日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月23日】

2006-11-15 01:07:58 | Weblog
《暦舟川》

 朝、風が強く吹き、小雨も降り出し、充電のある間だけでもと、PC整理し、食事にそばを食べ、テントの撤収。減量をしようと「コスモール」へ行って見る。何とトイレに入れる、何と談話室も使える、電源もたくさんある、和室まである。何と素晴らしい道の駅だった。
 ここの談話室で、またPCの打ち込み、青空も見えてきた。
 この談話室、実はバスの待合室でもあった。バス停だったのだ。

 道の駅には色々な方式を併設しているところがあるが、、観光案内だけの所、ここのようにスーパーマーケットや産直品販売、バス停と中々活かしている。遊園地を併設している所もあった。その地域の考え方やアイディアを生かしたものがあり、大変面白い。

 さて、自転車で上流へ、川は曲がっているけど、ここの道はまっすぐに進み、最後に左折すれば到着する。行程8kmほど。途中、川面が見れた、聞きしに及ぶ、綺麗な澄んだ水、熊野川とどうだろうか、楽しみだ。ただ、水量が少なそうなのが残念だ!
 それから、15分ほど走って、到着。

 川辺へ降りると、なっ、何?何と!暦舟川(れくふねがわ)は濁流になっている。ゴーゴー流れている、波しぶきを撥ねながら、15分前の清流はどこへ消えた?カヌーのところへ行くと、ご婦人とのお二人さんが近づいてきて、『出られるんですか?昨日、暦舟橋まで下ったんですけど、途中倒木があって、危険なところがありました。気をつけてください。でも、今日は川幅がひろくなっているから、大丈夫かも知れません。』 『暦舟橋、上がれるんですか?昨日見に行ったんですけど、難しそうだったから、大樹橋にしたんですけど…』 『えぇ、一寸見難いけど上がれる場所があるんですよ。』と。

 キャンプ場の管理人さん曰く『水はどんどん増えている。今日は出ない方が良いけど、出るなら早い方が良い。まだまだ増水するよ!ここは、普段はおとなしい川だけど、雨が振ると、急激に増水し、暴れ川になるんで、注意しなければならないんだよ。』考えたけど、まあ、大丈夫だろう、先の倒木だけは気になる、が、キット他の水路が出来ているはずだ。

 準備していると、先のご婦人、『出発の写真、撮ってあげましょう。ご住所教えてください、送ります。一人旅では自分の写真無いでしょうからね。』 『えっ、それはありがとうございます。そうなんです、自分の写真は無いんです。うれしいですね~、助かります。』
 いよいよ、917:出発。急流の中で、ポーズを作ることは中々難しい。が、手をあげ、パドルを振って、別れた。良い写真ができていればうれしいなぁ。親切な、心優しい人がいるもんだ。さあ、これから、大変な戦いになるぞ!

 岩が出てないから、良いけど、波の大きさは富士川や長瀞峡並み、流れはここの方が大分速い、パドル裁きはそれほどテクニックはいらないけど、体力が必要だ。波の大きさは所に寄れば、富士川のドラゴン級もある、そこは避けた。あんな所行ったら、ヤバイ!波高1mはある。そんな所へ行くと、半分程度波へ突っ込むと水が入る。体重を移動させたりして避けるのだが、どうしても力が負ける。膝程度まででも水が入ると次が危なくなるので、できるだけ早く、あか汲みをしたいのだけど、この強烈な流れの中、パドルを留守には出来ない。次の着岸できる石原や反流になっているトロ場などへ向って必死で、パドリング。到着すれば、やれやれと掻い出す。
 それと、先が分からないので、カーブの所で見通しがきく石原などがあれば、上がって見に行く事もある、などで4回上陸し、一度は木につかまってあか汲みをした。

