日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 9月 7日】

2006-11-30 06:57:10 | Weblog
《芋煮会》

 朝6時、合図それとも景気付けかな?キット両方でしょうけど、花火がドン、ドドン、ドンと上がった。なんだか、福山競馬の花火と同じ音なので懐かしい。
 テントから自転車で会場へ向う、雨具と酒とを持参だ。
人・人・人・人
 もう大勢の人が集まっている。さすが「日本一の芋煮会」だ。
 直径6mの大鍋、普段は近くの土手の上に置いてあり、数日前に河川敷に移され、綺麗に清掃もされ、開会式を待っている。
 開会式には、関係者が集まり、今年は水にこだわっていると言うことなので、月山の湧水を汲んで来たのかと思いきや、比較的良い水の近隣町の水道水とのこと、がっかり!だぞ~!
 式が終わり、鏡開きも済み、いよいよ煮炊きが始まる。ここ山形では今が最盛期の里芋3㌧をトラックから、5kg位の袋を手渡しリレーで、10人ほどが並んで、鍋に次々と入れている。次は肉、肉は1、2㌧はバットに入れてあり、これもリレーでどさっ、どさっとひっくり返している。酒50升も次々と入れられ、醤油700㍑、こんにゃく3、500枚。ネギ3、500本、砂糖200kg、そして水6㌧と、材料全てを入れると、クレーンに吊った蓋を下ろす。後は煮えるのを待つのみ、何しろ、三万食なのだから、すごいものだ。
クレーン車で蓋の開閉
 火番の人は汗だくだくでやっている。

 メイン会場の舞台では、子供の太鼓やバンド演奏、自衛隊の力強いソーランヨサコイなど色々なもようしものが行われている。人はどんどん増え、もうすでに、配布の順番待ちで並んでいる人が大勢いる。並んでいても、途中で、なくなればそれまでだから早くから並んでいる。
 この大鍋の「芋煮会」の芋煮を戴くためには、¥200也でチケットを購入、半券が抽選券になっている。
 今年は運動会などが重なり、参加者が少ないそうだ。が、それでも、すごい人数で、広い会場にあふれんばかりの、人、人、人。
土手も鈴なりの人
 やはり、山形市民よりも近隣諸町村の人が多いようだ。山形市民は返って自分達でこじんまりと楽しんでる風情もある。

 今朝も泊地の隣のグランドでソフトボールやっていたけど、後で芋煮会をするんだと駐車場の世話をしていたお嬢さん、うれしそうに話してくれた。それくらい、ここ山形では芋煮会は市民に浸透し、楽しみにされている。春の花見、秋の芋煮会、好いことだ。
 これだけ人が集まるから、色々な企業がPRに余念が無い。それがより一層会を盛り上げている。互いに活用しあって良い結果を生んでいるようだ。そう言う意味から言っても、皆が協力し合うことは、非常に良いことで、今年は自衛隊も初めて参加し、架橋の訓練と市民へのPRをし、やはり、自分たちでも、芋煮会を楽しむようだ、さすが自衛隊直径1mも有りそうな大きな鉄鍋を洗っているのが上の道路からも見てとれた。

 11時頃、私も並びに入り、それでも後から後から、次から次と並ぶ人が増え、11時半、出来上がり、味見役の人が『美味しく出来上げあがっていま~す!』と、宣言し、ショベルカーで掬い取り、直径1mほどの子鍋に移し、発泡スチロールの丼に盛られ、皆への配布が始まった。
二台のショベルカーが大活躍
 大体は手ぶらで並び、用意されている発泡スチロールの器に盛られたものを戴くのだが、時々、鍋を持っている人がいる。聞いてみると、数人で来てて、皆のチケット分を鍋に入れてもらい、それをグループでわいわいやりながら、食べるのだそうだ。これも楽しい方法だ。
 やっと順番が来て、戴いて川原に腰掛て、いただきま~す。
 今日は特別な日だから昼からビールや酒を飲みましたよ~ん!

