日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同後編 【2004年 6月14日】

2007-01-09 07:50:39 | Weblog
《四国八十八ケ所巡りを兼ねて》

 準備万端整え、
 1208 出発。
 現在走行距離52241km。

 尾道から美しい瀬戸の島なみを眺めながら、真っ青な晴天空の下を走ると、これからの素敵な旅を連想させてくれる。

 今治まで一っ飛びで到着、橋が無かったころと比べると隔世の感がある。
 「延明寺」、「南光坊」、「国分寺」とお参りし、60番「横峰寺」へ、ところが何と遠い・遠い、高い、高い山の上、道路整備費として、途中、有料道路になっていた。が、時間が遅いので、管理の人もいない。そのまま素通りさせてもらった。長い坂道を・急坂を・ウンウン言わせながら、登って来るとやはり瀬戸の美しい島々、瀬戸内に住んでいてもやはり美しい景観だ。お参りを済ませ、下りはやはり早く下山してしまった。
 次へと、国道筋にある62番「宝寿寺」へ来た。ここでは、三原市のまだお若いご夫婦が熱心に読経しておられた。赤ちゃんに問題でもあったのだろうか?もしそうだったとしたら、おかわいそうに…。しっかりお参りして、辛い思いを、早く払拭して欲しいものだ。

 次へとナビを見ると、61番「香園寺」を飛ばしていて順番が狂った。「まあいいか」なのだが、実は今年はうるう年、巡礼は逆回りが本当なのだと後でお聞きした。と、言うことは、ここだけ私は順路だった訳だ。まあ、順路通りでないといけないと言うことは無いので、そんなこと無視無視!
 「吉祥寺」「前神寺」にお参りし、西条市の加茂川の川原へ、丁度良い草地もあり、今日の泊地に決定。
《西条市加茂川泊》

”宗さんのHPへ戻る”

 同 【なかがき】

2007-01-08 07:19:56 | Weblog
~なかがき~

 6月7日、福山を出発したときは田植えがすんだ時期だったが、帰り着いたときは収穫がすんでいた、その間129日となっていて、この間の走行距離、13、547km(一日平均105km)。
 また、この間の全費用は以下の通りです。

科  目金 額(円) 円/月 摘    要
ガソリン135、31531、46910km/㍑
通行料29、8006、930有料道路
飲・食品128、46729、876 
キャンプ場11、1002、581 
宿泊費12、0002、791民宿・旅館
風呂代10、1102、351 
雑費56、46313、131 
総  計383、25589、129


 この内、4割は家にいても飲み食いはやっているので、旅故にかかった費用は、6割くらい、金額にして月5万円強、この金額でこれほど素晴らしい毎日を体験できるならば、返って安い位だ。下手に飲みに行ったら、一晩でパーだ。また、旅のおかげで、安価なお酒の購入ルートを知り、10年も掛からないで、元が取れそうだ。
  楽しく、有意義な、素晴らしい、長い、長~い、川下りの旅だった。まだ、九州・四国・中国の一部が残っているので、これは次の楽しい夢となる。
 楽しかった川下りもさることながら、テレビでも見ることも出来ないほどの鳥達の色々な珍しい生態を沢山見せてくれたし、各地の珍しい食べ物も非常にうれしい出会いだったし、もっと大きな、大きな喜びは各地の人々との出会い、人々の美しい心に接し、一期一会の素敵な日々の感動をいただきました。特に、同級生には、非常にお世話になり、
皆様、本当にありがとうございました。

  それと13、000km余も走りながら、一度の小さな追突事故には遭ったけど、怪我なども無く、違反も無く、順調に旅が続けられ、パンク一つさえしなかった。
 「速度違反取締り中!」の道路が度々あり、気がついたのは一度だけだが、ピカッと赤い灯がついいたので、「やられた!」と思っていたが、帰ってから、スピード違反が何通か来ているのじゃないかと心配していたけれど、結局全く来なかった。やはり、注意したことと、安全運転に心がけたことが幸いしたようだ。

 また、今年は、雨が多く、本当の日本一の清流と言う川でありながら、それを見ることはできなったけれど、水量は多く予定通りの川をすべることが出来本当に幸せな日々でありました。

