私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

88 一年忌法要

2009-05-11 08:39:20 | weblog
風薫る快晴の5月10日(日)は母の日だった。私にとってこの日は忘れることのできない悪夢の日である。昨年5月10日日赤病院に再入院(5/2日)した兄貴が肝臓ガンのために再び帰ることなく天に召された日でもあり慙愧の日でもある。
病院のベッドで朝から苦しみ「5月10日はおふくろの命日だ」「おふくろが呼んでいる」「早く逝きたい」と生死、幽明の境をさまよい午後3時37分75年の素懐を遂げた。太く短くも多くの人に惜しまれて逝った大往生である。連休明けでなにかと多端な日にもかかわらず命日に一年忌法要を計画したところ、生前ご厚情をいただいた友人・知人を含め37人ものご臨席を賜り挙行することができた。
昨年暮れ完成したお墓に近親者のみで納骨を済ませ、市内の料亭に場所を移して法要を営み、愚弟の私に司会進行の大役がまわってきた。読経、献花、法話、献杯と進み、故人の思い出、エピソード、人となり等5人の友人からの心のこもった思い出話、吟詠(別れの詩)の披露をいただき、改めて故人の存在と足跡の大きさに感嘆した次第である。彼は職場にあっては努力に努力を重ね、トップの地位まで一直線に山を直登した感がある。もう少しゆっくり細く長くそして遠回りをしながら生きて欲しかったが、今となればそれも叶わない。賢兄愚弟と言われる所以かもしれない。既に星となり風となった故人には世界的に有名な「別れの辞」(乃木希典)を贈り、この一年忌に在りし日を偲びたい。
「われわれは今別れる/しかし、別れるといってもわれわれは星のようなものだ/なぜなら、夜があけると暁の星は見えなくなるけれども、お互いは見えなくとも/お互いがそこにあることを知っている/だから、決して離ればなれなのではない/われわれもかくのごとき間柄なのである」      合掌