 目の前に母娘が座った。それぞれに芋煮を食べ、袋を広げ、フライドチキンをほおばりだした。次はミルクコーヒー片手に、今度はチョコレート菓子が出た。お母さんが立ち上がって、パンを買って帰ってきた。よく食べるものだ、顔だけでなく、体形も当然、母娘そっくりで当然しっかり丸々と肥えている。食べることしか興味が無いのだろう。口が欲するままに、口に与えているのだ。人間は耐えることが必要なのに、己の欲望のままに、口を満足させていると、肥えるだけでなく、後で必ず病気になるし、自分にとっても良いことにはならない、と言うことがお分かりでないようだ。あ~あ!
食べっぷりがご立派?な母娘
 アルコールが回り、ほんのり気分良くなった所で、回りを散策しながら、ボツボツ帰ろうかと抽選会場へ一枚持参、何と4等、マイタケ1kgが当たった。びっくり!一応持ち帰り、一人では食べきれない、山形のこと色々教えていただいた、山田さん(仮名)に半分あげよう。と、思っていたのに、夕方会ってる時は話に夢中で、忘れてしまっていた。
 今夜も二口橋の近くで泊まる。明日朝、山田さんに逢えれば、マイタケをあげよう。
《二口橋近くの河川敷泊》

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 同 【2003年 9月 6日】

2006-11-29 06:03:05 | Weblog
《子吉川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備 考
23 子吉川 61(内約12) 長瀬橋傍西滝沢小学校 安楽温泉の近く 中易 鉄道橋の橋脚最右の左寄りを

 朝、目を覚ますとテントはグショグショ。夕べは暗くて気がつかなかったが、テント張った場所は、この河川敷の道路の鉄橋の下なので、一番低くなっている場所、即ち、道路に降った雨が集まってくるところ、そこにテント張ったのだから、濡れるはず、ダンボールをひいていたので、それでも大分助かったけれど、兎に角、グショグショ。早々に、テントを片付け、下見にスタート。
 先ずは上流へ。「こまち」さんにお聞きした、黒沢駅の近くの鉄道橋の下の難所を見る。丁度、少し上の道路端に広場があり、歩いてすぐ近くまで行けるのだが、木がじゃまをしてて、十分な下見は出来ないけれど、まあまあ大体のことは見える。観察では右岸と橋脚との間が一番良さそうだ、が、後は下ってきた時、観察しよう。この鉄道橋の上流には赤い橋がある。だから、赤い橋が見えたら、鉄道橋がすぐ下にあることが分る。

 次は、国道108号が渡る「長瀬橋」のところ、西滝沢小学校(来春閉校)の校舎とグランドの間を通過して川面へ降りれる。と、お聞きしていたのだけれど、どこでどう間違えたか、そこより少し上流で、畑の中の変な・難しい場所へ来てしまい、降ろすのが難しい。でも、何とかここから降ろせそうだと言う目星はつけておいたが、どうも腑に落ちない。ままよ、と減量したくなり、国道へ出て、少し走るとコンビニがあり、借用。朝食も済ませ、長瀬橋へ戻ると、学校が見えた。曲がるとグランド、その間の道をとろとろ進むと川面へ道が落ち込んでいる。『ここだ!ここだったんだ!何と先ほどの所は間違っていたんだ。何だかおかしいと思っていた。』と、納得。
 早速、カヌーを草むらへ降ろし、水量調査にため、水面の位置を印しておいた。

 さて、今度は上陸場所。先ずは一番下流の「ボートプラザ、アクアパル」を見に行く、ここではカヌーやボートの練習が盛んで、若い男の子や女の子もやっている、立派な選手が出て、それで後に続けと一生懸命に練習しているのだそうだ。良いことだ。うらやましくもある。
 が、今日は猛烈な風が吹いている。この風に向って下ってくるのは大変だなぁ。

 閉校直前の西滝沢小学校横をスタート、1255。
 朝、印をつけていた水面より、3cmくらい水位は下がっていた、でも、まだ水量は充分に多く、濁流でどんどんと流れている、スタートの周りは結構波立っていて、所々には白波が立ち、楽しい流れ、速さも早い。楽チン楽チンと進む。鳥達もまあまあいて、カモがクウェー、クウェーと鳴いて、飛んで逃げる。そうこうする内に赤い橋が見えた、さあいよいよ子吉川の難関、鉄橋が近い、鉄橋も見えてきた、どんどん近づく、立ち上がって見るが落差が大きく下までは見えない、兎に角右岸よりに進もう、またぎりぎりの所で立ち上がり見るが、曇り空でもあり、少し暗く、十分には見えないけれど、橋脚のすぐ脇へ突っ込んだ、よ~し、行った、何ら問題なくするりと下ってしまった。楽勝~!やれやれだ!ほっと一息!

