細胞からあらゆる細胞に分化できる「万能細胞」を作ることに成功した旨のニュースが11月22日報じられた。
これは成人の皮膚細胞に4つの遺伝子を導入して「人工多能生幹細胞」をつくり、これが肝臓や心筋、神経、筋肉、骨など約10種類の細胞や組織に分化することによって、将来再生医療に応用できるというもの。とりわけ糖尿病、心臓病、脊髄損傷の治療に効果的のようだ。
従来これに相当する「ES細胞」は開発されていたが、生命の萌芽である受精卵や精子を壊してつくるため倫理的な問題が生じ、これが実用化研究の大きな壁となっていた。
それに引き換えこの万能細胞方式は、倫理的な問題や医学的な拒絶反応がクリアーできることから夢の再生医療に道を開く画期的な成果とも言える。すでに国内からは「ノーベル賞級」との声も聞かれ、日本の医療技術が世界における再生医学の本命に浮上する可能性も出てきたものすごいことである。
これから先研究を進めるうえでの最大の課題は安全性の確保だという。製造過程でガンに関する遺伝子やウイルスを使うため発ガンの危険性やクローン人間を作ることも原理的に可能なことから別の問題も生じかねない。
そうは言っても折角世界のトップに躍り出、多くの患者に期待と福音を与えるためにもこの大事業国を挙げて応援したいものである。あまり規制ばかり先行してそれが研究の障害となって、実用化が遅れることのないよう強く望みたい。


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