日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月16日】

2006-11-08 06:00:48 | Weblog
《整理》

 今日も朝から上天気、役所で電源借りようかと行くと、盆休み。そうか今日は土曜日だし、お盆だった。
 では、「たんのの湯」が有った、どんなのか行ってみよう。
 行く途中、住宅街を通過して行くと前庭がやはり綺麗にしているお家があり、ご主人が居られたので、声を掛けた。

 『こんにちは、綺麗にしておられますね』 『いや~、まだまだですよ!』 『お尋ねしたいのですけど、この辺に大きなホームセンターありませんか?』 『有るよ、こう行って、ああ行くとあるよ。』 『そこには工具貸してくれるコーナーは有りますか?』 『それは無いな~、何を直したいの?自転車かい?』 『いえ、パドルですけど、木に穴をあけたいのです。』 『わしも道具は少しは持ってるから使えるかもしれないよ。どんなのだい?』実は前々からパドルのグリップが取れていたもの、直さねばと思いつつ中々出来なくて、不便していた。修理方法を話すと『それは簡単だ、すぐに出来るぞ!』と、言うことになり、工具を出して、次々とやってくださり、ばっちり修理できた。

 前庭が美しいし、北海道へ来て、前庭の美しいところ、再々見ているので、お聴きすると『これは女じゃできない、男の道楽なんだ、もう、わしは毎日が暇だからな!』と、言うお話。『夏になると沢山の花が一斉に咲くので、それを楽しんでいるし、通る人にも喜んで戴こうと頑張っいるんだよ!』
お世話になった佐藤さんと前庭
 佐藤さんに、しっかり礼を言ってお別れした。が、しばらく走って、ふと気がついた。修理したパドル、日向で乾かそうと置いていて、積み忘れた。また、戻る事になった。

 泊地から、5~6kmの所に「たんのの湯」があり、積もりに積もった整理をしようと、昼前から、入り、結構客も多く、久しぶりに湯に浸かった。ここで、素晴らしい親子に出会った。

 体を洗っていたら、隣の父親へ、『お父さん、背中を流しましょうか?』 『いや、いいよ、自分でやるから…。』と。暫くすると、また『父さん、背中流しましょう!』と、有無を言わさないで、さっさと背中を洗い始めた。お父さんもそのまま息子さんのなされるままに、背中を流してもらっている、『今、太郎が流そうと言ってくれたけど、断ったが、悪いことしたな!』と、反省しておられた。
 そうですよね、始め太郎さんが流そうと言ってくれたのに断り、後で言ってきた次郎さんに流してもらっているのを、太郎さんが知ったら、キット気分を悪くするだろうから、お父さんはその様に反省の言葉を吐かれた。が、このお父さん、それだけではない、この後、自分が使われた洗面器を綺麗に・丁寧に洗い、椅子の上に伏せて、湯船に行かれた。なんと素晴らしいお父さん、こんな素晴らし親御さんだから、子供教育が良くできているのだ、普通の人は親の『背中流しましょう!』とは中々言いにくいもの、それを兄弟どちらも普通のことして言うことが出来、実際にやっているし、誰でも、自分が使った洗面器、使いっぱなしだと思う。少なくとも、私は今までそうだった。今後は、このお父さんを真似よう。素晴らしい人と隣り合わせになれたものと、お父さんと北見市に感謝!

 「たんのの湯」は、始めに電源お借りしたいと言うと、『どうぞ、どうぞ、ご自由に!』と、言うことだったので、昼食を戴き、しっかりはかどらせていると、『日本一周してる人ですか?新聞で見ました、頑張ってください。そして、北海道を楽しんでください!』と、ワザワザお声がけしてくださったお方がいらっしゃった。『お声掛けありがとうございます。素晴らしい北海道を満喫させていただいています。』

 新聞の力はやはり大きいものだ。それにしても、そうしてお声掛けしてくださることも、中々できないこと、小さな勇気だが必要なこと、皆様の応援してくださるお気持ちをしっかり受け止め、ありがたい気分で満たされました。

 暗くなり始めた6時まで居て、今までのほとんどの整理ができ、非常に助かった。
 『「たんのの湯」さん、大変ありがとうございました。』
 次へ行くのは、もう遅いので、今夜も北見大橋の下を宿にしよう。ここは居心地が良いから、三晩目になった。