 後は問題ない、ゆったり気分で、下る。突然、すぐ前の草陰に一羽の真っ白い鳥の首、まさか鶴?それは無い、チュウサギが飛び立った。その後、真っ黒いからすが同じ所から飛び立った、デイトでもしていたのかな?それは無いね。と、その後、黒の集団が飛び立った4,50羽だ。びっくり!真っ白いチュウサギが真っ黒いカラス4~50羽に囲まれて、大丈夫だったかな?なんて、変なこと考えちゃたりして…。
 1437:ゴール。

 そそくさと、カヌーを片付けて、いよいよ、山形へ向けて出発だ。明日は待望の「芋煮会」今日の内に何とか山形へ入りたい。108号線を先ず自転車を取りに寄り、積み込み、そのまま南東へ進む、山越えの道、『川も良いけど山も良いから、』と、「こまち」さんに薦められていたので走る。こまちさんが言われたように、山が中々綺麗だ、木の形も良いのが見れる。鳥海山は霞の向こうで見えないまま通り過ぎ、山道をどんどんと進む、最近はどんな山道でも道路はすごく良くなっている。なりすぎているとさえ感じる場合もあるほどだ。
 ついに秋田を過ぎ、山形に入った。真室川音頭の真室川町を過ぎ、やっと新庄市、でも、まだ、まだ、山形は先だ、遠い~!
 ついに、東根の文字、将棋の駒の天童の文字も見えた。いよいよ山形が近い。山形市へ入る、私のルーツ青柳の文字も見えた。ナビは「千歳橋」に合わせていたので、すぐ下の駐車場で草の上にテントを張る事ができた。やれ、一安心!さあ、いよいよ明日は芋煮会、待望の芋煮会だ。
 兎に角、順調に、不思議なほど、誠に順調に、ここまで来た。ついていた部分もすごくあった。また、大勢の人の心に助けられた。皆さん、ありがとうございました。
《千歳橋近くの駐車場泊》

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 同 【2003年 9月 5日】

2006-11-28 05:21:12 | Weblog
《雄物川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備 考
22 雄物川 133(内約10) 支流、皆瀬川の雄平橋 新雄物川橋 中易 大河の様相でとうとうと流れるが、一箇所は要注意

 早朝、出発準備していると野田さんが来られて、また暫く話をしたが、『そうだ、これ持って行きな!』と、大きなりんご。『今、青森から来たという人に、鮎の釣れる場所教えたら、下さったんだ。』と、言われた。 昨日お宅を尋ねたけど、分らなかったと話し、私が覗いた家のもう一つ奥の家だったそうだ。
 お世話になった、楽しかった、秋田美人にも会えた、二ツ井町を発ち、一路、雄物川めがけて、大曲市へ。が、どうもまだ川が大きすぎる。地図を見ると、上流に雄物川町がある、『よし、行ってみよう!』だったら、役所で情報を戴こうと、町役場へ、2Fの建築課へ案内されて、上がっていると、下から『カヌーの人?』と、言いながら駆け上がって来られた人、『私はこの辺のカヌーの世話をさせていただいている、菊池と言います、カヌーのことお話できますので、どうぞこちらへ。』と、談話コーナーへ案内していただき、雄物川地図をコピーしてくださり、きちんと、そして詳しく、お教え戴き、過去これほど良い情報を下さった役所はなかった。やはり、カヌーの事務局しておられるだけはある。『今度の日曜日に、皆と米代川へ行きますよ。』とも言っておられた。
 雄物川を行くには、この辺りでは、先ず、皆瀬川の「雄平橋」をスタートするのが良い、とのこと。