  日本一周と言うと、時間の問題と金銭の問題、健康の問題等で、出来ない・難しいと思う方が非常に多いと思いますけど、実は、難しいことでもないし、大金が無いと出来ないと言うこともありません、その気にさえなれば、誰でも出来ることです。その気になって「どうすれば出来るか」を、ご自分の夫々の立場で、夫々にお考えになられることをお勧めします。必ず、方法は見つかります。
  時間の問題は、例えば、病気になって3ヶ月入院したと思えば、仕事を休んででも出来ること、あなたがいない方が仕事がうまく行く事だってあるかもしれません。(超、失礼!)どうしても連続長期休暇が取れないならば、土日祭日などを活用することも不可能では有りません。
  大人ばかりでなく、特に、いじめ等で学校へ行けない子供達に言いたい、クラスや学校などと狭いこと考えないで、もっと広い視野を持って、日本一周の旅に出なさい。四国一周でも、県内一周でも良い、もっと広い世界を見て回りましょう。それは君にとって素晴らしい人生を教えてくれます。家に引っ込んでいないで、遠くへ行こう!

  金銭の問題では、宿泊は旅館、ホテルではどうしても高くつくし、どこも同じ待遇なので、喜びが少ない、それで、テントが楽しくて非常に良いのだけれど、泊地探しに難儀をする場合、天候が非常に悪いときなどがあるので、軽四で十分なのでワンボックスカーの荷室へ車内泊も考慮し、これは非常に楽。小さな冷蔵庫を積めばグー!自炊をお勧めします。
  足は、キャンピングカー、乗用車、オートバイ、カブ、自転車、徒歩などありますが、軽四のワンボックスが、小回りがきく、ガソリン代・フェリー代が楽、荷室が広く便利で、使いやすい、など経済面でも非常に良いでしょう。

  健康問題は、普段から健康には気をつけて風邪など引かないように、歯は出発前に見ておきましょう。いざの時は、心配ありません。各地に医者はあるし、電話でかかりつけのお医者さんに指示を受けることも可能です。また、重病の場合は、一旦帰ることも難しいことではないでしょう。ただ、重大な自動車事故をしないこと、巻き込まれないようにはしたいものです。

  ただ、単なる観光地巡りのそれは恐らく十分な喜びを得ることは難しいでしょうから、何かのテーマを持って、その目的を果たすように行けば、必ず充実した旅になります。テーマは何でも良いのです、自分の持っているもの・あなたの腕を生かすこと、あなたの趣味を生かすことは良いテーマでしょう。
  また、例えば、ガソリンスタンドの経験があれば、それを生かして、各地でスタンドで一日だけ仕事しながら回っても良いでしょう(金は貰わなくても良いつもりでいる方が良い:ドイツではマイスターになると、自分の職業を勉強のため、3年くらいかけて、歩いてドイツ一周をする習慣もあるようです。)犬を飼ってれば、犬と一緒に回り、各地の犬の飼い主を訪ねても良い、学校時代や仕事仲間だった人を訪ねても良いし、全国の知事や市長を尋ねても面白いかも・・・。