《北見大橋下泊》
【8月17日(日)】《網走川》 番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度 備  考
5 網走川 115(内約13) 美禽橋 網走湖女満別キャンプ場  易 手付かずの自然が一杯

 北見大橋を朝、出発。佐藤さん宅の横を通り過ぎ、端野町を通り、39号線を美幌町へ向けて走る。
 美禽(みどり)橋を素通りし、先へ急ぐ、が暫く走って、ふと気がついた。もう海が近い、ここから先はほとんど距離がない筈だと…。それでは駄目だからと引き返し、かけて、『そうだ、ここまで来てるんだから、自転車を置いておこう。』と、網走湖畔まで行き、それから、また、先の美禽橋へ戻ると川原へ降りれるし、カヌーも降ろせる。何と、こんな良いところを素道りしていたとは、うっかりしたものだ。

 網走川では、網走湖へ流れ込んでいるから、この前の「渚滑川」で海へ出れなかったので、この湖ではセーリングしてやろうと、セーリング仕様を一通り積み込んで、出発。
 出発地も結構下流だから、瀬もほとんどなく、人工の部分が割りと少ないにもかかわらず、案外鳥が少なく、平凡に緩やかに流れているだけと言った感じの川で、女満別町の新設中の橋から、少し下だった所で、流れもほとんどなくなり、わずかながらもランニングの風なので、セーリング仕様に変えた。暫くはランの風だが、川が曲がると上りに変わったり、風も一定しない。左右へタッキングをするが風も落ちてしまい、前進しない。仕方なくパドリング。マストなど付けたままでのパドリングは一寸難しい面が有るけど、そのまま下り、網走湖へ出る。ここでも風がなく、湖上をパドリング。

 カヌーで広い場所をパドリングと言うのは面白く・楽しいものでは全くない。
 それだけに、シーカヤックに乗る人の気持ちが私にはどうも理解できない。あの島に行きたい、目の前の海を越えたいと言うことは分かるが、行程に楽しさが無いのではないだろうか?セーリングカヌーでセーリングして行程も楽しみながら、その島に行く方がもっと楽しいのじゃないかなと私は思うのだが…。まあ、自分の力で海を渡ったと言う満足感を味わうことは十分にあるだろうけれど…。でも、セーリングでも同じ征服感はあるし、セーリングならば行程をも満足できるのになぁ。欲張りなのかな、私は?

 そんな感じで、風がなく、パドリングで、網走湖の「女満別湖畔浴場&キャンプ場」へ到着。そこで、自作木造カナディアンカヌーに出会った。非常に綺麗な造りだ。設計や基礎型は別だけど、材料など、全て自分で調達し、パドルも綺麗に見事に作っておられた。中々器用なお方で、また、作るのが好きなのだそうだ。友と一緒に数ハイ造り、自分は少しスリムに作ったから、沈しやすく、今度はもう少し大きいものにしたいとの事。が、大きくすれば重くなるし、板を薄くすると弱くなるしと悩みも打ち明けられた。
 でも、これだけ美しく作られると、汚れたり、傷がつくのがいやになるだろうなぁ。

 網走川を終え、美禽橋から、網走市の民宿「ほくい44」へバウを向ける。この民宿は、前々から高知のメール友達の岡林さんの常宿、高知の彼が、休暇になると北海道へバイクや車で、今までに何度も訪れ、網走へ行かれると必ず「ほくい44」に常宿されている所で、「安いだけでなく、美味しい、楽しい」と、紹介していただいている。ので、私も泊まろうと向った。地図もメールで戴いていたので、また、道順の途中でもあったので、実に簡単、すぐ判った。
 が、実は、今日は日曜日、金は財布にほとんどなく、すぐ、近くに郵便局があるからと安心していたが、ATMも休み。それで、ご主人に挨拶だけして、泣く泣く後にし、先へ進んだ。
 オホーツクの海岸線を東進し、右手の涛沸湖を過ぎた所の、道の駅「はなやか(葉菜野花)」で休憩。見ると、「キャンプ場 浜小清水前浜」の看板、すぐ裏に有るとのこと、少し早いけど、今夜はここに泊まろう。
《浜小清水前浜キャンプ場泊》

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