 下見を兼ねながら上流へ、雄平橋すぐ下の右岸にカヌーを置いておき、上陸予定地の「新雄物川橋」少し下流の右岸へ車を置き、自転車でカヌーの待つ雄平橋へ急ぐ。

 出発準備していると、カヌーを2ハイ積んだワンボックスカーが着いた。『あぁ、彼らも下るんだな?丁度良い、一緒にくだろう。』と、思っていたら、男性が川原へ降りてこられた。『こんにちは、下られるんですか?』 『こんにちは、はい、これから新雄物川橋まで行く予定です。この川のことお教えいただけませんか?』 『今日は水も多いから、難しい所は余り無いのじゃないですか、ただ、普段はもっと綺麗なんですけど、今日は水が濁ってますから…。玉川が綺麗なんですよ!』 『玉川と言うと大曲で合流している川ですね?』 『そうそう、もっと上流の田沢湖から流れてるんですけど、そこからが綺麗なんですよ!ぜひ行ってください。』 『それは良いですね。でも、実は9月7日に山形の芋煮会へぜひとも行きたいので、この後、子吉川にも行かねばならないので、残念だが時間が無いんです。』 『それは残念ですね。子吉ならぜひ、喫茶「こまち」、へ行ってください。秋田小町のこまち、ひらがな、川の側だから…。カヌーの大御所がいらっしゃいますから、情報が沢山聞けるでしょう。』そんな話していると又一人来られた。『橋を渡っていたら、カヌーが見えたんで、あんたの車も見えたしで、Uターンしてきた。』 『わしもさっき、橋からこのカヌーが見えたので、Uターンしたのよ。』と、やはりカヌー仲間、気になるから、また、話も出来るから、下りて来てくださった。うれしいことだ。先の人は高橋さんと言い、十文字町で「又鬼料理店」をやっておられ、カヌーのベテラン。後から来られた方もカヌーに再々乗っておられ、「子吉川にも先週、行ったばかりだ」言われる。
 『雄物川は危ない所はまあ無いけれど、川が道路ヘ向って流れている所が一番やばい所かな?前、わしが沈したところよ。』 『あぁ、そうだな、あそこはその後が渦巻いてるし、まああそこくらいだな。』自転車をカヌーにしっかりくくりつけておこう。その道路へ向って流れこんでいる所では十分に気をつけなければならないぞ、と、自分に言い聞かせ、高橋さん達にお礼と別れを告げた。

 1423:スタートからすぐ、小さな瀬、次々と小さな瀬が続き、楽しい。小さいけれど瀬は多い方だ。
 鮎の釣り師も結構沢山居られたが皆、紳士・良い人達ばかりで、わずかな話しか出来ないが、互いに声掛け合って下って行くのは楽しいものだ。
 全体の三分の二くらい下った頃、今までより大きな瀬の音、立ち上がって見るとなるほど早い流れ、だが流れの幅は十分あり、それほど難しい瀬ではない。ここは水量が少なく、瀬の幅が狭くなっていると、危険度が増す所のようだ。見ると丁度、正面が道路の岸壁、そこへ流れがまともにぶっつかり、右へ大きくカーブしている。その先は渦を巻き、湧き上がり、反流が起こり、小さいカヤックにとっては翻弄されるのだろうが、カナディアンにはその翻弄されるのも面白く、水流に任せ、パドルを上げて、く~るくるくると回って楽しんだ。
 1557:着。なお、雄物川橋真下左岸が上陸OK!また、雄物川町沼館橋右岸でも上陸OKだ。

 雄物川を終え、本荘市へ向う。高橋さんにお聞きしていた、喫茶「こまち」さんへ先ずは尋ねた。もう、暗くなり始めていた。丁度お忙しい時間で申し訳ないのですが、「こまち」の小松社長さん、この地区のカヌークラブの代表をしておられ、市や県のカヌー協会の理事も勤めておられる。そのお忙しいにもかかわらず、それも、わずかいっぱいのコーヒーで、沢山の情報をお教えくださり、感謝しきりだ。お別れしたのは8時も回っていただろう、雨はじゃんじゃん降っている。テントの場所も決まっていない。どこにしようか?運動公園が良いか?川原が良いか?迷いに迷い、運動公園へ向ったが、余りに雨が降りすぎるので、この雨の中でテント張るのも辛いからと、川原の鉄道橋の下へ行って見るが、ここも草地は少なく、余りにも水みずしい。見るとアスファルトの道路のすぐ向こうには通行止めのポールが立っている、と言うことは車は絶対に通過しない、だったら、この道路へテント張っても大丈夫、と結論。雨も落ちない。よ~し、ここだ。
《子吉川鉄道橋下道路上に泊》

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 同 【2003年 9月 4日】

2006-11-27 04:03:59 | Weblog
《米代川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備 考
21 米代川 136(内約17) 早口河川公園 坊沢大橋手前  易  

