私はヤゴです

水中から地上へそして空中へ飛び立つ人生を

宮本顕治

2007-07-23 09:01:25 | weblog
7月18日日本共産党元議長宮本顕治氏が、都内の病院で老衰のため死去した。享年98歳。
宮本といえば半世紀にわたり日本共産党の指導的地位にあり、非公然活動をはじめ「中ソからの自主独立路線」「民主集中制」等彼の周辺には暗いイメージばかりがつきまとう。
宮本は党内の権力闘争にあっても、自分とソリの合わない野坂参三(元議長)の査問をはじめ徳田球一、袴田里見、志賀義雄といった著名な側近同志を、民主集中制の名のもとにまた自己保身のために容赦なく次々と除名、抹殺している。
共産党の過去をみても、「天皇制を打倒せよ」とするコミンテルン(国際共産主義運動組織)のテーゼをいち早く信奉したのは宮本であり、革命の手段も平和的か暴力的かは敵の出方次第だと公言してはばからなかった。また、旧ソ連共産党、中国共産党の指導をきっぱり拒否し、自主路線で「民主連合政府構想」を掲げて共産主義社会の建設を目指し行動した宮本ではあったが、賢明な国民はついぞ彼に国家権力を与えることはしなかった。
「歴史は、思いやりに満ちた人物よりも、酷薄と評判だった人の方がどれだけ民衆を団結させ、彼らの信頼を獲得し、秩序を確立したかを示してくれる」(君主論)は、まさに独善、カリスマ、非情なまでの宮本の生きざまと合致、符号する。
参議院選も後半戦を迎え熱を帯びてきたが、宮本亡きあと「たしかな野党」を唱え、宮本の洗脳を受けた志位共産党に国民がどのような審判を下すか興味はつきない。