  なお、日本一周でなくても、各市町村一周でも、各県一周でも、九州一周でも、良いと思います。
  例えば、小学生だと、市町村一周で全小学校巡りで、校長先生訪問なども有意義でしょう。 
  「○○で日本一周」など車に1箇所は表示しましょう。Tシャツの背中でも良い。これは大きな大きな喜びを与えてくれます。車でなければ、幟でも良い。
自作コンロ
 また、旅に限らず、生活には、煮炊きやトイレは必ず必要なもの、煮炊きに使うコンロはカセットコンロが軽いし、便利なもので、私も全てと言っても良いほどこれを使いましたけど、河原など山野では、枯れ木や流木、不要の紙など、薪(まき)・燃料になるものも沢山転がっており、それを使うことで、周りが綺麗になるし、楽しさも倍増、美味しさも倍増、極力使いたいものですね。そこで、市販品も有るでしょうが、重い、割れる、大きいなどで敬遠したい場合もあり、私は自動車修理工場で捨てられる運命の一斗缶を戴き、天板の一部を切り取り、横の中間部近くに丸棒用の穴を開け、鉄棒を通し、一番下側には空気穴を儲け、その空気の調節には、上部の取って部分を細工した。この度の旅では、雨が多く、この自作コンロは2度しか使えなかったが、塩梅(あんばい)は非常に良かった。
自作トイレ
 重要な問題に、トイレがあります、昨今はトイレはどこにでもあります。全く心配ありません。
 ただ、アウトドアーでは、トイレがすぐ近くに無い場合が多いので、洋式トイレスタイルを、これもホームセンターで少しの材料を買い、家屋建築中の大工さんに一声かければ、少しの板なら戴けます、写真のような、組み立て式のトイレをこしらえた。残念だが、これをトイレとして使うチャンスは一度も無かった。と、言うよりも、草陰でしゃがみ込む方がつい手っ取り早いので、そちらにした。スコップを持参、排便後は紙を使わないで、これも自作のハンディーウォシュレットで綺麗に洗い、土をかけて、自然に返した。なお、小の時は、良くぞ男に生まれけり、を毎日実感し、テント内では適当な容器を尿瓶(しびん)として使った。

 なお、カーナビは十分な使い方を知らないまま使ったので、高速道路を回避する方法もありました。その他、使い切れなかった機能はまだまだあり、マスターしてから出発していればもっと便利に使うことが出来たに違いなかっただろう。

 この旅は自然の中に入りこんだ旅でしたが、自然は素晴らしい歓迎をしてくれたし、自然の感性には誠に素晴らしいものがありました。
足跡
 そして、一期一会の旅、多くの人との出会い、非常に楽しい、善意の人との出会い、人は素晴らしい、人の心は素晴らしい、都会では決して知ることのできない人の心に接することができました。
 次の平成16年の予定、九州・四国・中国の一部方面が非常に楽しみです。

「日本一周川下り 前編」 終わり

”宗さんのHPへ戻る”

 同 【2003年10月13日】

2007-01-07 06:07:36 | Weblog
《天神川》

番号 河川名 全長(km)
備 考
70 天神川 32 水量不足

 夜中、雨がぽつぽつ降り出した。『やった、降った!念じた通りになったぞ!』
 雨はそのまま小雨だが降り続いた。楽しみにテントを片付け、下見するが、どうにもまだまだ、浅い、余りにも浅い。堰はあるが十分に越えられるから大丈夫だが、ず~と下見し上流へ行くが、やはり水が少ないのはどうにも戴けない。まだ、雨の量が少ない。仕方ない、ここは止めだ。次へ行こう。
 山陰の9号線を西へ向う。

 途中、道の駅「大栄」がある。寄ってみて驚いた、大いに驚いた。
 一つは、「道の駅第一号」であること。
 もう一つは、お客さんが猛烈に多いこと、地域の野菜など産物が並んでいるのだが、いっぱいの人、すれ違いが難しいほどの人が品定めをしているし、レジ4台がフル稼働、お客さんが夫々に7,8人づつは並んでいる。『多いね!』と、言うと『今日は少ない方だよ、毎日、全部売り切れるんだよ!』と、商品の追加納品に来られたお百姓さんが言われた。そうだろう、これだけの人なんだから…。産地直販専門店と言った感じの道の駅だ。

 それから、10kmほど走ると、道の駅「ポート赤碕」があった。ここは漁港赤崎の側、鮮魚が売り物らしい、寄ってみる。
 驚いた!ここも大いに驚きだ。魚が安い。やはり、お客さんも多い~!活魚から干物、加工品まで魚関係がたくさん並んでいる。狭いけど、まるで、市場へ行ったように、景気良く掛け声も大きい、元気も良い。
 色々な「道の駅」を見てきたけど、ここの二つは異色だ。キット一号店「大栄」が成功したので、赤崎が真似たのだろう。こんなことはしっかり真似て、お互いに良い成長をするのは良いことだ。
 雨はやはり多くは無いが降り続いている。
 途中、COOPで弁当買って、車中で食べた。