 早朝、車が一瞬止まり、また、走り去った。
 今日は風がきつい、いやな予感がする。

 朝食を済ませ、出発の準備中、犬の散歩のご婦人、また、声を掛けてくださった。『よく寝れましたか?』 『おはようございます。あぁ、夕べのお方?あれ、昨日とワンちゃん、違いますね。何匹飼っておられるの?』 『3匹よ!』 『わおー!散歩だけでも大変ですね。』 『そうね、でも、可愛いわよ~!夕べのご馳走何だったの?』 『秋田へ来たからには、やっぱり「はたはた」を焼きましたよ~。でも、昨日、スーパーで買ったの韓国産でメスで子がいっぱい入っていたので、楽しみだったのですけど、はたはたの子は硬くて、ぷつぷつしてて、今一でしたね~。』 『そうよね、卵、硬いわね~。美味しい食べ方はあるけれど…。しょっつるって知ってますか?』 『聞いたことは有るけど、食べたことは無いと思うなあ。』 『美味しいのよ~』 川から帰ってきた車が止まった。『日本一周してるんかね。面白いね。川下り?何で下るんかね?』 『カヌーですけど、実はカヌーは早口へ置いてあるんです。それで川下だりするんです。』 『カヌーかね、早口へ誰か居るんかね?』 『いえ、誰もいません。私一人ですから…。』 『一人でやってるの?』 『はい、一人です。』 『早口へどうやって行くのかね?』 『自転車で、』 『えっ、あっ、自転車?そりゃ大変だ!』 『イエイエ、カヌーだけでなく、自転車も楽しんでいるんですよ。』 『へー、そんなもんかね~?』 『そうそう、昨日言っていた、写真撮らせていただけませんか?』 『じゃあ、二人、一緒に並びましょう。』パチリ。
親切にしてくださったお二人さん
 『私はご飯の支度があるから、これで失礼します。頑張ってくださいね。』 『ありがとうございます。米代を楽しませていただきます。』 『わしの家、すぐそこだから、後で来なさいよ。』 『ありがとうございます。どこですか?』 『あそこの大きな木があるだろう、あそこだ。この土手行くと一箇所だけ駐車場がある、そこだ!』 『分りました。ただ、正確な時間が約束できませんので…。』
 この野田(仮名)さんが今朝一瞬車を止められた人だと理解できた。「日本一週川下り」の文字がやはり気になられたのだろう。

 愛艇の待つ、早口めざし、出発。二ツ井から早口まで距離があるから、少々きついが頑張るより無い。
 2時間弱、やっと到着。自転車は土手の上の木に番をしてもらう。
 カヌーも、勿論無事だった。『あれ、カヌーポートが池になっている。』夕べの内に水が少なくなり、湾口が陸になったのだ。 数人の釣り師が雑談している。
 その池にカヌーを浮かべ、ロープを引こうとしていると、一人の釣り師、その池にジャブジャブ入り、『引っ張ってやろう!』とカヌーを引いてくださった。『ありがとうございます。』と、言ってる最中、『おっ、鮎だ。好い型だ。』手づかみしようと両手を突っ込んだ。この小さな池の中に鮎が閉じ込められていたようだ。他の一人は網を出した。鮎釣り師はさすがに鮎を見ると目の色が変わるようだ。

 スタートするとすぐ下側で、3人が竿を振っていた。急ぎ、沖出しし、竿からはるか離れて通過した。
 ここから、二ツ井町銀杏橋の河川公園まで29kmもある。風は向かい風、きついぞ~!さあ、頑張ろう!
 米代は「旅本」に出ているので、下見もせずに楽に行けるが、「大巻の船場跡」や「長坂の瀬」「水制」など注意場所や事項も出ていてありがたいものだ。

 雨の多い今夏、米代川も水量が多く、黄河の様相を呈しているけれど、おかげで流れは多く楽だ。これもありがたい。
 トロ場に入って、川辺でごそごそ音が聞こえ、草がゆれている、カモ達が陸から草を分けながら、親について子供たちも水面へ降りてきた。が、こちらのカヌーに気がついて、また、来た道へ上がって行った。まだ、子供が幼くて飛べないから、岸へ上がって行ったようだ。こんな様子を見せてくれて楽しい。
 それにしても今日は風がきつい、向かい風だからコントロールがうまくきかない。二ツ井までは大分遠い、今のペースで行けば、6時着。それでは遅すぎる。と言って、鷹巣では近すぎるけれど、鷹巣過ぎたら、二ツ井まで上陸地は無いと早口で釣り師に聞いている。野田さんのお家へも行けない、ただ、自転車も無い、鷹巣は国道筋からも離れているので、二ツ井まで行くのに楽ではない。ヒッチハイクするかな?それも面白い。止まってくれれば良いけど、こんなおっさんを乗っけてくれるお方が居られるかな?ここが思案のし所と色々考慮した結果、一寸早いけど、鷹巣で上がろう。いや、上がるべきだと結論!

 鷹巣着。鷹巣は大太鼓の古里、道の駅「たかのす」には直径3、8mもの大太鼓があるそうだ。牛の皮だから大きな牛を育てることから始めたことだろう。各町内が祭りや雨乞いに大太鼓を使い、競い合って、どんどん大きくなり、ギネスブックに、認定されるようなものまで作ってしまったそうだ。
 さすがに今日は疲れた。今まで、沢山の川を下ってきたけど、余り疲れを感じたことは無いのだけれど、今日は疲れた。カヌーを上げて、濡れた靴をグチャグチャ言わせながら、土手へ向う。近くで工事が行われている、ダンプが見える。良かった!人が居る。
 土手に着くと丁度すぐ近くに、ロードナビゲーターがいた、何と若い美人、確かに最近は女性の人の仕事になっている、あちこちで見かけているが、こんな別嬪さん始めてだ、こんな人だったら、運転手さんもうれしいだろうなぁ!