 兎に角、波高がすごい、1m以上のところも随所に現れている。そこは避けて、少し離れて通過した。
 時に、流れに横向きになることもあり、ヤバイ!ヤバイ!と言いながら、必死で立て直す。
 兎に角、どんどん流れているのだから、もし沈したらそのままどんどん流されて、最悪海まで行ってしまう。そんな状況なのだから、流れに負けられない。体力勝負のきらいもあるのだが、沈して遊んでいる訳にはいかない。

 両岸の木々の連なりが、突然切れたと思ったら、ゴール直前だった。すぐ手前に、超厳しい瀬があり、ど真ん中へ行くのはやはり躊躇、サイドの波が少し低いところへ突っ込む。そのため、少し右岸側へ寄っていたので、ゴールは左岸だから、急ぎ左岸へ寄せなければ、大樹橋の下は強い瀬になっているので、引き込まれたら、面倒だ。懸命に漕いだ漕いだ。予定地から、300mも過ぎた下流の石原にやっとつけることが出来た。 大樹橋まであと150mほどだった。
 1134:無事、ゴール!
 約8kmの超エキサイティングな川旅だった。

 それにしても、この暦舟川の変化のすさまじさと言ったら、驚きだ。
 車の所へ歩いていると、カヤックが下ってきた、一人は比較的安全地帯を降りてくるが、二人は最大波高の所を降りてくる。すごい!パドルが猛スピードで回転している。
 着岸に近くへ来られたので、『お帰り!』と、声を掛けた。『上がれない!』 『少し下で上がれますよ!』と、言ってるうちに3人皆揃い、下へ行った。

 車でカヌーの所へ行くと、彼らがカヤックを担いで歩いてくる。『朝来たとき、車見たんですけど、日本一周ですか、すごいですね!』 『金は無いけど、時間だけはた~っぷりあるんでね、…。』と、ついいつものせりふ。『朝。ここで見たときは。綺麗な水だったのに、こんなになっちゃいました。』 『いや、実は、私も行く途中、道から川を見たら、水は少ないけど、すごく綺麗だったのに、キャンプ場へついたら、これだもんね!びっくりですよ!』 『そう、ここはこんなのですから、気をつけないと…。』と、この川の上流に住まいしていると言う若い人が言った。『2、3日したら綺麗になりますよ。ゆっくりして行かれたら良いのに…。』 『そうですね、ただ、9月7日には山形へ行きたいのでね。私はカヌーには非常についていて、水はどこでも豊富で、ビュンビュン走るんだけど、後志利別でも、尻別でも、ここでも全部これ!日本一の清流なのに、一度も見ていないんですよ!今年は雨ばっかしだから…』など、話し合い、お別れした。彼らのカヤックはスポーツタイプ、激流ほど喜んで行く人達なのだ。
 スタートしたカムイコタンの農業公園で自転車を積み込み、帯広へ向けて出発。

 帯広は「すずらん大橋」の下を泊地と即決。
 さて、今夜は何食べようかな?今日はすごくエキサイティングだったから、しっかり栄養を取ろう。スーパーで品定め。折角、北海道に来ているのに、チンギスカ~ンを食べなかったと言うわけにはいかないので、『よ~し、今日は羊だ。』 『フライパンで、もやしとたまねぎで、焼くと美味しいのだよ。』と、教えられた、ただ、「肉だから、歯に詰まるだろうから、楊枝を準備して、もやしはないから、代りに白菜とピーマンとたまねぎにしよう。ニンニクも少し残っている、あれも使おう。」と臨機応変。と言えば格好良いけど、実は、適当にしてるだけだ!
 いつもの中華鍋で、焼いた。何と、うまい!じゃないですか!野菜もすごくうまい。何と、やわらかい、歯にはさまらない!抜群にうまい!昔、40数年前、札幌の近くの月寒の牧場で、ジンギスカン鍋で本格的なの食べたことあるけど、今ほど美味しくはなかった、様に思う。尤も、いまどきは「たれ」がすごく美味しくなっているからかな?
《すずらん大橋下泊》

”宗さんのHPへ戻る”