《日野川》

 さあ、日野川の溝口に着いた。川原へは降りられない。通行禁止の土手道をやっとだけど横をすり抜けて、入れたので、上流へ、川は細い、夕べから雨は降っているけど、水量はまだ十分ではない。もっと下流でないと無理のようだ。が、何とか川原に降りれるところを見つけた、行ってみると、細い道がついている、キット近所の魚釣りの人が時々歩いているのだろう。川面へも何とか降りれる、が、細い流れ。雨は本格的に降り出した。上陸地を探しに、また下流の下見に行こうかと思って走り出したが、どうも気が重い。気分が乗らない。ファイトが出ない。福山が近いと言う気持ちが離れない、ホームシックかな?色々考えたが、無い後ろ髪と前髪を引かれるような気がして、やる気が出ない、チャレンジ気分が沸かない。日野川が水がしっかりあり、瀬もあって、上下架出来る所があれば、少々雨が降ってても、ファイトが沸くのだが、日野川は、今年は止めだ!来年にしよう。この雨の中、泊地を探し、橋の下があれば良いけど、なかったらテント張るのも億劫だ。

《帰宅の途に》

 と、2時過ぎ、福山へバウを向けた。
 新見・東城経由で福山へ無事に着いたのはもう暗くなっていて、距離計は49637kmを指していた。本当に素ん晴らしい旅だった。
 皆さん、沢山、たくさん、本当にありがとうございました!

”宗さんのHPへ戻る”

 同 【2003年10月12日】

2007-01-06 06:35:06 | Weblog
《移動》

 夜中に、ポツポツと言う雨音、空を見ると厚い雲、これはヤバイかな?と、仕方なくシートを掛けることにし、起きだした。テント張るとき、うっかりしていて、シートカバーのためのスペースを取っていなかったので、今日は少しいつもと違う変形の屋根となったが、結果論だが、これも結構使い勝手が良い方法でもあった。今後はこの方法も時々取り入れよう。

 福岡さん達は、今までに子供達に対してのボランティア活動の褒賞(ほうしょう)として、日本生命財団から、カヌーを贈与されたそうだ。良い行いを認められ、結構なことだ。我が「天の川カヌークラブ」も将来はこのような名誉ある成果を上げたいものだ。
日生財団からの贈物
 出発準備をしていると、彼らも起き出し、互いに今後のカヌーライフを誓い、別れた。

 今日は打ち込みをしようと東郷温泉へ向った。東郷温泉でPC、打ち込むつもりだったが、一寸変わった建物の所に、人が沢山集まり、マイクでも、何か訴えているのが少し離れた道路までがんがんに聞こえてくる。面白そうだと近寄って行く。何かのイベント会場でもあるようだ。
 入場は自由、早速駐車場へ、そこでは、「マラソン」や「トラック引き」等の競技のメイン会場で、その後ろ側の変わった建物と言うのは「燕趙園(えんちょうえん)」と、言う中国庭園や建物で中国製品の販売や中国文化の発信地として、1996年に創業したものだと言う。
 有りがたいことに、今日は祭日で、サービスデー、雑技・舞踊・歌・獅子舞などが無料公開されるとのこと。また、工事中の建築物もあり、そこへの入場が出来ないため、入館料は半額。これは入いらない手はない。

 実は、私の友人に、中国語勉強している友がいるし、私にも中国人の友達も数人いるし、中国の勉強と土産話に絶好調、と言うことも有った。
 若い別嬪さんの雑技、足で笠を回したり、筒を回したり等など、さすがに中々うまいものだ。笑顔を絶やさない舞踊や歌、「かわゆい~」と言う感じ。神戸の元町から来ていた獅子舞はさすがに非常に上手で日本でもトップクラスのグループだと説明していたテレビでは見たことがあるが、実際に見るのは初めてだ。
 美味しい豚饅やチマキ、その他中国食品も沢山並んでいて、見るだけでも楽しい。
 CMではないが、ゆっくりと回れば、もっともっと、楽しく、面白く、勉強にもなる場所だ。

 隣に有る温泉の半額チケットもあると言う、PC打ち込みも『どうぞ、ごゆっくり!』とのこと。ありがたい。
 4時半までPC打ち込み、一段落したところで、出発。天神川はここからは近い。