 『一寸お聞きしたいんですけど、電車かバスに乗れるところへ行くにはどう行ったら良いのでしょうか?』 『私はよく分らないから、知ってる人に聞いてみます。』と、無線で尋ねて下さった。『その人がこちらへ来られますので、直接、聞いてください。』表現は以上だが、可愛い秋田弁が混じり楽しい。
 藤原さん(仮称)がこちらへ来られ、『お仕事中、わざわざ、おいでくださってごめんなさい。』 『あぁ、良いよ、良いいよ!ここからは30分以上かかるな?あー行って、こう行って、こう行けば、鷹巣駅へ行けれる。』 『電車の回数はあるんですか?』 『いや、一時間に1本位だから、一寸待ってよ、』と、電車の時間を事務所に無線で尋ねて下さった。『2時過ぎの次は4時過ぎ、今からだと4時にしか間に合わない。』藤原さん、向こうへ行かれる。ナビ嬢『車で送ってくださるそうよ。』私『んだか?』ナビ嬢『んだ!』 『それはありがたい。うれしいなぁ。』
 藤原さん『さあ、乗りなさい!前山駅の近くまで送って行くからそこから歩いて10分ほどだから、2時17分に間に合う。17分だよ!』と、車中での話。『仕事中なのに、申し訳ありません。』 『こちらを通れば見つからないから、…。』と、裏道を通って連れて行って下さった。 駅まで歩いて10分の信号の所で、お別れし、お礼を言い、そこからは懸命に歩いた。
前山駅
 無人駅、前山へ着いたのは、7分前。切符は売っていない。どうするんだろうか?どちらのホームか分らない。駅で工事している人に教えてもらう。 電車が入ってきた、ドアが開かない。見ると「押す」の文字。ボタンを押してみた。ドアが開いた。自販機のチケットを抜き取る。『この辺ではこんなにしてドアを開けるんだ。』車内には数人が乗っているだけだった。ドアのところを見ると、車内側では、「閉」と「開」がある。色々考えてみた。下りる時には、「開」を押す。では「閉」はいつ使う?人が降りた後、中の人が閉める?人がいないときどうなる?おかしい。そう言えば自分が乗ったとき、誰もドアを閉めなかったが、閉じた。閉じるときは車掌さんが閉める。でないと危険だもんな。では、なぜ「閉」がある?疑問だ!不思議だなぁ?考えた。
 ・・・・『そうかっ!わかった!』はたと気がついた。あなたは分りましたか?『そう、ここは雪国!寒い!そんな時、車掌さんがドアを閉めるまで、ドアが開いていては客は寒くて困る。だから、必要なくなったドアをすぐ閉められるように、それぞれに内側に「閉」ボタンがつけてある。キット正解だ。なるほどっ!』と、感心した。また一つ賢くなった。

 二ツ井駅着。駅前の地図、駅からまっすぐ行くと土手にぶっつかる。それを右へ進めばテントが待っている。
 駅前は商店街、夕べの「はたはた」は駄目だったので、「生を」と思っていたので、「鮮魚」の看板、はたはたがあるかな?と覗いたら、『あった!やった~!今夜は美味しい「はたはた」が食べれるぞ~!』と、思ったが、今は歩きだから、買えない。後で、車で来よう。
 大きな木!駐車場?の前を通り、野田さんの家辺り『この辺だな』と確認しておいた。

 やっとテントの待つところへたどり着き、今度は自転車を取りに早口へ戻る。
 自転車を積んで帰る途中に、先の魚屋さんへ寄ったところ、はたはたは売り切れていた。「がっくり!」仕方ない、今夜はサンマにしよう。
 野田さんちらしき所へ行くが結構家が沢山あり、お名前聞いていなかったので、確定できない、聞くこともできない。仕方なく帰り、夕食の準備をしていたら、可愛い声で『こんばんわ、「しょっつる」娘の所で作った試験品だけど、食べてみない?それから、冷たい梨、みょうがは好き?美味しいから食べてご覧。』と、沢山下さったのは、あの秋田美人の吉永さん(仮名)だ。『えっ、嫁がれているほどの娘さんがいらっしゃるの?』 『孫もいるわよ!』 『え~、ウソー、信じられないな~?若いおばあちゃんですね~!』 『うまいこと言って!』 『いえいえ真実ですよ。それは恐れ入ります。遠慮なくいただきます。ありがとうございます。私から何も差し上げるもの無いので、申し訳ありません。』 『そんなこといいのよ。元気で、頑張って一周してくださいね。』 『はい、楽しく、頑張ります。ありがとうございます。』
《二ツ井河川公園泊》

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 同 【2003年 9月 3日】

2006-11-26 05:59:53 | Weblog
《移動》

 昨日、古川さんに聞いていた、板柳の温泉、7時から開いてるとのこと、早速一番風呂のつもりで早朝に行った、が、自動車が来ていない、誰も来ていないようだ。自分が時間を聞き違えたんだと、PC打ち込みながら待つ。8時になった。その少し前から、従業員らしき人が次々と裏口へ行っている。ようやくPCもキリの良い所になったので、温泉に入ることにし、入り口へ。どうも様子が変、『おかしいなぁ?』と、思い、制服の別嬪さんが通ったので、『風呂へ入いりたいんだけど、どちらですか?』 『あ、それはこちらです。この向こうに、丁度、木の陰ですけど、あの木の向こう側に温泉があります。すぐそこですから、歩いてもすぐです。』何と、建物が違っていたのだ。私はこちらの建物の名前を聞いていたので、こちらに温泉があるものとばかり思っていたら、温泉は別棟だったのだ。

 行くとすでに大勢の人が入っている。それにしても朝風呂に入り、ゆったり気分になるなんて、『まるで、私も小原庄助さんだ。身上潰さないようにしなければ、』と、言ったって、私には身上なんて元々全く無い。もう、先から潰れて待っているようなものだ。
 それにしても、朝早くから、風呂に来ている人が多いなぁ、今、全国どこでも温泉があり、500円前後の所も多く、朝でも昼でも、お年寄りばかりでなく、若い人も沢山入っている、不思議な世の中になっている。ただ、以前は、「昼仕事して、夜は寝る」と、言うのが普通のことだったが、今は世の中が複雑になり、24時間社会は動いている、夜中でも、日曜日でも、仕事をしている人が沢山いるので、若者が朝風呂に来るのも、別に不思議なことではないと、考えた方が無理が無いことだろう。
赤くなったりんご
 昨日、岩木川にも沢山のリンゴが流れていたけれど、この辺りはリンゴ畑が続いている。色々な品種があるらしいが、私にはどれが何やら解らない。木によっては真っ赤になっているものやまだ青々としているものもある。この真っ赤なリンゴはもう収穫直前かな?
 さて、今日は弘前だ。弘前は、親父の生まれ故郷、祖父は、次男だったから、山形の青柳を出て、軍隊に入り、弘前隊へ所属、あの「八甲田山遭難事件」後の救助・捜索に行った。と聞いている。この事件が明治35年だから、親父はまだ5歳の子供だったことになるので、後に聞いたのだろうことは当然のこと。ただ、我々には、ほとんど何も教えられていない。もっと聞いておけば良かったと思っている。

 そう、あなたもあなたの知らない幼い時代のこと親から沢山お聞きしておくことお勧めです。また、同じように、あなたの子供には、その子が知らない幼い頃の話を沢山聞かせておくことお勧めです。この幼い頃の話、聞かせておくと子供は良い子に育ちますよ、絶対に!
 夕べの「べんけい」でも、話が出たのだけれど、「青森の自衛隊へ行けば、おじいさんの何かの手がかりがあるだろう」「弘前の自衛隊でも分るかもしれない」「八甲田事件の資料館が良いだろう」等など。

 で、弘前へ行って、先ずは、青森の自衛隊へ電話、『それはここには無いので、弘前の自衛隊が良いでしょう。』と。で、弘前自衛隊へ電話、『遭難者のことは沢山の資料があり、ここにも展示室があるが、捜索隊の資料があるかどうかは分りません。分る人が今外出しているけれど、暫くすると帰るので、また、お電話下さい。』 『では、そちらへ参ります。』 『では、入り口受付で、「広報室へ」と、言っておいで下さい。お待ちしています。』と、親切なお言葉。ナビで向う。30分ほどで到着。入り口にも連絡してくれていたので、話は早い。広報室へ行きかけると、若い美人が走ってこちらへ来られる。先ほどの広報のお方。『ご案内します。私、走っていきますので、車でついて来て下さい。』と、言い、やはり走り出した。驚いたね~。運動靴じゃなく、皮の中ヒールの事務靴でバンバン走っていく、坂道も走る。さすが自衛隊員、事務系の人も皆一応に鍛えているんだ、と感心する。