 天神川着、少し見たところ、水が少ない、でも雨が降れば、何とかなるかも知れない。今日は雨が降ることを念じておこう。
《天神川川原泊》

”宗さんのHPへ戻る”

 同 【2003年10月11日】

2007-01-05 06:23:55 | Weblog
《千代川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度 備考
69 千代川 52(内約6) 釜口のバス停 出会橋 中易 堰越えは楽

 今日も朝、減量したくて、目が覚め、川の近くへ穴を掘り、減量に成功。成功というのは一寸おかしな表現だが、石ころの多いところ、草陰で、穴を掘るのにも、丁度良い砂の場所があり、楽に掘れ、足場に大き目の石があり、楽になれた。それと、ハンディーウオシャーは誠に良いもので、川でも、山でも、道の駅のトイレでも、会社でも、外出先で、もようした時には非常に使い心地の良いもの。誰でも一つは持っていて欲しいものだ。簡単に自作可能でもあるのだから・・・。
 昨日、国交省で千代川(せんだいがわ)の地図を戴き、お教え戴いた数々の堰や頭首工の確認、また、流れの下見に出かける。
 先ずは、「河原橋」の下、ブロックや大きな石がごろごろ出ている、その中で一番スムーズに滑れるコースは一番右岸側の橋脚の右側ぎりぎりを通れば大丈夫。
大井手用水堰
 次の大井手用水堰は、扉が上がっていれば、扉の下を通過すればOK、但し、扉の中央に上から鉄筋が垂れ下がっている、あの鉄筋は避けなければならない。もし、扉が下りていたら、堰をポーテージしなければならない。どちらにするかは直前に選ぶことになる。
 その上の渡一木用水堰は、半分を水制工の突堤で、流れの半分はフリーだから、これは問題無い。
 その上の徳吉堰は落差が大きいので、そのまま下ることはできないが、右端のコンクリート地へ上陸し、ロープでカヌーを流し、ゆっくりポーテージすれば大丈夫。
八日市堰を下側から
八日市堰を横から
 問題はその上の、八日市堰。流れ全体をせき止める形で、全体が浅い流れで、落差が1m余あり、斜めに水は流れ落ち、ここはキット藻があって、すべり易くなっているだろうから、気をつけなければならない、その下側はまたコンクリートで水平に固められ、その後、ようやく流れになるが、そのすぐ下はがれ場で石がごろごろ出ていて、白波が立っている。さて、ここをどの様にして通過するかは問題だ。

 この八日市堰の迂回路として、狭い水路が有るには有るが、ここをカヌーで通過することは、もっと困難。何としても、向こうを通らねばならない。
 後は自然の瀬だから、まあ、何とかなるだろう。
 出発地は先の八日市堰より300mほど上流で、釜口のバス停の所、道端に小さな公園のようになっていて、植え込みの間から川辺へ降りれる階段もある便利な場所。カヌーを下ろしておいて、キャンプ地へ帰る。

 コンビニへ行くと、丁度、姫路の福岡さんが『わー、すごいことやっておられるのですね!僕達は、今「流し雛の館」から下って来てて、私はサポート隊しているんですけど、この川向こうにテント張って今夜も泊まりますので、良かったらおいで下さい。』と、お聞きし、もう特別先を急ぐ旅でもないので、今夜は彼らと話し合おう、と決めた。
 ゴール地は「出合橋」の真下と定め、昼食を取り、自転車で上流へ、車では見れなかった所を再度下見をしながら、行く。途中、福岡さんの仲間、2ハイのカヤックが下っていた。見ると別れ水路でどちらへ行こうかと迷っていたようなので、『左!ひだり!』と、言った。聞こえたかどうかは分らなかったけれど、左へコースを取られたので、見送って、先へ急いだ。
ここも「きけん」だそうだ、困ったことだ
 途中、ここでもやはり川原へ入らさないように、チェインで車止めをし「きけん」と札を下げてある。人が川原に入らないと、危険な野生生物や日本に不要な外来種の生物が繁殖等しなければ良いけれど…。今頃は危険なペットを捨てる人がいるのだから…。

 スタート地は可愛い瀬の中、
 1413:岸を蹴って飛び乗るるとすぐ早い流れに入る。水は非常に綺麗だ。『おっ!ヤマメだ。ここはヤマメが居るんだ。あっ、また、ヤマメ。すごい!』大きいのや小さいのが良く見える。潜って見たい衝動に駆られるけど、車には道具は揃っているけど今はそれも出来ない。また、ヤマメに見とれているわけにも行かない。難関の堰が近づいている。これは先ず、手前が浅くなっているだろうから、そこで降りる。カヌーをロープコントロールで、下の段へ降ろし、アンカーを堰の壁面に立てかけ、9月10日の最上川Ⅰのスタートの時使った、崖下りの要領で降りて、アンカーを抜けば、それでOK!と、目論んでいたが、アンカーが壁面に引っかからない、それは困ったと、水草の根っこへアンカーを引っ掛けさせ、テストで引いてみたら、キチンと効いている。OK、これなら体重をかけても大丈夫だ、と壁面を、降りる。斜面には藻が思ったほど付いてなく、滑らないで降りることが出来た。あぁ良かった。ごろごろ岩の水路へ入ると、そのすぐ対岸側で、石を探している人、『ダイヤモンド見つかりましたか?』首を横に振っておられた。
徳吉堰
 次は自然岩と人工の堰で、出来た徳吉堰、これは右岸側のコンクリートの台地へ降りて、ロープ操作で降ろせる。簡単だ!
 当分優しい瀬、どちらかと言うと、浅い瀬なので、歩く。そんな浅い瀬を過ぎトロ場に入ると、水中眼鏡にシュノーケルで水中を覗いている人、『ヤマメですか~?』 『いえ、石を探しているんです。』 『えぇ、石?先ほども探している人おられましたけど…。』 『「佐治石」を探しています。これを水盤に飾ると綺麗なんですよ!「佐治石」は、日本の綺麗な石、五指に入るものなんです。』 『色々な趣味があるものですね。頑張ってください!』

 先ほどの福岡さんの仲間が左へ入った分かれ、当然左への瀬に入り、瀬を降りて少し進むと、渡一木用水堰の水制工、これを横目に見て通過。
 さて、次は大井手用水堰、こいつはその上の瀬から、右折し、曲がったところから、直進し、垂れている鉄筋を目指し、その横をすり抜ける。あまり左岸に近づき過ぎると下のテトラへぶっつかるので、要注意。が、目論み通り、鉄筋の左側をスルリと通り過ぎた。OK!
 その次が最後の難関、河原橋の下、近づくと、『あれ!』橋脚の左だったか、右だったか、忘れた。考えている間は無い。膝で立ち上がって、見る、『エイ、左へ行け!』と、突っ込む、最後が大きな石が出ていて、危なかったが何とかクリアー!OKだ!
 後は、もうゴールは近いし、問題になるところは無い。ゆったりと進む。最後の浅い瀬は降りて、歩く。カナディアンは乗ったり、降りたりが非常に楽だから、便利だ。
 1557:到着。6kmを1時間44分の川旅。やはり、堰やポーテージがあると時間は掛かる。

 鳥は下流で少し見えたけど、総じて少なかった。でも、ヤマメの姿を度々見れたことは印象的な記憶に残る川となった。
 さあ、福岡さんの待つ今夜の泊地へ行こう。
 彼らに何かをと思い、スーパーで「沖ギス」を求めた。実は、店のラベルには「沖いわし」と書いてあり、始めて見る名前、「鰯」とは似ても似つかぬ姿、聞いてみると、この辺りでは昔から、そう呼んでいるので、表示もそうしている。本当の名は「沖ギス」だそうだ。どうりで、「キス」に似ている。が、「キス」とは、似ているけど、少し顔つきが違う。
 泊地へ行くと、そこには、5名の若者が居て、早速、カヌーの話や日本一周の話に花が咲き、夜も遅くまでワイワイであったが、私は先に退散したが、彼らはもっと遅くまで話しに花を咲かせていたようだ。
《千代川河原町泊》

”宗さんのHPへ戻る”