 先ずは、展示室へ案内され、当時の写真や遺品、服装、等など、新田次郎の「八甲田山死の彷徨」にもあったと思うが、『青森隊は遭難したが弘前隊は精鋭主義で、少人数、事前に岩木山で練習し、通過各地の人に案内を頼み、民家に泊めてもらいながらの行軍だったので、あの猛吹雪の中にもかかわらず、事故なく、全員無事、自力帰還したのだそうだ。現在では、この弘前隊と青森隊の行動の差を企業が新入社員の研修に活用している所もあるそうです。』そんな話もお聞きしながら、昔の資料を見せていただくが、祖父の名が出ているような資料はなく、詳しい人もお帰りになられたが、『大東亜戦争の終戦の時に昔の資料は処分され、もうここにも当時の資料は残っていない。』とのこと。残念だが、祖父の何かの手がかりをと期待したけど見つからなかった。
 帰る段になり、私用の話が出ると、私が福山だと言うと、彼女の友達で、女性自衛官で福山の人がいる、やはり言葉があちらの感じなので、お聞きしたかった、と言うこと。世の中、本当に狭いものだ。帰ったら、内山さんの友達も探してみよう。

 では、これで青森の川もすんだし、用事も済んだ。よ~し、秋田へ向おう。少し腹もへっているが、岡林さんから聞いている、青森と秋田の境の辺りに「風穴食堂」がある、と言うことなので、そこまで我慢することにした。7号線をどんどん走り、県境へ来たら、大きなドライブインがあり、これに変わったのかな?とも思いながらも、もう少し行ってみようと坂を下るがそれらしきものが見つからない。つぶれたかな?腹もへったな!と、思いながら、まだ、下っていくと『あった~!有った、有った!』「風穴ドライブイン」と、看板。見つかった。良かった。ここだ!
 早速「ラーメン+カツ丼(小)¥650」也を注文。安くて、多くて、うまい。岡林さんが推奨するはずだ。名前の由来を聞いてみると、やはり近くに風穴があり、「長走風穴館」があるとのこと。見に行くほどでもないだろうと、そのまま出発した。

 兎に角、米代川目掛けて、行かねばならない。先ずは、「旅本」にある、早口駅近くの河川公園へ向う。
 近くまで来たけど、到着しない。分らない、早速、聞いてみよう、丁度、ご婦人が歩いていたので、『早口河川公園はどう行けば良いのですか?』 『私、この辺、まだよく分らないので、この辺の人に聞いてみましょう。』丁度、おじいさんが居られたので、彼女が聞いてくれた。じいちゃん『○○踏切○○役所○橋○○』。彼女が通訳『そこを右に回って、進み、踏切を越えて、まっすぐ行くと、役所の看板があるから、そのすぐ先を右へ行き、橋を渡れば公園です。』と。
 彼女『日本一周しておられるんですか?』 『はい、金は無いけど、時間だけは、た~っぷりあるので、それを活用し、一念発起しました。こうして、その地その地で、色々なお方とお話が出来、親切にして戴いて、毎日がすんごく、素ん晴らしい日々です。通訳してくださり、ありがとうございました。』 『頑張ってくださいね!』 『はい、ありがとうございます。楽しく、頑張ります。』

 中々良い公園があり、川面へも高さはあるけど簡単に降ろせるし、その川面はカヌーポートのように湾になっていて、『これは好い。』と、早速、カヌーを降ろし、スタート地点に決定。
 さて、ここでも寝れるけれど、ゴールは一応、二ツ井の「銀杏橋」の河川公園を予定とし、目指す。この銀杏橋の公園も中々よろしい。近くにスーパーもあり、草地も心地良さそうだし、回りに家もある。『よ~し、今夜はここだ。』
 テントを張り、食事の準備中、少し暗くなりかけていた頃、妙齢の御婦人が犬の散歩、『あら、日本一周ですか?好いですね。』 『はい、楽しいですよ。特に、その地、その地で、色々なお方とこうして話ができるのが、一番楽しい事ですね。特に、あなたのように秋田美人とお話ができたのが、最高です。』 『あら、うまいこと言って!暗いから、顔、見えないでしょう?』 『そう言われてみれば、暗くなりましたね。』 『今夜はごゆっくりやすんでください。』 『ありがとうございます。おやすみなさい。』 『おやすみなさい!』
《二ツ井河川公園泊》

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